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Dec 09 2016

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ロリータアイテムに込められた想いは?イラストレーター今井キラさんインタビュー「女の子の性格や好みを想像して描いています」

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ロリータファッションに身を包んだ少女がお菓子に包まれて、その心象を映し出しているような構図が同世代の女の子の支持を掴んでいるイラストレーター今井キラさん。ロリータ系ブランドのAngelic Prettyでのイメージイラストを皮切りに、書籍の挿画や傘、カレンダーなどで乙女心をくすぐるようなイラストを発表し続けています。
今回、2012年12月に刊行された画集『月行少女』(ステュディオ・パラボリカ)の増刷を記念した個展でインタビューを実施。画集のタイトルの由来や、描かれる女の子に込められたものは何かなど、さまざまなお話を聞くことができました。

--今井さんといえばAngelic Prettyとのコラボレーションがよく知られていますが、どのような経緯でお仕事のお話があったのでしょう?

今井:短大を卒業した後、趣味でホームページを作ってイラストを公開していたのですが、Angelic Prettyさんからイラストのお仕事をしませんかとお声を掛けて下さってイラストを担当させて頂ける事になりました。それまで雑誌でしか見たことのない華やかな世界だったので、とても嬉しかったです。

--もともとロリータファッションがお好きだった?

今井:そうですね。私がはじめて目にしたのは高校生の時に行ったライブハウスだったのですが、みんなお人形さんのような格好をしていて「私もあんなお洋服が着たい」と思ったのを覚えています。私は自分の好きなものや興味のあるものからインスピレーションを受けて絵を描くことが多いので、自然にロリータファッション中心の作風になっていきました。

--今井さんのイラストの女の子には独特のチャーミングさがありますが、ご自身で少女を描き続ける意味や理由はどこにあるとお考えですか?

今井:あまり意識していなかったのですが…、自分の好きなものや描きたいものが無意識に少女というものに繋がっているように思います。また、作品を見てくださるお客様の中には、昔はロリータ・ファッションを着ていたけれど今はもう着ていないという方や、興味はあるけれど自分ではまだ着た事がないという方もいらっしゃるのですが、そういった思い出や願望を私の絵に重ねているというお話を耳にする事もあるので、描き続ける事で応えられたらと思うようになりました。

--例えば眼帯であったり、メリーゴーランドであったり、ロリータ系の女の子が好きな要素が入った作品もお描きになっています。このようなインスピレーションはどういったところからやってくるのだろう、と感じてしまうのですが。

今井:どちらも私が10代の頃に好きだったモチーフなので繰り返し描いてきました。何度も描いてしまったので、最近はここぞという時にしか描かないようにしています。

--あと、お砂糖漬けの少女という発想は今井さんならではだと思います。

今井:ほんとうは剥製というテーマで描きたかったのです。パリで見た博物商を絵にしたくて。でも、人によっては苦手な方もいるのではないかと悩んでいた頃に、友人が薔薇の砂糖漬けを作った話をしていたので、「剥製」ではなく「お砂糖漬け」というテーマで絵に落とし込むことができれば、私の作品を好きでいて下さる方にも親しみやすいのではと思い、あのような形になりました。

--観る方の感じ方を気にしていらっしゃる?

今井:ここまでは描いていいけどこれ以上は描いてはいけない、というラインは常に意識しています。自分の描きたい物を詰め込むのではなく、観ている方が自分を重ねられる余白みたいなものは残すようにしていて、登場する人物の表情も作品によって目や口元にやや浮かぶくらいで、あまり出ないようにしています。

--茫洋な表情をしている作品が多いのはそのような理由だったのですね。でも、登場する女の子はみんなそれぞれの個性があります。

今井:性格や好みはある程度想像しながら描いています。例えば『月行少女』の小夜子は生成色やくすんだ淡い色のアンティークのワンピースにドロワーズを合わせたスタイルで描く事が多いですね。表情が少ない分、着ている服や持ち物で性格を表したりします。

--2012年に出版された『月行少女』は、パラボリカ・ビスでの個展での作品で構成されています。タイトルの由来について教えて下さい。

今井:「夜行」という言葉をもじって、月夜に行動するという意味の造語と、「月に行く」という意味を合わせています。実は「月」はそれまで全く描いていなかったモチーフなのですが、パラボリカ・ビスで個展ができるということで、今までと違う雰囲気のイラストを描いてみようと思ったのがきっかけでした。

--アンティークなアイテム使いや落ち着いた色使いが印象的ですが、個展が決まる以前から描いてみたいテーマだったのでしょうか?

今井:そうですね。それまでの展示はファッションビルなどで行うケースが多かったので、初めてのギャラリーでの個展という事もあり、場所に合わせて静かな作品を描きたいと思いました。パラボリカには大きな丸窓があるので、月に見立てた空間演出をしたり。あと、私も昔はモノトーンの作品が多かったので、その頃から作品を知って下さっている方には懐かしく感じたかもしれません。

--画集では、大槻ケンヂさんの散文詩が作品の世界を深める役割を果たしています。

今井:私が筋肉少女帯のファンだということもあって、私からお願いさせて頂きました。帯を寄せて頂いた辻村深月さんのお名前も合わせて「つき」づくしの一冊になりました。画集を出したいとずっと願っていたこともありますし、昔から見て頂いているお客様も自分のことのように喜んで下さって、このような形で実現できてほんとうに嬉しかったです。

--パラボリカでの展示も、素敵な額縁で飾り付けされていて、画集とはまた違った趣きがありますね。

今井:額は私が選んできた物ですが、今回の展示は(パラボリカ・ビス代表の)今野裕一さんにディスプレイして頂きました。

--普段は白い壁面なので、上品なピンク色になっていてびっくりしました(笑)。

今井:「お祝いだから」と壁をピンク色にして頂いて。贅沢に壁一面に絵を配置したとても華やかな展示になりました。

--画集を出されたことで、また一段と活躍へのステップを踏まれたように感じます。これからのご活動や、チャレンジしてみたいということがありましたなら教えて下さい。

今井:今は8月の個展に向けて新しい作品を描いているところです。個展では月行少女をイメージした『乙女座のタイツ』も発売になります。今回の展示では、私が作った造花をあしらった作品が一つあるのですが、そういった平面だけでなく立体の作品も展示してみたいと考えています。

--新作も楽しみにしています。ありがとうございました。

今井キラ個展「オブラートの月 -月行少女III-」

会期:2013年8月9日~9月9日
時間:月~金/13:00~20:00 土日祝/12:00~19:00
入場料:500円(開催中の展覧会共通)
会場:parabolica-bis[パラボリカ・ビス]
    東京都台東区柳橋2-18-11 
    TEL: 03-5835-1180 

http://www.yaso-peyotl.com/ [リンク]

★Special event★
「乙女座のお茶会」
日時:2013年8月18日・9月7日
    15:00~17:00
料金:3500円[ケーキ・紅茶・お土産付き]
定員:各20名 要予約(Online Shopまたはお電話のみ)

http://www.parabolica-bis.com/SHOP/ev_89.html [リンク]

イラストレーター 今井キラ公式サイト
http://kira.main.jp/ [リンク]

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記者プロフィール

ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営。ネット、メディア、カルチャー情報を中心に各媒体にいろいろ書いています。好物はホットケーキとプリンと女性ファッション誌。

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