【動画あり】『東京喰種 トーキョーグール』鈴木伸之がワイヤーアクションに初挑戦! 演じたい実写化は『浦安鉄筋家族』!?
TVアニメ、舞台など展開が広がる石田スイ先生が描く人気漫画『東京喰種 トーキョーグール』。世界累計発行部数3,000万部突破を誇る超人気コミックがついに実写映画となって全国公開中!
東京を舞台に、人の姿をしながら人を喰らう怪人・喰種(グール)と人間の闘いを描くバトルアクションの本作。半分人間・半分喰種になってしまった主人公・カネキ役に窪田正孝さんを迎え、清水富美加さん、蒼井優さんらが圧倒的な存在感を放つ喰種に。
そして、人間を喰らう喰種を駆逐しようとする、人間側の組織・CCG(喰種対策局)の捜査官・真戸役を大泉洋さん、真戸と共に戦う部下・亜門鋼太朗を鈴木伸之さんが演じます。
今回は亜門役の鈴木伸之さんにインタビュー。本作の見どころの1つともいえるダイナミックなアクションシーンの裏話や、鈴木さんが最近好きなものなど聞いてきました! また、最後にこの記事だけのコメント動画もあるのでお見逃しなく!
クインケを2本も折った激しい撮影
――今回の映画本編ではあまり亜門の背景が描かれませんが、キャラクター背景について気を付けていた部分があれば教えてください。
鈴木:映画本編で描かれていなくても、衣装では十字架のネックレスをしていたり、そういった着ている服ひとつとっても(キャラの個性や背景が)取り入れられていたので、そこは漫画やアニメなど、亜門を作っているものをまず知っていかないとと思い、自分で掘り起こすというか、探したり勉強する作業から入りました。
監督はいろいろヒントをくださる方で。亜門はまっすぐな男で人生の目的や目標がとても明確なタイプの役柄だったので、ある種それを例えたような映画などからヒントをいただきました。あと、亜門は原作ではキリスト教の神父に育てられたという設定なので、キリスト教の『新約聖書』や『旧約聖書』も読んだんですけど、意味はさっぱりわからず(笑)。でも、読むことに意味があると思いながら読みました。
映画の最後はバトルアクションがあるので、そのために週3~4日、1日3~4時間練習したことがキツかったです。
――今回のアクションシーンの撮影はいかがでしたか?
鈴木:喰種の赫子(カグネ)というものとクインケという武器で戦うんですけど、そこはこの作品ならではで新しいなと思いましたし、難しい部分もたくさんありました。CGだらけだったので、撮影現場では実際にはないものに対して避けたり、向かっていったりする。すごく難しかったですが、相手が窪田さんだったので、ないものを本当に見えるようにお芝居していただいて、とてもやりやすく出来たと思います。試写で完成したものを観た時も、現場でやってた以上のものが出来上がった実感はありました。
――今回の撮影で初めて経験したことはありましたか?
鈴木:ワイヤーをつけてのアクションは初めてでした。赫子で投げられて30メートルくらい飛ばされるシーンがあったんですけど、僕は高いところが苦手で。一番上まで一気に上がっていくと、一瞬ふわっとなるところがあるんです。そのふわって無重力みたいになる瞬間がとても怖かったです。
――クライマックスのバトルシーンはどれくらいの期間で撮影されたのでしょうか。
鈴木:5日間ですね。内4日くらいがアクションで。夕方から翌朝までやって、大変でした。ワイヤーを付けるために、ワンサイズ上のスーツを着るんですけど、それでもワイヤーを装着するとキツキツになって、股の部分は破れちゃうくらい激しかったです。クインケも実物大でけっこう重かったんですけど、2本くらい折れてしまって、激しい現場でした。
――衣装といえば、ロングコートの衣装が存在感抜群でした。
鈴木:撮影がまだ夏場で、すごく暑かったんです。ロングコートの中はスーツでネクタイも締めてシャツのボタンも一番上まで留めて、まあ暑かったです! あの衣装は1時間くらいかけて衣装合わせをして作ってもらったオーダーメイドなんです。だからすごく嬉しくて、着たときもとてもカッコイイと思ったし、丈が長いのでアクションしたときもカッコイイんです。ただ、外のロケのときは暑かったです……。
亜門は(クインケを収納している)カバンも持っているんですけど、あれもけっこう忠実に作られていて重くて。その上、手袋をはめたりするときもあって、大泉さんと「暑いな。これじゃ倒れちゃうよ」って言いながらやっていました(笑)。
――実写化の苦労を感じた場面かもしれないですね。
鈴木:そうですね。漫画の世界では暑さなど関係なくても、実際に日常で再現するとなるといろいろなことが起こりますね。
みんなの差し入れの似顔絵を見るのが楽しみだった
――大泉さんとの共演シーンが多くありましたが、大泉さんとの現場でのエピソードは?
鈴木:大泉さんとは初共演できてすごく嬉しかったです。大泉さんについて少し調べようと思って、僕はバラエティーが大好きなので『しゃべくり007』に出た時の大泉さんの回を観たんですよ。そしたら「なんでこんなに面白いんだろう」って思うくらいすごく面白くて。
それから現場に入るとイメージはそのままだったんですけど、実際に話してみると娘さんの話が多くて、昼から撮影のときは「今日朝、ぐずってる娘に起こされて仕方ないからちょっと公園行ってきたんだ」なんて話を笑顔でされていて。でも役に入ると少し狂気じみたキャラクターだったので、どれが本当の大泉さんなのかわからないくらいでした。(大泉さん主演の)『アイアムアヒーロー』もすごく素敵でしたし、改めてとても魅力的な方と一緒に出来たのかなと思います。
――大泉さんから何かアドバイスをいただいたことはありましたか?
鈴木:あるシーンで、目線の動かし方を「パッと見るより、ちょっとずつ見ていったほうがお客さんにはこういう風に見えるよ」っておっしゃっていただいて、それは印象深かったです。それが自分の中でも腑に落ちる部分だったので、ありがたかったなと思います。だから(大泉さんは)根は本当に真面目な方なんだと思うんです。ただ、お話するととんでもなく面白くなる。
――窪田さんとは敵対する役ですが、現場ではどういった雰囲気だったのでしょう?
鈴木:窪田さんとは今回で2回目の共演なので、前回の作品の話もして「今回もまた一緒だね」という話もしつつ、休憩中に一緒にごはんを食べたり、他愛もない話をしていました。あまり裏では役の敵対する感じはなく、俳優の先輩として接していました。
――撮影現場で楽しかったエピソードがあれば教えてください。
鈴木:絵を描くのが上手なスタッフさんがいて、僕がカレーパンを差し入れしたら、亜門がカレーパンを持っている絵を描いてくださったり、毎回、みんなの差し入れの似顔絵を見るのが楽しみでした。
ヒナミの台詞が見どころ
――今回の作品で、鈴木さん自身が何か学んだことは?
鈴木:お芝居はもちろん、アクションひとつとっても勉強になりましたし、やっぱり作品のメッセージ性みたいなものは僕自身も考えさせられるきっかけになりました。自分が正しいと思っていることが本当に正しいかどうか。それが別に他の人に対して正しくなくてもいいっていう生き方もあるし、みんなに正しいと思われる生き方がいいと思ったり、自分の信念みたいなものが何をする上でも大事で、誰にでも共通することだと改めて感じました。
――そういう意味でいうと、亜門は「実際これでいいのか」と少し疑問をもつところが、この作品を体現していますよね。
鈴木:そうですね、答えが見えているからこそ、葛藤したり迷いが生まれて、それがこの作品のメッセージ性にも繋がるので、確かに亜門は体現しているかもしれません。カネキも普通の少年から半喰種になってしまって、お客さん目線だった人が急に遠くへ行ってしまうイメージもあったので、どの登場人物を追いかけてもまた違った面白さがあるような気がします。
――鈴木さんが思う見どころを教えてください!
鈴木:最後の窪田さんと僕のバトルアクションシーンもこの作品のひとつの見せたい部分ではあるんですけど、桜田ひよりちゃん演じるヒナミが、一番良い台詞を言っていたなと思いました。子どもだから心の声がそのまま表に出てくるような部分も、実は一番意味のあることだったり、大人も同じ考えだけれど言えないことだったりを言葉にしていたように感じました。
お菓子やアイスに関して自分の舌に絶大な信頼を寄せる鈴木伸之
――亜門は正義にとても固執していますが、喰種とCCGのどちらが正義かを問いかける作品になっていると思います。その点で、改めて気付いたことはありますか?
鈴木:演じていて「信じるものの怖さ」というものを一番感じました。それぞれが「自分は正しい」と思ってやっているわけじゃないですか。だけど、それぞれが正義や信じるものを持っているので衝突したりすることがあって。でも本当に『東京喰種 トーキョーグール』の世界って僕達の日常にも置き換えることができる作品なので、相当難しい作品だと思いますし、すごく意味のある作品だと思います。
――鈴木さんが普段どうしても信じてしまうものはありますか?
鈴木:自分の舌ですかね(笑)。例えば、新商品のポテトチップスが出たときは、「これは、たぶん俺は好きじゃないやつだな」とか、パッケージを見ただけでなんとなく見極められるようにまでなりました。アイスとお菓子に関しては、(自分の舌は)他より秀でていると思います(笑)。
――鈴木さんは役ごとのイメージが毎回とても違いますが、演じる上で大事にしていることはどんなことですか?
鈴木:あまり気をつけていることはないんですけど、とくにかく台本と衣装と監督などが違うと、同じ人が演じてもこうも違って見えるんだと、自分でもびっくりするくらいで、あまり意識はしてないです。ただ、もらった役に対しては丁寧にやりたいし、大河ドラマなどは実際に生きていた人を演じさせてもらうので、失礼のないようにやりたいと思っています。
――今後は、どのような役に挑戦してみたいですか?
鈴木:『海猿』みたいな男臭い作品もやってみたいなって思います。戦争ものとか。命に携わるテーマの作品や役はやってみたいです。
――今回の作品も命というテーマでは共通していますが、この作品を通して、そういった部分への意欲は高まったんでしょうか?
鈴木:やっぱり作品に教えてもらうこともたくさんあるので、違う役に変わっても、そこでもうひとつ成長してやっていきたいなって気持ちは芽生えました。
――絶対実写化不可能と言われていた作品が次々と実写化されていますが、不可能だけどこれはやってみたい、というものがあれば教えてください。
鈴木:実はこれまで漫画をまったく読まなかったんですけど、この前『アメトーーク!』で漫画芸人を見て読みだしたらハマってしまい……。今は『キングダム』や『約束のネバーランド』、『ゴールデンカムイ』、『聲の形』などいろいろ読んでいるんですけど。
今まで一切漫画を読まなかった僕がひとつだけ読んだ漫画があって、それが『元祖!浦安鉄筋家族』なんです。でもあれは絶対実写化無理じゃないですか。その中でどのキャラをやるかってなったときに、まだ歳が若いので無理だと思うんですけど、やってみたいのは(小鉄の父の)大鉄ですね。大鉄もやりたいし、ぶくぶくに太ってフグオもやりたい。小鉄もいいですけどね~。もし、本当に浜岡賢次先生からお話が来たら、「ぜひやらせてください」って言います(笑)。『浦安鉄筋家族』の話はいくらでも話せますね。今、新しく連載もやっているようなので、そちらも読みたいと思います。
――ありがとうございました!
コンビニ商品事情にも詳しく、お菓子やアイスが大好きだという鈴木さん。好きなアイスとお菓子について聞いた動画もご覧ください!
【動画】鈴木伸之の好きなお菓子とアイスは何?
https://youtu.be/wNBZcfPfFKY[YouTube]
激しくダイナミックなバトルアクション、そして邦画とは思えない迫力ある音楽にも注目の映画『東京喰種 トーキョーグール』は、ぜひ劇場で。
映画『東京喰種 トーキョーグール』:
http://tokyoghoul.jp/
(C)2017「東京喰種」製作委員会 (C)石田スイ/集英社
(写真撮影:周二郎探検隊)