Otajo -オタ女-

Today is
Mar 19 2024

記事

犬金組の財力を実感!「すごい待遇の良いアイドル(笑)」岡本夏美・松田るか・坂ノ上茜インタビュー 映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』

2015年より「ヤングマガジン」で連載がスタートし、2018年夏にはTVアニメ化もされた話題の漫画『Back Street Girls』を原作とした、映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』が2月8日より全国公開、そして、2月17日よりMBS/TBS系でTVドラマも放送スタート! ※本日3月5日(火)深夜1時28分~TBSにて第3話が放送!

極道を貫いてきたヤクザな男たちが、まさかの全身整形・性転換手術を行い女性アイドル「ゴクドルズ」としてデビュー! 極道である本来の自分と女心の間に揺れながら、そして葛藤しながら、アイドルとして生きていく男たちをコミカルに描いた物語です。

今回は、性転換後の女性アイドルを演じる、アイリ役:岡本夏美さん、マリ役:松田るかさん、チカ役:坂ノ上茜さんにインタビュー。外見は女性だけれど中身は極道の男性を演じた苦労や、複数楽曲を披露したライブシーンの思い出、そして、共演した浅川梨奈さん(元SUPER☆GiRLS)についてもお話が飛び出しました!

可愛く見えたら負け! 役の幅が広がった

――主演に抜擢されたときの心境を教えてください。

岡本:原作の“笑いは世界を救うんだぞ感”というか、嫌なことを全部忘れて笑っていられるみたいな作品だから、そういう作品の実写ができるというのは嬉しいなと思ったし、実写になることによってその部分がなくなってしまうのは申し訳ないと思ったので、人が演じるからこその気持ちの大きさやエネルギーを笑いに交えて伝えられたらいいなと思いました。

松田:私は決まった時は、「ヤッター!」と思いました。決まる前のオーディションは盛ったら10回くらいやっていて。普通に演技するのはもちろん、歌のオーディションもあって、好きなアイドルのCDを持ってきて歌ってくれと言われたものもありました。そういったオーディションが何回もあり、「いつ結果が出るんだ!?」と思っていたので、決まった時は「よっしゃ!」となりました。

――ちなみに、オーディションでは何を歌われたんですか?

松田:最初はでんぱ組.inc.の「でんでんぱっしょん」を歌いました。踊って歌って、すごくキーが高いしダンスも激しいので、もうハァハァして全然受け答えができなかったんですけど、それを原監督だけめっちゃ笑ってくれたので救われました(笑)。

坂ノ上:私は原作漫画を読んで、チカをやれたらいいな、と思ってオーディションに挑んでいたので、二次審査くらいから実際に(キャラと同じように)ツインテールでオーディションを受けたんです。

岡本&松田:えー!! 初耳!

坂ノ上:それで念願のチカ役に決まったので、「選ばれた!」という喜びが一番大きかったです。オーディションのカラオケもチカっぽく、ちょっとぶりっ子で歌いました。

――アイドルだけど性転換した極道の男性という役柄なので、仕草などに男性っぽさを感じました。演じる上で意識したことや苦労した点を教えてください。

岡本:男性の無意識にやる仕草って、やっぱり女の人はわからないんですよ。細かいことで言うと、例えばジャケットを着てズボンを穿いていたら、どちらのポケットに手を入れるか、とか。上着のジャケットのポケットに手を入れるのか、下のズボンのポケットに手を入れるのか。

――あ~! なるほど!!

岡本:どちらかというと、女の人は上着のポケットに手を入れがちなんですけど、男性って下のズボンの方に手を入れるんですよね。

――たしかに!!!

岡本:そういう細かい部分の男女の差を知りました。今回は監督含め、撮影部のカメラマンさんやアクション部の監督とか、いろんな人に“男っぽい仕草”を伝授され続けながらお芝居をやっていました。スリッパの脱ぎ方や、部屋の入り方、喋り方とか、そういった細かい部分を「それはやるけど、それは女の子しかやらない」など判断してもらって。普通に女の子の役を演じるときと違って、“役のこと+仕草”など、考えなきゃいけない部分が多かったのは、この作品ならではの大変だったポイントかなと思います。

松田:私は、男性的な動きの習得もそうなんですけど、(性転換前を演じている)花沢将人くんと同一人物という設定なので、とにかく花沢くんに寄せようと思いました。だから、ずっと花沢くんを見ていましたね。

岡本:みんなそうだったよね。私もとにかく白洲さんになろうと思った(笑)。でも、茜ちゃんはちょっと違う? 柾木さんが茜ちゃんに寄った(笑)?

一同:あははは!

坂ノ上:けっこう自由にお互い演じてた(笑)。

岡本:そうだよね。それぞれのアプローチの仕方がすごく面白かった。最年少役の2人(坂ノ上さんと柾木さん)はすごかった(笑)。

坂ノ上:2人でずっと地名のしりとりして遊んだり、ゲームしたり、あと質問し合いっこをしてました。

岡本:私はリーダーの役なんですけど、実際に長女で、白洲さんもたしか三兄弟の長男だと言っていて。長男長女気質での会話だから、真面目だし、面白くない会話しか出来なくて(笑)。でも、2人の信念はあって、「こうしたらコントラストは出るよね」などすり合わせて行きました。キャストそれぞれが本当に役とマッチしていたから、とても面白かったな、と今振り返って思います。

――男性っぽい演技をしたことにより、影響が出たことはありましたか?

松田:全員、撮影以外でも影響を受けてましたよ!

坂ノ上:岩城滉一さんから本当に心配されてたよね(笑)。撮影期間中にドラマ『チア☆ダン』のダンスレッスンとかも入っていたんですけど、「怖かった」と言われました。

岡本:私も他の現場で「どうしてあんなにメンチ切ってたの?」と言われたり(笑)。

坂ノ上:「声をかけられなかった」と言われるくらい、役が抜けていなかったです。

松田:私たちには、あの当時男っぽい仕草で過ごすことが普通だったからね(笑)。あと、強い言葉に免疫がついて、ひるまなくなりました。「おい、テメエ! ツラ貸せよ」とか言われても、「はい!」って。

岡本:そんなこと言われるような場面あったの(笑)?

松田:Vシネマによく出られる方って、私生活も使う言葉がキツめの方がいらっしゃるんですけど、それにひるまなくなった。小沢仁志さんとか、普段の喋り方もめちゃくちゃ恐くないですか? ドスの効いた低い声で、「おい、オメェ、最近何やってんだ」とか言ってくるから、最初は萎縮しちゃう感じだったんですけど、もう今は「最近は~」って動じなくなりました。

坂ノ上:最後は普通に会話してたよね(笑)。

――今はもう役は抜けきりましたか?

松田:抜けきりましたね。でも、これを通して演技の幅は広がったと思う!

岡本:だって、いつもなら女優さんが意識しなければいけない、可愛い姿やキレイな部分をカメラマンさんや監督さんが探ってくださって、映してくださるじゃないですか。この現場はそれがゼロ!

松田:可愛く見えたら負けだと思う。

岡本:誰がいかに変な顔をできるか、でした。白目やら口歪ませるやら、二重あごやら……。

坂ノ上:変顔したくて仕方なかったもん!

岡本:そんな部分で競っていました(笑)。

――犬金組・組長役の岩城滉一さんはどんな方でしたか?

松田:大きい子供みたいに無邪気なんですよ(笑)。

岡本:すごくチャーミングな方でした! 岩城さんとsnowで遊びましたよ。「これ猫になれるんですよ」と言ってカメラを向けたら、「何だよ、これ!」とメンチ切りながら、「面白いじゃねーか!」と言ってくれました(笑)。本当に役者として大先輩なのに、私たちをちゃんと対等にプロとして見て向き合ってくださって、とても嬉しかったです。

坂ノ上:クランクアップのときも、3人にお揃いの腕時計をくださったんです。

岡本:ただ、もう岩城さんテイストが入りすぎたギラッギラの時計だったので(笑)。

松田:どこに着けていけばいいのか(笑)。

岡本:岩城さんが着けるからカッコイイ、みたいな(笑)。でも大切に保管しています。宝物です。

――大杉漣さんも出演されて、岡本さんとは共演シーンもありましたね。

岡本:大杉さんとは、『仮面ライダー1号』から2度目の共演で、今回の撮影現場に入ったときに、私のことを覚えていてくださって! 前回の共演は2、3年前だし、私は高校生くらいだったので覚えていないだろうなと思っていたんです。でも、私よりも先に大杉さんから「前に一緒だったじゃん、夏美」と声をかけてくださったんです。それで、一緒にお写真を撮りましょう、と言ったら快く「いいよ」と引き受けてくださいました。共演シーンも、大杉さんの言葉すべてが温かくて。大杉さんの心から出てくるセリフみたいなものに、アイリとしてではなく、岡本夏美として胸に響いて、大号泣してしまって。監督とは、「悩めるアイリのシーンなので涙がホロリと出たら温かいシーンになるかな」と話していたんですけど、思ったよりも大杉さんの言葉を受けて涙が止まらなくなるくらい大号泣してしまいました(笑)。

そうやってちゃんと相手の心に言葉を届けられる役者さんになりたいし、“なるべきだな”と思いました。相手役の心を動かしてからスクリーンの前の人の心を動かす役者魂や大杉さんの人柄、人間力のような魅力をあのワンシーンでたっぷりと感じて幸せだったなと思います。

ライブのコールはエキストラが現場で生み出した

――ライブシーンもたくさんありましたし、曲数も1、2曲ではないのでかなり大変だったのではないでしょうか。

松田:撮休(撮影休暇)と言いつつダンスレッスンなんですよ。

坂ノ上:あとアクション稽古ね。

岡本:とにかく撮影の2~3か月は私たちは走り倒してましたね。だから、2人がいて心強かった。私は1人だったら切羽詰まっていたと思う(笑)。

坂ノ上:ダンスやアクションの中にも3人それぞれのキャラクター性が出ていて。チカはぶりっ子ぽい、ちょっとジャンプしたりするダンスになっていたり。お芝居だけじゃなく、そういったダンスやアクションを通してクランクイン前から自然と役作りをしていけたのかなと思います。

松田:でも、筋力不足と体力不足を実感しました。めちゃくちゃ筋肉痛で次の日ダンスシーンみたいな。

岡本:だけど、大人になってからあんなに濃い3か月はそうそうない。中学のときは、部活をやっていると「あの2年間は濃かったな」とかあるじゃないですか。「この大会のためにみんなで練習して」みたいな、その時と同じような感覚。

坂ノ上:たしかに、濃縮された時間だったね。

岡本:もう、この2人は友達みたいな感じじゃないんですよ。男っぽい感覚の仲間みたいな存在です。

――ライブシーンは観客を前にして歌って踊るという演出でしたが、撮影の思い出は?

坂ノ上:観客役のエキストラさんが自分で小道具とかも持ってきてくださっていて。ライブ中の合いの手のようなコールも現場で作ってくださったんです。

松田:本来はコールなんて入る予定はなかったと思うんです。

岡本:本当にあの観客役のエキストラさんの力を借りて、ライブシーンは成り立っていたよね。

坂ノ上:現場で作品を作っているな!とすごく感じられました。

松田:エキストラさんは朝から晩まで拘束されているのに、全然文句一つ言わないから本当にすごいなと思いました。みなさん、声を枯らすほど本気でコールを言ったり、応援してくれていて、嬉しかったです。私のファンじゃないかもしれないけど、やっぱり応援されるのは嬉しいものなんだなと実感しました。

岡本:あと、映画本編の最後に本当のアイドルさんたちがゲストで出演してくれていて、そのファンのみなさんがエキストラとして参加してくださっているんです。まだ世に出ていない見たこともない私たちのことも、精一杯盛り上げてくださって。そこから、今でも応援してくださっている方もいたり。

松田:ライブパフォーマンスをした上映会イベントに、エキストラで参加されていたお客さんが来ていて! 

――それは嬉しいですね。では、エキストラのみなさんのおかげで頑張ろうという気持ちにもなれたと。

坂ノ上:本当にパワーをもらいました。

松田:そして何より、気持ちがいいですよね(笑)。「イエーイ!」って言って声援が返ってくるのが気持ちがいい!

「ファンサの余裕はない」浅川梨奈のすごさを実感!

――現場で、本物のアイドルさんに感化されたことや学んだことは?

岡本:やっぱりアイドルの鏡といえば、浅川じゃない?

坂ノ上:浅川梨奈ちゃんもソロでライブシーンがあるんですけど、すごかったよね。

岡本:ライブMCという役なんですけど、そのリアルな盛り上げ方がすごかった。

松田:
私が参考になったのは、「浅川さん」って呼ばれると「ハイッ!」って切り替えて現場に入るの。あの「ハイッ!」が「まじもんのアイドルだ!!」と思いました。

坂ノ上:その切替えが上手だよね。

――学んで活かした部分はありましたか?

岡本:活かせないんですよね。私たちってアイドル役ではなくて、どちらかというと男役なので(笑)。アイドルを上手くできちゃいけなかったので、その微妙なところも難しかったです。だけど、私たちの男気あふれる全力感みたいなものは他のアイドルにはない強みだったかも。逆にアイドルの枠に丸く収まらないというか。

坂ノ上:でも、本気でアイドルをやってください、と言われていたら本当に大変だったと思うので、そうじゃなくてよかったかも(笑)。

松田:私も。できないもん、客席にウインクや投げキッスとか。恥ずかしい(笑)。

坂ノ上:歌って踊ることにまず必死だし!

松田:そうそう。ファンサの余裕はないよね。

坂ノ上:だから、浅川はすごかったよね。なんか空間がすごかった。

岡本:浅川ワールドになったね、さすがスパガ!

――楽曲自体も素晴らしかったですが、衣装も楽曲ごとにあって気合いの入り方がすごいなと感じました。

松田:お芝居の衣装さんとライブ衣装さんが別なんですよ。

坂ノ上:1回しか着ていない衣装もあるよね。

岡本:すごいよね。本当に普通のアイドルさんより充実させてもらっていたんじゃないかというくらい。

坂ノ上:すごい待遇の良いアイドルだよね(笑)。

岡本:犬金さん、やっぱりめっちゃお金あるな!っていう。

必見のライブシーンは振り入れ30分!?

――そして2月13日には、ついにCDデビューも果たし、おめでとうございます。

松田:申し訳ないです。しかも、ユニバーサルミュージックから。

岡本:
楽曲提供してくださった方もすごい人達ばかりですし、振付も有名な左 HIDALIさんにしていただいて。素晴らしい方々ばかりで、私たちがそこに追いついていない感があって……。でも、本当に多くの方が助けてくださっているので、ありがたいなと思います。

松田:なかなか出来ない経験をさせてもらっているからね。

坂ノ上:本当にすごい経験をしていると思う。


MV:ゴクドルズ -恋して♡愛して♡養って♡ short ver. Fromデビューアルバム「IDOL Kills」
https://youtu.be/OrT_aqbRL_c[YouTube]

――またパフォーマンスを披露する機会があったら?

松田:正直、やりたくないです(笑)。お芝居をやりたいんで、より多くの作品に出たいですね(笑)。

坂ノ上:本職を考えると、各々スケジュールもあるしね。今回劇中でやったライブも本当に時間がなくて。振り入れに何時間だっけ?

松田:何時間もなかったと思う。

坂ノ上:
30分くらいで最後のライブのメドレーを覚えて、時間がない中で仕上げたので……。

松田:頑張ってる方だと思う(笑)!

――振り入れ短時間のライブシーンも見どころですね! では、最後に映画、ドラマを観る方にメッセージをお願いします。

岡本:生きていて辛いこともいっぱいあると思うんですけど、この作品でちょっとでもそういうことを忘れて、フッて笑ってほしいなと思います。こんなに真面目にふざけたことをしている作品があるんだということを知って、見てくださった方の日常のほんの一瞬の陽になる気持ちがこの作品で作れたら嬉しいです。

松田:漫画原作、アニメ原作は賛否起こりがちですが、これは実写向きな作品だと思っていて。それは、3人それぞれが悩みを抱えているし、元男という共通した悩みもあり、そういう表情の細かな変化や、一生懸命さは実写だからこそ表現できるものだと思っています。なので、原作ファンの方も裏切らず、原作を知らない方にも面白がっていただけるような作品になっているんじゃないかなと思います。ギャグですけど、ちゃんと人間味のある作品になっているので、この作品で少しでも元気づけられたらいいなと思います。

坂ノ上:原作から知っている方も多いと思いますが、これを見て、「あ、こういうBACK STREET GIRLSもあるんだ」と知ってもらえたら嬉しいです。男性キャストも含めると6人で、まぁがむしゃらにアホなことをたくさんやらせていただいたので、見終わった後に、「しょうもない!」って笑い飛ばしてもらえたら本望です。

――ありがとうございました!


・ゴクドルズ デビューアルバム『IDOL Kills』ダイジェスト映像
https://youtu.be/ujv1hXJJFeg[YouTube]

映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』は2月8日より全国上映中!
https://gokudorus.toeiad.co.jp/[映画公式サイト]

TVドラマは2月17日より放送中! ※本日3月5日(火)深夜1時28分~TBSにて第3話放送!
MBS 毎週日曜 深夜0時50分~
TBS 火曜 深夜1時28分~
https://www.mbs.jp/gokudorus/[ドラマ公式サイト]

男性キャストインタビューはコチラ↓
最初は裸の付き合いから! 映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』白洲迅・花沢将人・柾木玲弥「体張って命かけました!」
https://otajo.jp/76986

※Otajoとガジェット通信は姉妹サイトです。

【作品情報】
原作:ジャスミン・ギュ「Back Street Girls」(講談社「
ヤンマガKC」刊)
脚本:増本庄一郎 伊藤秀裕
監督:原桂之介
出演:
白洲迅 柾木玲弥 花沢将人
岡本夏美 松田るか 坂ノ上茜
菅谷哲也 浅川梨奈 秋山莉奈 高嶋香帆
小沢仁志 桜田通 / 大杉漣(友情出演)
岩城滉一
製作:映画「ゴクドルズ」製作委員会
制作プロダクション:エクセレントフィルムズ
配給:東映

(C)2019映画「ゴクドルズ」製作委員会

その他のおすすめな記事はこちら!

記者プロフィール

non

アニメや可愛いものが大好き。主にOtajoで執筆中。

カル / シネマの新着記事一覧

PAGE TOP