Otajo -オタ女-

Today is
Nov 21 2024

記事

恐怖と隣り合わせの新体操パフォーマンスは「奇跡的」舞台『タンブリング』高野洸×西銘駿 マットが弾かれる音の揃う瞬間が「超気持ちいい」

男子新体操をテーマにした青春感動ストーリーの舞台『タンブリング』が、6月より大阪と東京で上演。W主演となる高野洸さんと西銘駿さんの撮り下ろしインタビュー前編をお届けします。

2010年4月期にTBS系で放送された青春ドラマ「タンブリング」。知られざる“男子新体操”の魅力を描き、俳優陣が吹き替え一切なしで男子新体操に挑む姿も多くの視聴者を感動させました。その後、舞台化された初演ではドラマの主要キャストだった大東駿介さん、翌年のvol.2では若手実力派俳優の菅田将暉さんが主演を務めるなど注目を集めてきた本シリーズ。

完全新作となる舞台『タンブリング』が10周年のメモリアルイヤーとなる2020年に上演が予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大のため一旦は断念。しかし、復活を幻に終わらせたくないとキャスト・スタッフが再集結します!

航南高校に通う野村朔太郎役:高野洸さんと、悠徳高校に通うライバル・北島晴彦役:西銘駿さんに、演じる役柄や練習の様子、パフォーマンスについてもお話を伺いました。

元々、プライベートでよく遊ぶという仲の良い2人。撮影中もずっとゲームの話題で絶えず盛り上がり、本当に幼馴染のような和やかな雰囲気の中で取材が進みました。

新体操という高い壁……「千秋楽は目が違うと思いますよ、キラッキラだと思います(笑)」

――今回、完全オリジナル新作ということで、それぞれ演じる役柄について教えてください。

高野:野村朔太郎は、元気で明るくて目標に向かって突っ走っていく、がむしゃらな人物です。その真っ直ぐさに魅了されて、周りも引っ張られてついていくような存在です。すごく明るくてポジティブなので、そういった役のメンタルにも自分がすごく救われるというか、支えられているなと感じます。

西銘:晴彦は朔太郎と違って自由人です。だけど、朔太郎より現実を見ていて、自分のことをちゃんと見ている人。朔太郎の無邪気な立ち居振る舞いだったり、圧倒的太陽キャラの主人公感に嫉妬しちゃう。別にクールでもないですし、ちゃんと明るい人間だけど、やっぱり朔太郎には何においても負けちゃうから、親友で好きだけど……という、ちょっと裏を持ったキャラクターです。

高野:朔太郎が何でも器用にこなしちゃうからね。

西銘:そうそう! 朔太郎が笑顔で何でもできるから、それが親友として倍になって心に刺さってくるというか。だけど、お互いが持つ男子新体操への想いは絶対にそれぞれ100%だと思いますし、それ故にどんどん僕が身を遠ざけてしまう、みたいな。

――それが朔太郎と違う学校に行った理由に繋がっているんですね。

西銘:そうですね、そこにも繋がっていると思います。

――自分が新体操をやると聞いたときの気持ちは?

高野:タンブリングの作品をやると聞いた時点で重さは感じていて、もうそこから覚悟は決まっていました。過去の映像は、凄すぎてビックリしました。この物量と熱量で、それを全公演やり遂げるというのが考えられないというか、普通に凄すぎるなと感じます。だからこそ、成功させてきた先人たちの想いや頑張りは無駄にしないように、絶対に繋げていきたいと思いましたね。出演が決まった後に作品を鑑賞したときは、より頑張らなきゃな、という気持ちになりました。

西銘:「タンブリングに出演することが決定しました」と一番最初に聞いたときの僕の反応は、「いや、出来ないですよ!」と、正直に言っちゃいました(笑)。というのも、もちろん新体操という競技を知っていますし、映像で見たこともあったので、難しいこともわかっている。それに、技が難しいという以前に、体作りなどが肝になってくると思うので、「今の自分では出来ないかもしれないです」と素直にマネージャーさんに言ったと思います。

でも、もしこれが出来たときに、自分はどれくらい成長しているんだろう?みたいな、違ったワクワクにも感じてきて、やろうと決心しました。やり終えたときの達成感とか、自分自身の成長ってすごいんだろうな、と考えたら、どんどんやる気になってきて。とにかく出ると決まったらやるしかないじゃないですか。だから、今は必死な気持ちですね。もう大千秋楽とか本当に目が違うと思いますよ、キラッキラだと思います(笑)。大きな壁を乗り越えた自分の顔や表情を見てもらいたいですね。僕もまだまだわからないですし、本当に出来るのかな?って、過去の映像を見たあとにも感じます。でも、難しいからこそ、やってみたい、成し遂げたいという想いもあるので、今は楽しみです。自分にとっても大きな作品の1つになると思います。

各校のチームカラーは?

――これまでのシリーズと今作で、作品のテイストなど共通する部分はありますか?

高野:やっぱり団結力という感動は絶対に大きくあると思います。今まではチームが1つしかなかったので、そこが大きなポイントだったと思うんですけど、今回はチーム分けされていることによっていろんなストーリーが生まれて、チームが一致団結する見せ場が2つ存在するので、もっと複雑で面白いんじゃないかなと思います。

西銘:だから、一気に2シリーズ観たような感覚になってくださったら僕たちも嬉しいですね。チームそれぞれのストーリーに加え、そのチームならではの団結していく過程のエピソードが面白いので、それを悠徳と航南で交互に観ていけるところが絶対に飽きないと思います、本当に全然色が違うので。

――それぞれご自身が所属する学校のチームカラーはどんな色の印象ですか?

高野:航南は、赤とか黄色ですかね。

西銘:だから、ジャージやユニフォームの色を考えたスタッフさんはすごいなと思うのが、本当にそれっぽいんですよ! 航南は赤! そして悠徳は紫という、ちょっと男っぽいけど何か秘めているんじゃないか、みたいなところが。そういう色合いが本当にしっかり出ていて、それぞれ赤と紫のイメージです。赤と青にしてしまうと対称的な存在になると思うんですけど、晴彦の抱えている悩みや想いが混ざっての紫っぽいな、という感じがします。さらに悠徳自体が抱えている悩みもあって、そういった仲間たちが抱える悩みや嫉妬だったりも表れた色です。

高野:確かに。あと、悠徳高校自体が上品っぽいもんね。すごく伝統を守ってきていて。

西銘:そうだね、上品な感じがするよね。

高野:それも色に含まれていそうな感じがする。

――制服も私立っぽいというか、上品な感じがします。

西銘:なんかお金を持っていそうな、社長の息子感ありますよね(笑)。

――航南の赤のイメージは、真っ直ぐ情熱的という感じですか?

高野:そうですね、熱い、情熱的です。

西銘:ストーリーが子供のときに観た青春スポーツ漫画みたいな、主人公についていく仲間も仲間で面白かったり、本当に航南は赤だよね!

高野:王道、正統派。ヒーローものみたいな感じもします。それで、赤のチームの中にも、青や緑、黄色などが存在している感じです。

新体操は“恐怖と隣り合わせ”「バック転より大変なことがたくさんある」

――本来は昨年2020年上演予定で、練習もされていたんですよね? どのくらいの期間、練習されていたのでしょうか?

西銘: 4か月くらいです。でも4か月と言っても週1などからで、公演期間に近づくごとに週2、3と増えていってという形でした。

――では、技は皆さんすでに出来るようになっているのですか?(※取材時は4月上旬)

西銘:いえ、僕は本当にまだまだです(笑)。すでに技が出来ている人もいて。僕だけが稽古場で本当に笑えない状況ですね。「ヤバイ、このままじゃみんなの足を引っ張るかもしれない」みたいな。だから、とりあえず5月の芝居稽古までにある程度出来るようにしておかないといけないと思っているので、頑張ります。

高野:やっぱりバック転とかが単純じゃないんですよね、恐怖と隣り合わせというか。それを勇気をもってやろうとしても、勢いだけでいけるものでもないし。その日のコンディションとかもあるしね?

西銘:うん。やってみて気づくことがたくさんあります。映像で見ていたときは、「うわあ、すごい!」と思うところって飛び跳ねていたり、バック転をバンバンしているときがカッコイイと思っていたんですよ。でも、そうじゃないんだな、というか。

――へえ! また、“キレイに見せる”という点も意識しなければいけないですし、ただ回れたら良いというわけではないですものね。

西銘:本当に揃っているときって、1つ1つの動きが完璧なんだな、と。バック転より大変なことがたくさんあって。それを全員で揃えてキレイな形で、というのは、今まで普通に観ていたけど本当にプロの技なんだなと思いました。

高野:本当にすごいですね。つま先から指の先まで全部が伸びているし、すごくキレイで。揃えることも難しいんですけど、腕を真っ直ぐ横に伸ばすだけでも鏡を見たら自分のイメージと結構違うんです。そういうのを全員で揃えて、さらに呼吸も合わせて歩幅も合わせる。奇跡的だよね。

西銘:奇跡的。

高野:だから、あんなに揃っているプロの人たちは本当にすごいなと思います。

西銘:あと、ちょっと感動するのは、チーム全員で飛んで、着地の「バンッ」という音が1つだけの音になったときがすごく気持ちいい。

高野:確かに……!

西銘:自分たちすげえ!と思っちゃう瞬間です(笑)。本当に同じタイミングでジャンプして着地したんだ、って。

高野:あの音いいよね! マットが弾かれる音。独特。低くもないし、太くもないし、だけど重圧感というか、しっかりそこに重みはあって、体重を感じるよね。その熱量をさらに音からも感じるというか。

西銘:練習をやっていく段階で、チームは6人いるので、飛んで着地の音がドンドンッとか、ドンドンドンッだったのもが、心が合わさっていって、だんだん音も1つになっていく。

高野:音が合った時、超気持ちいいよね。

西銘:気持ちよかった。

――すでに、その音が合う域には、もうたどり着いているんですね。

西銘:いやあ、キャストの変更もありましたし、1年経っているので(笑)。

高野:でもこの前の稽古段階では、1年前とそこまで変わらず、ある程度完成されていたと思います。

西銘:いや、すごかったよ。

――お互いのチームの練習風景を見られているんですね。

高野:悠徳キャストがめっちゃ拍手してくれるんですよ。それがすごく嬉しいですし、俺らが悠徳を見ているときは、これは言っていいかわからないですけど、爆笑しています(笑)。

西銘:あははは! そうだよね。

高野:最初、衝撃的でした。ショックというか、「こんな魅せ方があるんだ!?」みたいな驚きが強かったですね。

西銘:航南は、僕らからすると「本当に男子新体操をやってる!すごい、本物!」みたいな感じです(笑)。もちろん僕らもやっているんですけど、航南は100%タンブリングの芝居というか。キャストも上手い人達が揃っているので、尚更、男子新体操としての上手さを感じる。航南の演技は感動します、キレイすぎて。だから、自分たちはタンブリングもだし、1つ1つのポイントを工夫しながら色合いをつけていけるように頑張りたいですね。

――悠徳はパフォーマンスに変わったポイントがあるんですか……?

西銘:それは見ていただいてからのお楽しみです!

高野:いろんな意味で面白いですよ。エンタメの面白さですね。

――全然想像がつかず、楽しみです!

[撮影:周二郎]

明日は久々の共演となったお互いの印象や稽古場の様子を伺ったインタビュー後編を公開します。可愛らしい撮り下ろし写真もお楽しみに!

インタビュー後編はコチラ↓
高野洸×西銘駿「お芝居の役でもライバルだし、僕たちも常にライバル」仲良し2人がW主演!舞台『タンブリング』撮り下ろしインタビュー
https://otajo.jp/99537

関連記事:
高野洸「すごくダンスと一緒にいる。もっともっと追求していくべきかな」TVドラマ『KING OF DANCE』インタビュー 和田雅成・丘山晴己の印象も
https://otajo.jp/86789[リンク]

※Otajoとガジェット通信は姉妹サイトです。

公演情報

舞台「タンブリング」
大阪公演:2021年6月11日(金)~6月13日(日) 会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
東京公演:2021年6月17日(木)~6月24日(木) 会場:TBS赤坂ACTシアター

チケット一般発売日:2021年5月9日 10:00〜
プレミアムシート【航南高校】17,000円(全席指定/税込)
プレミアムシート【悠徳高校】17,000円(全席指定/税込)
指定席11,000円(全席指定/税込)

舞台「タンブリング」HP
https://tumbling.jp/[リンク]

その他のおすすめな記事はこちら!

記者プロフィール

non

アニメや可愛いものが大好き。主にOtajoで執筆中。

カル / シネマの新着記事一覧

PAGE TOP