完結編にして原点!鈴木拡樹&安井謙太郎&梅津瑞樹 ムビ×ステ『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』撮り下ろしインタビュー
【東映ムビ×ステ】の最新作『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』が6月の映画公開を経て、8月7日より舞台が開幕! メインキャストの鈴木拡樹さん、安井謙太郎さん、梅津瑞樹さんの撮り下ろしインタビューをお届けします。
東映、東映ビデオによるムービー(映画)×ステージ(演劇)の挑戦的な融合を目指すメディアミックスプロジェクト【東映ムビ×ステ】。
2020年に“しにつか”シリーズ第1弾となる映画『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』、舞台「死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-」を公開・上演し、その後、2022年にはシリーズ第2弾となる舞台「死神遣いの事件帖 -幽明奇譚-」、映画『死神遣いの事件帖 -月花奇譚-』を上演・公開しました。
そして、ついにシリーズ完結編となる『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』の映画が6月に公開し、映画の謎やシリーズの原点も明らかとなる舞台が8月7日に開幕。東京・福岡・大阪・石川・京都の5都市で9月15日まで上演します。
なお、8月1日よりTTFC東映特撮ファンクラブを始めとする各動画配信サービスにて、映画『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』が先行配信中! 舞台に続く、幻士郎、十蘭、無限狼らの活躍が楽しめます。
探偵でありながら死神遣い・久坂幻士郎役の鈴木拡樹さん、幻士郎の相棒の死神・十蘭役の安井謙太郎さん、今作から新たに登場する封印が解かれた最恐の死神・無限狼役の梅津瑞樹さんに、映画の感想や舞台への意気込み、お互いの印象などお話を伺いました。
――まず、シリーズの新作決定に関しての反響はいかがでしたか?
鈴木:ムビ×ステの中でも、『死神遣いの事件帖』は初めてシリーズ化された作品なんですね。シリーズと言っているからにはどうにか3部まで行きたいなと個人的に思っていました。
このシリーズとしてパッケージを最後まで届けられたらいいなと考えていたので、僕個人としてもこの「終(ファイナル)」まで持ってこられたことが嬉しいですし、2作目までシリーズと言って期待を持たせて3がないみたいになったらどうしよう……と思っていたので、やっぱりこの3作目まで繋がったことが嬉しかったです。待っていてくださった今までのファンの方たちにも映画を楽しんでもらえて、とにかく何よりですね。
安井:SNSで発表された時に、もちろん「また新作やってくれるんだ!」という喜びの声もたくさん見たんですが、今回「終(ファイナル)」と付いたので、それを寂しがってくださっているお客さんの声も見かけました。シリーズとしてやってきて、終わる時に「寂しい」と思ってもらえるようなものを作れていたんだなと嬉しかったですね。
――梅津さんは、今回の映画から「しにつか」シリーズに初参加となります。
梅津:梅津出るんだ、と発表された時に、死神なのか人間なのかと気にしてくださった方もいたみたいで、「でも、多分人間性的には死神側だろうね」みたいに言われていて(笑)。そこは皆さんの期待に沿えたのかなという気もしています。
――今回の映画の感想をお聞かせください。
鈴木:これまでと同じく京都の太秦の撮影所で撮らせていただいたんですよ。これが本当に毎回嬉しくて。太秦のスタッフさんもたくさんいらっしゃいますので、毎回多少スタッフの入れ替わりはあるんですけど、その中でもずっと続けてやってくださったスタッフさんとも作っているので、一緒に作ってきた感の強い作品で、今回もそれを味わってきましたね。
安井:僕も人生で初めて太秦に行ったのがこの作品なので、多分しばらく来られないんだろうなというのが、撮影の最後に少し寂しくなったりしました。
あと、1作目のカメラマンさんが2作目のときは来られなかったんですが、今回また戻ってきてくださったのが嬉しくて。個人的には今回初めて映像でのアクションに挑戦したので、それを1作目からお付き合いのあるカメラマンさんとご一緒できたのはすごく楽しかったです。
映画村のオープンセットは貴重ですし、拡張されてマップが変わっていましたが、5年やっているとその変化にも気づくことができました。
鈴木:新しくまだ作っているゾーンもありますし、無くなって寂しいセットもあったよね。
安井:ありましたね。
鈴木:1作目でお別れしたところの橋も無くなっていたり。
安井:その代わりに新しいところが出来ていたりして。だからどんどんマップが変わったり、新しいものが建ったりするのは渋谷とかだけじゃないんだ、時間は進んでいるんだ、と思いました(笑)。
梅津:僕は映画の撮影は本当に怒涛で。どちらかというと、撮影自体より、終わった後に別のスタジオで他の人のお芝居を見て、それに自分の声を当てるという作業をしたり、東京に帰ってからしばらく日にちが経ってから、さらに違うシーンのアフレコもしたりして、実はそっちの方が時間がかかったかもしれません(笑)。
でも、撮影も自分の中ではとても印象に残っていて、楽しかったなって。殺陣くらいしかやっていないんですけど、その殺陣がやっぱり楽しかったですね。
お二人と出来たのもそうですし、手としても自分がやってきた1対2とは少し違っていました。
――あと無限狼の武器は大鎌で、少し珍しいですよね。
梅津:武器には本当にちょっと愛着も湧きましたし、そして憎しみさえも(笑)。
鈴木:合流するまで、別のところでもずっと稽古をしてくれていたと情報を聞いていたので、「すごい、もう毎日やってるんだ!」と。
――では、実際の撮影に入るまでも結構準備期間が長かったのですか?
梅津:それを言ったらそこが一番時間がかかっているのかもしれないです。
――戦うアクションとして、大鎌を回転させるというのは珍しいなと思いました。
梅津:持ち手から振り回すことはあると思うんですけど、鎌の刃の部分だけを回転させることがあるんだ!と思って。だから僕も最初に殺陣の手を見た時に、これもありなんだ!と思いました。
試写を観に行かせていただいたら、竜巻のような演出がついて、ものすごくカッコよくなっていたので、映像作品ってすごいなと思いました(笑)。
――シリーズを経て、演じる役柄をどのように捉えていますか?
鈴木:幻士郎は、ちゃらんぽらんなんだけど憎めないし、人情に厚いという感じだと思うんですけど、そういう性格になるまでに大きく影響しているのが、まずは父親ですよね。
優秀な死神遣いの衒太夫がいて、だから自分は敵わないと思ってしまったという部分で、ちょっと自暴自棄とは違うけれど、ギャンブルに走ったりしてしまうのは、そういうところからなのかなと思います。
あと事件を解決していて、やっぱり相棒である十蘭が居てくれるからこそ、という部分はありますね。埋めてもらわないと1人では成立しない部分もあって、でもそこは魅力だし、自分でも幻士郎の好きなポイントですね。
――舞台では、どんな幻士郎が見られそうですか?
鈴木:今回は一部エピソード0的な部分もあり、十蘭と出会うところを描けるので、十蘭がよりカラーとしては映画で描き切ったところとのギャップが出ると思うんですけど、幻士郎は今と同じように接しているように見えて、相対している時に感じている緊張感だったり、距離感が絶対に違うと思うので、そういう部分が繊細に出ればなと。
自分でも幻士郎をずっと長く演じてきたのに今原点をやっているんだ、みたいな部分を楽しめたらなと思います。
――十蘭はいかがですか?
安井:十蘭について最初にお話をいただいた時は、まず「死神役かあ」と思いました(笑)。そこからのスタートだったんですけど、シリーズを重ねさせていただいて、とても人間味が出てきたというか。最初はそういう部分があまりないキャラクターだったんですけど、今は割と人間らしいところが出てきて、その変化が今回の映画のセリフの中にもあったりするんです。それもこれだけシリーズをやらせていただいたから、その変化を描いてもらえたんだなと思っています。
十蘭のキャラクターには後から分かる情報が結構多かったんです。1作目の映画の後に舞台で元々は残虐の死神だったとわかって、「あ、残虐の死神だったんだ」となって。今回3作目の映画で、死神界の王子だったとわかって、「王子だったんだ!」っていう、要素がとても多いキャラなんです。
――長期連載の少年漫画の登場人物みたいですよね(笑)。
安井:そう、要素がどんどん増えていくという(笑)。今回の舞台でも、もしかしたらまた何か追加要素があるのか、ないのか(笑)。残虐王子からもう1個くらいあるのかな?というのをちょっと楽しみにしながら、準備をしたいと思います。
梅津:もう増やす要素ないですよ(笑)。
安井:もう多いですよね(笑)。
――梅津さん演じる無限狼は映画ではまだ謎めいたままで、舞台で本格的に登場しますが、だいぶ複雑な役柄ですよね。
梅津:確かに、108の煩悩の姿に具現するという。
安井:108キャラね。それ、もう多分別で一人芝居やっています(笑)。
鈴木:十面相どころじゃない(笑)。
梅津:映画の時に意識したのは、やりきらないこと。この描写で舞台が控えているとなったら、あまりにも“こういうキャラクターである”ということを自分がやりすぎると、多分舞台的に支障が出るなと思ったんです。
まだ台本が最終版まで書かれていない段階だったので、色々やったら多分書いていただくにあたって狭めてしまうだろうし……と思って。
だから、映画の方だけ観ると、本当に無限狼は何がしたいのか、何を考えているのか何もわからない感じだと思うんですけど、そこが舞台ですごく広がるといいなという気持ちを持って映画はやっていました。
――でも梅津さんは多面性のある役柄を演じるのは得意そうなので……。
梅津:得意かどうかはわかりませんが(笑)、楽しみではあります。
――また、今年春に上演された梅津さんの一人芝居も同じく毛利亘宏さんが演出されていたので、その公演期間中に「しにつか」のお話をしていたと伺いました。
梅津:そうなんですよ、全国を回りながら、徐々に毛利さんの中にある「しにつか」の舞台の匂わせがちょっとずつ開示されていって。「実はこういうの考えててさ」みたいな、徐々にいろんなものを聞かされて、最終的に大阪の大千秋楽で、「もう気持ちは『しにつか』だから」と言われました(笑)。
エンジンがかかっている時の毛利さんの話し方ってわかるじゃないですか? その感じだったので、「あ、これ絶対面白くなるな」と思いました。
――皆さん共演経験がありますが、お互いの印象はいかがですか? 安井さんに1作目でお話を伺った際に、鈴木さんのことを「森林のような人、マイナスイオンが溢れている」とおっしゃっていましたが。
安井:実は、今回新しい一面が見えたんです。前回は森林のようだったんですが、今回初めて映画でアクションを客観視ではなく一緒にやった時に、野生を感じました!
鈴木&梅津:(笑)。
安井:闘志みたいなものというか、スイッチが入る感じ。ピリッとして、森林の中に眠る野性味を垣間見られて、今回は新しい発見ができました。
鈴木:だいぶ深いところに眠っていたんだね(笑)。
梅津:いや、でも常々お会いする前から、その森林と似たようなワードはよく耳にしていて。他の人からは、菩薩だったり。実際にお会いしてみたら、確かにその通りだなって(笑)。
でも、森林の奥に獣が潜む、みたいな話と似ているんですけど、この柔和な菩薩の顔が、時々違う表情をするんですね。
多分、拡樹さんも面白がる人だろうな、というのを感じます。
鈴木:そうそう!
梅津:会話の端々からそういうところを感じて、おこがましいんですけど、親近感が湧くなと思います(笑)。だから、舞台を作る上で何かを楽しむって、やっぱりカンパニーにそういう人がいるとすごく楽しいし、自分のお芝居がとてもやりやすくなるし、一緒に作ることを楽しめる人だなと、今回も共演させていただいて思っておりました。
そして僕は、安井さんにずっと謝りたいことがあって。撮影の時と今回の取材まで、ずっと年下だと思っていたんですよ。
前回のインタビュー取材が終わった後に、ふと真田佑馬のことを思い出して。7ORDERのメンバーの佑馬のこととかを色々調べている時にふと気になって経歴を見たら、「年上じゃん!うわ、何か失礼な態度とっていないかな」って、すっごい不安になって。
安井:大丈夫です(笑)! まったく同じことを以前、水江建太くんにも言われて(笑)。
鈴木:5年やってきたけど全く変わらずだよ。安井くんは、年齢が上でも下でも、多分誰とでもコミュニケーションの糸口というか接し方がどちらにも上手いんですよ。だから、年齢がわからないところがあるかもしれない。
安井:梅津さんは、面白い人だなって。
鈴木:確かに、どんどん面白さが増している。舞台中にもっと出そうだよね。
梅津:役によるところも大きいと思うんですよ。もうちょっと違う役だったり、話のストーリーとかもそうですけど。今回は、なんとなく舞台はこういう感じの役どころでもありそうだなっていう想定の上で、だったら色々自分も自由に動けた方が楽しいので(笑)。
鈴木:でも、美しい言葉選びをするよね。文学系の専攻なんだっけ? それを聞いて納得しました。あと先程「全部を出し切らない」と言っているのを聞いて、「あ、こういう考え方、考察があるか」と思って。ムビ×ステならではの考え方に一番マッチしているなと、僕的にもすごくしっくり来ました。
確かに、やりすぎないことによって余白があるから、舞台で何が来てもいいという考え方は、すごいなと思いました。賢い(笑)!
――では、舞台を楽しみにしている方に鈴木さんからメッセージをお願いします。
鈴木:我々が大事にシリーズとしてやってまいりました『死神遣いの事件帖』。この舞台で「終(ファイナル)」ということで、シリーズを締めくくることになります。
最後まで応援してくださった方、そしてまた今回知ってくださった方も、ぜひ他の作品も観て、この作品を愛でてくれたらなと思います。一同頑張りますので、よろしくお願いします!
――ありがとうございました!
初日会見では、梅津さんが自身の演じる役柄について「すごくポップでファニーでご機嫌なやつ」と紹介。映画とはまた違うその姿をぜひ劇場でご確認ください! そして「しにつか」シリーズ初となる待望の幻士郎と十蘭の舞台共演もお見逃しなく!
【撮影:曽我美芽】
・舞台『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』開幕直前プロモーション映像1(前半篇)
https://youtu.be/VsXOVmR8KQg
・舞台『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』開幕直前プロモーション映像1(後半篇)
https://youtu.be/CszPazpj1HU
・舞台『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』開幕直前プロモーション映像2(前半篇)
https://youtu.be/fNyiboQgUn8
・舞台『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』開幕直前プロモーション映像2(後半篇)
https://youtu.be/fkvqHNKY_Uc
作品情報
2025年6月13日公開 【映画「死神遣いの事件帖 終」】
鈴木拡樹 安井謙太郎(7ORDER) / 生駒里奈
梅津瑞樹 崎山つばさ 陳内将 小林亮太
森崎大祐 田淵累生 松浦司 松本寛也 櫻井圭登
松角洋平 田辺幸太郎 浜田学 峰蘭太郎
神尾佑 西田健
監督:柴﨑貴行 脚本:須藤泰司
音楽:YODA Kenichi
2025年8月・9月上演 【舞台「死神遣いの事件帖 終」】
鈴木拡樹 安井謙太郎(7ORDER)
梅津瑞樹 森崎大祐 田淵累生 田口涼
松本寛也 田辺幸太郎 ザンヨウコ
宮原華音 鈴木裕樹
星賢太 前田将吾 日南田顕久 高田紋吉 青木謙 中野みほ 滝山翔太 朴貴好
原案:須藤泰司 脚本・演出:毛利亘宏(少年社中)
音楽:YODA Kenichi
アクション監督:栗田政明(KLC) 振付:本山新之助
【舞台スケジュール】
2025年
8月7日(木)~17日(日) 東京:サンシャイン劇場
8月21日(木) 福岡:福岡サンパレス
8月30日(土)・31日(日) 大阪:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
9月5日(金)・6日(土)石川:石川県小松市 團十郎芸術劇場うらら 大ホール
9月13日(土)~15日(月・祝) 京都:京都劇場
2025年8月・9月 全国5都市(東京・福岡・大阪・石川・京都)にて上演
一部の公演でアフタートークイベントの開催も決定! チケット好評発売中
詳細は公式サイト( https://shinitsuka.com/stage/ )まで
◆X(旧Twitter) (ムビステ) : @toei_movie_st
◆ Instagram (ムビステ) : toei_movie_st
◆公式サイト(ムビステ): https://toei-movie-st.com/
◆公式サイト(死神遣いの事件帖): https://shinitsuka.com/
◆映画配給: 東映ビデオ
(C)2025 toei-movie-st
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https://otajo.jp/93346[リンク]
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https://otajo.jp/89499[リンク]
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