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Nov 22 2024

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編集者&写真家は今でも夢の職業? 『GINZA』のファッション雑誌特集がなんかメタい

ファッション誌編集というお仕事に憧れていた時期、筆者にもありました。そんな気持ちがくすぐられる特集が月刊誌『GINZA』(マガジンハウス)2014年6月号に掲載されています。
そのまま「ファッション雑誌を読みましょう」と題したこの企画では、20世紀初頭にフランスで創刊された『Journal des Dames et des Modes』のイラストをもとにしたファッションスタイルの再現からはじまり、スタイリスト・山本康一郎さんのスクラップブック、『GINZA』が用意したファッションシューティングに『メンズナックル』がキャッチコピーを充てるページなど、思わずニヤリとする記事が続いています。

そんな中に混じって、編集アシスタントキャリア1年と半年の1ヶ月のスケジュールも。取材に駆けまわり、夜遅くまでの作業があるなどハードですが、「充実している」感は過剰なほど伝わってくるのは、ファッションショーのモデルと自身の写真を織り交ぜているデザインの為せる技でしょうか…。また、オシャレ実践や写真家にインタビューする企画をそれぞれ1ページまかせているあたり、スタッフを育てるという編集部の懐の深さを感じることもできます。

それとは対照的に、『VOGUE』フランス版の元編集長で現在は『CR FASHION BOOK』を手がけるカリーヌ・ロワトフェルドについて、文筆家の山崎まどかさんがテキストを寄せているページは、現在公開中の『マドモアゼルC ファッションに愛されたミューズ』と内容と相まって、トップ編集者の強さと凄みを感じることができます。彼女が「紙の雑誌というのはある意味マジックだと思う」といい、「私はタブレットで本を読みたいと思わない」と断言しているところは注目に値するでしょう。

また、「オリーブが教えてくれたこと」と題して、雑誌『Olive』を回顧。90年代のカルチャーに関しても別冊付録をつけていますが、こちらは作り手のリスペクトが強すぎて、ノスタルジーが勝っている印象。時計の針を戻す作業になってしまっているあたり、筆者としては残念です。

ファッション雑誌に関するあらゆる要素を詰め込んで、良くも悪くも雑誌らしくなっている『GINZA』最新号。雑誌が好きな人にとっては「おっ!」という内容ですが、そのメタな部分が楽しめるかどうかで判断が分かれそう。巻頭で「ファッション誌は夢を売る商売」とありますが、編集者や写真家といった作り手が今でも「夢の職業」なのか、考えさせられる内容といえるのではないでしょうか。

『GINZA』(マガジンハウス)
http://magazineworld.jp/ginza/

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記者プロフィール

ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営。ネット、メディア、カルチャー情報を中心に各媒体にいろいろ書いています。好物はホットケーキとプリンと女性ファッション誌。

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