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Aug 27 2025

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ISSEI「この世界に行ったら、めちゃくちゃ気を使ってぶっ倒れるかもしれない(笑)」恋愛感情がなく性行為も自由 ifの世界を描くドラマ『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』インタビュー

好評放送中の恋愛ドラマ、恋愛感情がないifの世界を描く『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』より、ISSEIさんの撮り下ろしインタビューをお届けします。

もしも「恋愛」がなかったら、世界はどうなる――?
恋愛感情がないから、独占欲もないし、嫉妬も束縛もない。特定の相手を決めないから、失恋して傷つくこともないし、いろんな人とセックスだって自由。

でもこの世界にも、恋愛感情を持つ少数派の人間もいて……。「レンアイ」と呼ばれ、冷たい目を向けられるマイノリティたちは、周りからの理解の得られなさに苦しみながら葛藤する日々を送る。

本作は21年に恋愛ウェブメディア AM(アム)で連載されると、“恋愛することが普通じゃない”という独自の世界観で描かれる物語が共感を集め、大きな話題を呼んだヤチナツ先生の同名コミックの待望のドラマ化。
「ひとを好きになるとは何のか?」を見つめなおす異色のラブストーリーです。

恋愛がない世界で、ひとりの人を特別に好きになる「レンアイ」であることを自覚し、葛藤する主人公・乙葉を演じるのは島崎遥香さん。

同じく「レンアイ」でありながら、乙葉とは違い感情を隠しながら生きる青年・ハレをISSEIさんが演じます。

ISSEIさんに、本作や演じるハレの魅力や役作りについてお話を伺いました。

「どう思われても、自分が正しいと思ってやっていることならそれでいいかなって思えるようになりました」

――今作、難しいテーマだと思いますが、脚本や原作を読まれた印象を教えてください。

ISSEI:原作は少し読ませていただいたのですが、ドラマとは設定など多少異なる部分があるのですが、自分の中で少し攻めた作品ではありました。
でも、まず台本を読んだときに「すごい面白いな」と感じましたね。これまでにない世界観で描かれていて、恋愛に限らず、共感できるポイントも結構たくさんあり、そこが観てくれる人の心にも響くんじゃないかなって思いました。

――どんなところに共感できるポイントがありましたか?

ISSEI:僕が演じるハレくんは「レンアイ」なんですけど、自分を周囲に擬態したりするっていうところにおいては、特に日本人はそういう特徴なのかもしれないなって思いました。たとえば“周りに合わせよう”とか、“みんながこうだから、自分もこうしようかな”みたいな感覚。

僕自身もそういう経験があって「本当はこういうこと言いたいけどちょっと言えないな」と思うこともあるので、そういう部分が結構リアルに描かれているので、きっと観てくださる方には刺さるんじゃないかなと思います。

――どうしても現代日本の価値観だと恋愛と性行為は結びついて考えられているものだと思います。性行為だけをあまり切り離さなせないというか。女性側はもちろん身体的なリスクも高いので、今の価値観だと少し噛み砕くのが難しいなと見ていて思う部分もあるのですが、そういった面はどうやって捉えられましたか?

ISSEI:そうですね、難しいな。でも僕が演じているハレは、そういう恋愛のない世界にいるからこそ、ちゃんと相手に合わせて普段は接しているし、自分がみんなとは違うっていう面を見せないから、すごい擬態は上手なんですよね。

だけど、根底の気持ちは「本当に自分の好きな人とだけ一緒に居たい」っていう気持ちは変わらないから。それは恋愛に限らず、すごい大事なことだなと思います。
だから、最初にこのストーリーを読んだときも面白い世界設定だなと思いました。

――ハレは今の現代日本の価値観に近いですものね。

ISSEI:そうですね、僕と乙葉はまさに今回のドラマの世界では普通じゃないですけど、僕らの感情の方が自然ですよね。
でも僕らが“異常”という扱いになっているので、違和感は感じました。僕自身もハレに重ねて考えた時に、僕も「周りがこうだから」と意見を変えるタイプではないので、周りにどう思われても「自分がこうしたい」と決めるってところはハレと結構近いと思いました。

――演じる上でのこだわりや、難しかった部分は?

ISSEI:ハレが唯一、本当の気持ちを出せたのが純とのシーンで。自分が「レンアイ」ってことや、その苦しさを打ち明ける場面だったのですごく印象に残っています。逆にそれ以外のシーンでは結構クールで淡々としている印象があって。
演じる時もあまり抑揚をつけすきず、少しぶっきらぼうにするくらいの方が合うのかなって意識しました。

――何かディレクションされたことはありましたか?

ISSEI:監督に最初に言われたのは、「ハレが感情の表現が一番出る役だから、相手や場所によって変えて欲しい」と言われて、そのシーンごとに誰と居るとか、その場所によって結構変えるように意識していて。
僕自身は普段結構明るいタイプなんですけど、ハレを演じていた時は、いつもよりちょっとワントーン落として落ち着いたトーンで喋るのを意識していました。

――もし恋愛感情がない世界になったらどう思いますか?

ISSEI:このドラマでもし恋愛感情がない世界だったら……正直、想像つかないですね。本当に好きな人がいなくなって、みんな友達みたいな関係になるってことじゃないですか。それってちょっと寂しいなって。
絶対にあり得ないけど、もしそういう世界で生まれ育ったら、それが「普通」だと思っちゃうんだろうなって思います。普通っていう感覚って人によって全然違うから、思い込みは怖いなと思いました。

――ISSEIさんがもし恋愛がない世界で「レンアイ」だったら、どういう対応をしますか。

ISSEI:難しい……。関係性によるかなと思います。本当に知らない人とかに別に言う必要もないなと思うんですよ。だって皆さん、本当の自分って自分しかわからないじゃないですか。何考えているとか、何を思っているとか。
でも多分、「レンアイ」であることを誰にも言わないことはないと思います。別に悪いことではないから、絶対打ち明けるとは思います。

――ハレは紘香ちゃんに自分の気持ちを伝えますが、恋愛がない世界で自分が「レンアイ」だったら、好きな人に気持ちを伝えると思いますか?

ISSEI:すごいリアルな話だと、紘香ちゃんは一応結婚(パートナーを公表)してるから(笑)。そういうのがなかったら、アプローチは多分するかなと思います。自分もどちらかというと、告白されるより、ちゃんと告白したい派なので。
ハレの場合も、周りがどうこうと言うより、多分自分の気持ちがもう先に動いちゃったんだと思うから、自分もそうするかなとは思いますね。

――今の自分たちとは違う価値観の世界に入って、何か新しい気づきはありましたか?

ISSEI:でもやっぱり1人のことを純粋に好きになってというのが1番いいなって思いますね。それが1番いいなと。でも、一概には言えないですよね。だって恋愛なんて、本当に人によるじゃないですか。自由と言えば自由だし。

――国や民族などが違ったりしてもまた全然違う価値観になりますよね。ISSEIさんご自身は、独占欲はある方だと思いますか?

ISSEI:独占欲か。でも、あると思います。好きな人が他の人に取られるみたいなことになるわけじゃないですか。それは「え?」とはなりますよね(笑)。今の価値観だと誰でもそうだと思いますけど。

――例えば、ハレくんにISSEIさんが相談されたら、どうアドバイスしますか?

ISSEI:でもハレってずっと擬態してたけど最終的に自分の気持ちをちゃんと言えたってことはすごい素晴らしいなと思って。人によってはそれがやっぱりなかなか言えない。

恋愛に限らず、自分の思っていることを言いたいけど一歩踏み出せないみたいな人ってたくさんいると思うし、どちらかというと僕もそんなにコミュニケーションが得意ではないので、自分もそういう経験をしたことがありますし、言いたいけど言えないこともありました。

だから、もしハレくんに相談されたら、「結果がどうとか、周りにどう思われるとかは後でいいんじゃない?」って言うかもしれないです。
結局そこは後からどうにでもなるし、まずはちゃんと伝えないと、相手には絶対わからないから。自分も元々人見知りだったのですごく思うのが、自分がこう思っていても相手に言わないと伝わらないんですよね。たとえ「こいつ変だな」とか、「非常識だな」と思われたとしても、それはそれでいいと思うんです。

自分の考えを伝えれば、相手もそれを受け取って、自分なりに考えてくれるはずだから、まずは勇気を出して発信した方がいいよって言いたいですね。

――その意味で言うと、ハレは秘めている気持ちを紘香ちゃんにきちんと伝えていきますよね。

ISSEI:そう。だからすごくいいなと思って。僕は本当にハレと一番近いなと思ったのがそこです。

――この世界だとシェアハウスなども多く、みんなで一緒に過ごすことが普通です。「みんなで一緒に居なよ」みたいに言われることも多くなると思いますが、それはどう感じますか?

ISSEI:それだったらシェアハウスとかは全然嫌ですね(笑)、1人の方がいいです。

――ずっと誰かと一緒に居るのは気が休まらなそうではあります。

ISSEI:そうなると、確かに大変かもしれないですね。嫌だ、疲れそう(笑)。
割と自分も気にするタイプなんですよ。めちゃくちゃ気を使ってしまう方なので、その世界に行ったら多分ぶっ倒れるかもしれない(笑)。疲れちゃう。

でも確かに最初は合わせようとするだろうな、絶対。だからハレの気持ちは、そういう意味で改めてもっとわかる。

――乙葉もやっぱり結構きつそうですよね。友達から「そんなんじゃひとりになっちゃうよ」と言われたりもして。

ISSEI:でも逆に、もうそういう世界だったら擬態すらしないかも。面倒くさいから、もういいやって。

――なるほど。

ISSEI:今の自分もそうなんすけど、昔はもっと若かったから……。いや、今も21歳で全然若いんですけど(笑)。でもさらに若い時って、人からどう思われているかとか気にしたりする時期って絶対あるじゃないですか。
でも今はもう別にどう思われても、それが自分が正しいと思ってやっていることならそれでいいかなって思えるようになりました。

だから、もしそういう世界に行ったとしても、「自分はこうなんです」って提示して、受け入れてくれる人だけでいいってなるかもしれない。
受け入れてくれない人はもうスルーでいいし、それはそれでいいかな、となりそうですね。

――今回2年ぶりにドラマ出演されたとおっしゃっていましたが、今後どんな役や作品に出たいなどありますか?

ISSEI:自分はずっと格闘技をやっていて、そこは長所でもあるところなので、そういうアクション作品に昔から興味があります。そういう作品に出られたら、自分のまた新たな一面もそうですし、良さも出せるんじゃないかなって。本当に好きなのでやってみたいですね。ボクサー役とかやってみたいです。

――今後のドラマ放送とご活躍も楽しみにしています、ありがとうございました!

【撮影:周二郎】


・8/28放送『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』第5話PR30秒 エンディング主題歌ver.解禁!【CBCテレビ「ドラマトリップ」公式】
https://youtu.be/HtfVpnumEo0

作品情報

タイトル:もしも世界に「レンアイ」がなかったら
放送曜日・時間:木曜 深夜 0 時 58 分 ※詳細は HP などをご確認ください。
放送エリア:CBC テレビローカルエリア放送 ※ほか調整中

8/8(金)深夜 1 時 53 分よりチューリップテレビにて毎週放送。
8/25(月)深夜 1 時 34 分より HBC 北海道放送にて毎週放送。
放送後より TVer にて見逃し配信予定 https://tver.jp/series/sr6aeovy8g1

製作:API/CBC テレビ
製作著作:『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』製作委員会
出演:島崎遥香 ISSEI 渋谷謙人 福田沙紀 山谷花純 片山萌美 ビッケブランカ 花田優里音 / 中山優馬
脚本:児玉雨子 花田麻衣子 今和紀
演出:今和紀
オープニング主題歌:THE SIXTH LIE「タイムカプセル (feat. KIMIKA)」
エンディング主題歌:<<第 1 話>Ran「なんでもない人」 <第 2 話> Caity「違う世界に生まれた僕ら」 <第 3 話> リアクション ザ ブッタ「常夜灯」 <第 4 話> 夜々「Let go」 <第 5 話> chef’s「メイブルー」 <第 6 話> shallm「コンビニアイス」 / <配信オリジナルストーリー前編・後編> 奥崎海斗「ホウセンカ」
(C)『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』製作委員会
キャストビリング:島崎遥香 ISSEI
原作:『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』 ヤチナツ/DPN ブックス(コミックなにとぞ)
[公式サイト]https://hicbc.com/tv/moshiren/
[公式 X]@cbc_dramatrip
[公式 Instagram]@cbc_dramatrip
[公式 TikTok]@cbc_dramatrip
公式SNSでは、新情報を続々発信予定。ぜひお楽しみに!
ハッシュタグは本作略称の#もしレン

◆パッケージ情報
『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』Blu-ray BOX が発売決定!
【発売日】2026 年 2 月 25 日(水)
【価格】17,600 円(税込)
【映像特典】
・メイキング映像・《配信オリジナルストーリー》「私たちの形」・放送記念上映イベント舞台挨拶・各話予告
映像集 ほか
【封入特典】
「オリジナルフォトブック」
発売元:株式会社スタイルジャム
販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
※商品の内容、仕様、デザイン、特典などは予告なく変更になる場合がございます。

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記者プロフィール

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アニメや可愛いものが大好き。主にOtajoで執筆中。

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