Otajo -オタ女-

Today is
Aug 20 2017

記事

絵師たちは世界を目指す!?『ILLUSTRATION 2013』刊行記念イベントで語られた”ポケモン”と”ミク”

Pocket
LINEで送る

「今」を象徴するイラストレーター・絵師150人の作品やWebサイトなどの情報を網羅した『ILLUSTRATION 2013』(ソーテック社)の刊行記念イベントが2013年6月1日に東京・秋葉原の書泉ブックタワーで開かれ、掲載作家の中から虎硬さんとちゃもーいさんのトークセッションとサイン会が行われました。

虎硬さんとちゃもーいさんは、ともにAKB渡辺麻友のシングル「ヒカルものたち」の完全限定生産盤に封入されたイラストブックや鳥取県のキャンペーン『とりまぐ』に参加した間柄。トークセッションでは絵を描くようになったきっかけから、ペンネームの由来、絵師としてのポリシーや使っている機材まで幅広いテーマに及びました。

現在はビジュアルレーベル『百化』を主宰し、CDジャケットなど各方面で活躍中の虎硬さん。「中学・高校の頃は絵も演劇もやりたかったけれど女子ばかりで、特に漫画絵とか無理だったし、浪人時代も趣味の近い友達がいませんでした。それが大学デビューして、とにかく何かやりたいという欲望があって描くようになりました」と話します。
そんな中でも村上隆さん率いるカイカイキキに在籍した経験が大きかったといい、「村上さんはエネルギーがすごいです。仕事をする上でプロジェクトを成功に導くプロセスが身体の中に染み付きました」とのこと。
宮崎駿作品や浮世絵にも影響を受けているという自身の作風を含めた現代イラストの潮流についても、「シャドーやグラフィックがフラットというのが日本人の基本的なスタンスだと思います。全体として女性作家は色のかけ方が繊細な印象ですね。僕もそうですが男性は強い色を置いていかにバランスを取ることが多い印象です」と分析。ボーカロイド曲のビジュアルなどインターネットのイラストを論考した『ネット絵学』を出すなど論客としても知られる一面を垣間見せました。

earth music&ecology japan labelの初音ミクのアイテムを手がけて注目されたちゃもーいさん。「子供の頃は『ポケットモンスター』しか興味がありませんでした。みんな人間をなぜ描くのと思っていた(笑)」といい、ペンネームの由来もひよこのポケモン・アチャモのゲームでの鳴き声から取っているとのこと。
イラストレーターとしての道が開けたのは、大学でのポスターがきっかけ。「絵の仕事ができるようになったのは(イラストSNSの)pixivがあったから。これがもし5年前だと仕事になっていなかったと思います。高校や大学の時にインターネットに触れて世界が広がりましたし」というのは、いかにもデジタルネイティブ世代。
シンメトリックに描き込まれた背景など特徴的な構図については「ある時、自分の絵に方眼を乗せてみたら黄金比になっていました」と話し、これには虎硬さんや来場者から驚きの声が上がっていました。
さらにちゃもーいさんは「デジタル化は当たり前だし、グローバルに観てもらうことは必要。ディズニーのような、おじいちゃんから子供まで楽しめる“ちゃもーいワールド”と呼べるものを目指していきたいです」と壮大な目標を掲げていました。

二人は、題材として関わる機会の多い初音ミクにも言及。「皆さん描いているから、どこかしら変えていかなければいけなくて、それで描き手の個性が出ると思います」とちゃもーいさんが言えば、虎硬さんも「ボカロに限らず人間の表情や動きを描くのが難しい。特にボカロは尖った部分がないと。やっぱり女の子の絵は引きがあるし、テクニカルな部分があって洗練されている。勉強になりますね」と語った上で、「実はおっさんを描くのが好きなのですが、仕事にならない(笑)」という本音も。ちゃもーいさんも「自分も少年や子供がかわいいし、冒険するという普遍性があるのでは」と話します。

今後の活動について、「映像系、それも4、5分という長さのものをやってみたい。自分で全てやるのも楽しいけれど、人と一緒に作り上げるのも楽しいので、そのようなお仕事が出来れば」という虎硬さんと、「自分がコンセプトを考えたり、世界観を提示するということを、継続して長くやっていきたいです」と先を見据えるちゃもーいさん。様々なジャンルやシーンでの活躍が楽しみになるトークの後は、来場者のサインにも気さくに応じ、ユーザーとコミュニケーションをする貴重な機会を楽しんでいました。

書泉ブックタワーでは、3Fのエレベーター正面で『ILLUSTRATION 2013』を大展開。虎硬さんとちゃもーいさんのサイン入りポスターも掲示されています。
また、2013年6月13日(木)には渋谷PARCO1の6Fにある2.5Dで、カバーイラストのYKBXさんとアートディレクションとデザインを手がけたTATSDESIGNさんのトークセッションを開催。翌14日(金)には、ブックファースト新宿店でサイトウ ユウスケさんと山下良平さんを迎えたトークイベントも予定されるなど、今後も『ILLUSTRATION 2013』の参加作家を中心とした様々な企画が行われることになっています。
詳細については、『ILLUSTRATION 2013』のFacebookページでアナウンスされるので、イラストレーターを目指している人はもちろん、ポップアート好きにとっても要チェックといえそうです。

『ILLUSTRATION 2013』Facebookページ
https://www.facebook.com/ILLUSTRATION2013

Pocket
LINEで送る

その他のおすすめな記事はこちら!

記者プロフィール

ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営。ネット、メディア、カルチャー情報を中心に各媒体にいろいろ書いています。好物はホットケーキとプリンと女性ファッション誌。

アートの新着記事一覧

PAGE TOP