だって「腐」って愛だから!『ほぼ日常-腐女子書店員の4コマ-』が面白おかしい
いつも雑誌や書籍を買う時にテキパキと対応してくれる書店員さん。なかなか見つからない本が欲しい際も親切にいっしょに探してくれたりして、本好きの方ならば皆お世話になっているはず。
そんな書店員さんが、実はBL好きのオタクだったとすれば…。考えてみれば、本が好きで働いている人が多いはずなので、もしかすると絶対数は多いのかもしれません。
そんな想像を裏付けるのが、大型書店でコミック・ライトノベルを担当している木成あけびさんのマンガ『ほぼ日常-腐女子書店員の4コマ-』(マジキューコミックス)。
もともとは書店で無料配布していた新聞に描かれていた4コマが出版社エンターブレインの担当の目にとまり、2011年8月に刊行。キュートなパンダ姿の主人公の口から出てくる数々の妄想と毒発言が話題を呼び、発売一週間で重版される人気作になっています。
2012年6月には、第二弾となる『ほぼ日常 激闘編』も発売。99%が新作描き下ろし、主人公の相変わらずの”腐”ぶりは健在で変わらず読者を楽しませてくれます。
『ほぼ日常』では、書店で起きる様々な出来事を、コミカルに描かれているのも読みどころ。重い台車に四苦八苦したり、お客さんへの接客時にいろいろ邪推したり、電話対応で悶えたり…オタクの主人公のツボにはまったりするのも赤裸々に暴露しており、「クスっ」とさせられる場面も数多くあります。
それでも、根本にあるのは、本への”愛”。ほんわかした中にも、真摯に本を売るという仕事への誇りが感じられるのも好感度高いです。
最新作では、「版元」「搬入日」など、出版業界で使われる専門用語の解説が付いていて、それにまつわるエピソードも描かれています。より書店が身近に感じられるようになる一冊。読書が趣味という方、特にコミック・ラノベル好きの方は一読の価値ありです。
余談ですが、木成さんはBLマンガだと『俺を愛してもいいんだぜ?』の秋葉東子さんの作品がお好きとのこと。そういえば、『ほぼ日常』に登場する男性営業さん、どことなく秋葉さんの描く弟キャラに似ている気がします。そんなところも含めて読んでみるのも面白いかもしれません。