【殺陣動画アリ】『ポーズ集「刀男子」』発売記念インタビュー! 殺陣師&イケメンモデルの素顔とは?
男性はもとより、女性にも根強い人気の戦国武将や幕末の志士。鋭い刀をかざし命をかけて戦う日本男子は、いつの時代も私たちを魅了します。刀を持って戦の世に生きる、「刀男子」にスポットを当てた書籍『ポーズ集「刀男子」』が6月10日にリブレ出版から発売。
刀を持つ手元や着物のシワなども大きな写真でわかりやすく見ることができる写真集は、刀男子を描く人にとっては実用性の高いアイテム。また、コスプレをする人も、これを見れば刀の構えがピシっときまるかも!
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『ポーズ集「刀男子」』を企画した経緯について、「読者に絵を描いたり、作品を作られる方が多いので、そういった人を意識していた時に、和物をコンセプトにしたものを見てみたい、というリクエストが読者さんからあって。刀を振る場面を描くのは意外と難しいようで、資料も少ないという声もあり、今回のポーズ集を作ることになりました」と語った、リブレ出版の企画担当者さん。
今回は込められた想いや、撮影エピソードなど、監修の殺陣師の方とモデルの2人に独占インタビュー。また、殺陣(たて)の実演もしていただいた動画は必見です! ※記事の最後にあるので見てください!
殺陣や型(かた)、構えの監修を務められたのは、『ROCK MUSICAL BLEACH』や、嵐の大野さん主演の『バクマツバンプー~幕末蛮風~』『テンセイクンプー~転世薫風~』、屋良朝幸さんらMAことミュージカルアカデミーが主演した『忍者イリュージョンNARUTO』など、数々の舞台やテレビ作品で活躍する中川浩行(なかがわひろゆき)さん。
モデルは、袴姿は五代新一(ごだいしんいち)さん、着流し姿は荻生捷(おぎゅうはやと)さんです。五代さんは俳優業を中心に活動しながら、殺陣指導や殺陣教室も行っており、荻生さんはまだ学生!
気になる写真集の内容は、モデルの2人が睨み合っている場面など、それぞれの個性が感じ取れるような表情や、動きのあるポーズを含め、130点以上の写真を収録。ポーズ集ではありますが、2人の剣士が出会って斬り合う、ストーリーを感じとれる構成を中川さんの監修で生み出しています。
中川さんは、「ポーズ集という中にも、ストーリーというか、個性や見せ物としてなにかアピールするものを出したいな、という気持ちはありました。そこで、殺陣を1本作って、その場面をポーズとして抜き取ってもらったのですが、その写真と写真の間に何があるのかを想像してもらえるように意識しました。手にとった人の想像力を掻き立てるような作りになっていたら嬉しいです」と、1冊に込めた想いを明かしました。
モデルの五代さんも「ドラマ性がありますよね。目つきとか顔つきとかもご指導してくださったので、そこがけっこう見どころだったりもします」と語ります。
また、リアルな殺陣ではあまりやらないような魅せることを意識したポーズや、「青龍」「白虎」「朱雀」「玄武」といった“四神”の名称を付けたオリジナルの構えも今回の『ポーズ集「刀男子」』ならでは。
セリフや文字がなくても、この1冊をパラパラとめくるだけで、何通りものストーリーが広がりそう。絵を描かない人が手にしても楽しめるのではないでしょうか。
イケメンだから2人を抜擢!? 殺陣を知って時代劇を見直すきっかけに
――中川さんはこの企画のお話を頂いたとき、どう思われましたか?
中川:単純に面白そうだな、と思いました。僕もずっと殺陣をやっているのですが、本屋に行くと、ポーズや刀の振り方が載っている殺陣の教科書みたいなものはあるんですけど、イマイチ自分好みじゃないものもあったり。僕はどちらかというと、型をキレイにとったりするのが自分の殺陣の立ち回りのスタイルだと思っていて。そういった本があまりなかったので、いい機会だな、と思いました。
――モデルのお二人は、このお話をいただいたときにどう思われましたか?
荻生:まず、ポーズ集というものを見たことがなかったので、純粋に面白そうだと思いました。どういう仕上がりになるのか想像ができなかったので、好奇心が湧きました。
五代:殺陣はすごく小さな市場というか、なかなかやっている人がいなくて。これをきっかけにもっと殺陣を知っていただけたらな、と思いましたし、殺陣の仕事に関して、ポーズ集といったら「この“刀男子”の本」という感じにもしなったとしたら、すごく光栄なことだなと思いました。
――中川さんとモデルのお二人は元々お知り合いだそうですが、どういった繋がりなのでしょうか?
中川:日本大学芸術学部の学生の時に、『殺陣同志会』という、もう60年くらい歴史のあるクラブがあって。そこでずっと殺陣をやっていて、僕の何個も下ですがモデルの彼らも同じ『殺陣同志会』で殺陣をやっている繋がりで声をかけました。
――中川さんがモデルに五代さんと荻生さんを選んだ理由はなんだったのでしょうか?
中川:イケメンということです!(笑) でも、ただイケメンならいいわけではなくて、ちゃんと刀も持てなくてはいけないとかあると、どうしても当てはまる人は限られてくる。その中で僕の信頼をおく、イケメン2人にお願いしたんですけど、荻生くんに関しては、今までほとんどコンタクトなかったよね。
で、イケメンがいるぞ、ってことだけはわかってたんです。あいつとは話したことはないけど、これを機会に仲良くなろうと(笑)。
荻生:ありがとうございます(笑)。
――いつもの殺陣と違い、本として見せるための撮影は大変でしたか?
五代:一番大変だったのは姿勢の維持ですかね。いろんな角度から撮るので、ずっとキープし続けるというのがけっこう大変でした。
中川:あとは刀が重かったということじゃないかな。映像作品とかだと、“竹光(たけみつ)”っていう木で出来た刀を使ってやるんですが、写真に残すというと、重量感とか刀の重みというのがバレてしまう。あと重いものを持つと、腰の座りとか、そういったものにもいい意味で影響が出てくるので、やっぱり重たいものを使ったほうがいいですよね。僕は見ているだけでしたが(笑)。
――衣装の違いもありますが、2人のキャラクターの設定などはあるのでしょうか?
中川:意識はしました。昔の時代劇とかを好きで観ていたので、着流しのスタイルだと、市川雷蔵さんとかをイメージして、袴とかだと、若山富三郎さんとかを意識したり。そういう時代劇の殺陣から現在に至っているというのもあるので、この作品で終わるのではなくて、時代劇の俳優さんにも興味を持ってもらえたらいいな、という思いはあります。
――では、この本が気になっている方、手にとってくださった方へメッセージをお願いします!
荻生:ポーズ集ですが、着物を着付けるところから写真があるので、知識がない人が見ても、着物の着方とかが写真だけでわかると思います。なおかつ、カッコイイ構えもたくさんあり、ポーズを真似したくなると思うので、ぜひ手にとっていただきたいと思います。
五代:これを機に殺陣をやりたいっていう人が増えてくれるといいですね。殺陣ってまだ人口が少ないんですけど、「え、これカッコイイ、なんだろう」ってこの本を手にとって、自分もやってみたいって思ってくれると嬉しいです。あと、殺陣やってますって言っても、「殺陣って何?」って言われて伝わらないのはちょっと寂しいので、これを通して、殺陣というものを知っていってほしいな、と思います。
中川:今回はポーズ集ということで、絵を描かれる方に向けて作ってありますが、そういう実用的な側面だけでなく、ある種のアートとしてというか、ただ深いことを考えずに見ても「カッコイイな」とか思っていただけるといいです。僕としては、これをひとつのきっかけとして、刀や和物の世界に興味をもっていただいて、そこから時代劇というものを見直すきっかけになったら本当に嬉しいので、これがみなさんの中で広がってくれたらありがたいと思います。
また、今回の写真集には、「きまた」という下着姿でポーズをとっている写真も収録。下着姿なので上裸なのですが、着付けの場面以外はモノクロとなっています。これは陰影で筋肉の動きをよりよくわかるように、という点と、生々しさを軽減するという配慮だそう。確かに、モノクロであれば、店頭でチラッとページを覗いても恥ずかしくない! この演出は素晴らしいです。
そして上裸撮影があったため、五代さんは「この撮影をする前までの2週間くらいで5キロ痩せて、体脂肪も9%まで落としました(笑)。水飲んだら吸収すると思って、撮影当日の朝は水を飲まない、とかもしましたからね」と、プロ根性を発揮した裏話も。
動画URL:https://youtu.be/mHsx1P0tpAY
インタビュー動画では辛かったポーズなど、実際に再現しながら語る3人。動画でしか見ることができない内容も!
収録ポーズが動画に! 殺陣を実演!
現在、映画の他に、アニメやゲームなどでも盛り上がる和物ですが、「実際に人間がやって、それを生で体感してもらう、そこまでいったときに、本当のブームがくるんじゃないかな」と語った中川さん。五代さんと荻生さんを交え、その場で殺陣を実演していただきました!
中川さんとモデルのお二人は同じ大学出身の先輩後輩の仲ということで、インタビュー中も和やかな雰囲気でしたが、殺陣の実演となると表情が一変し、真剣な眼差しに。
動画URL:https://youtu.be/U8kF0sLkMrg
「一対一」では、『ポーズ集「刀男子」』の前半に収録されている斬り合う様子を、動画で見ることができます。「二対一」では、オリジナルで名付けた“四神”の構えを取り入れた殺陣を実演。
着物に刀、やはり最高ですね。あなたもぜひ手にとって、「刀男子」に魅了されてください!
『ポーズ集「刀男子」』
発売日:2015年6月10日
出版社:リブレ出版
撮影:安藤青太
価格:2200円+税
https://www.libre-pub.co.jp/shop/commodity/00000000/9784799725719/監修:中川浩行
殺陣師・俳優。俳優活動のほか稽古会『殺陣のゼミなーる』を開催中。出演者:
・五代新一
俳優を中心に、映画や舞台、イベント出演などあらゆるフィールドで活躍中。殺陣教室「サムライブ」でも指導。
http://www.tate-school.com[リンク]・荻生捷
自身で殺陣の振付も行うほか、槍、薙刀といった長物、二刀流もこなす。
【映像撮影・編集 海老名芳明】
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