調査のプロが教える デートで会話が途切れない豆知識~紅葉がきれいな温泉宿~
紅葉シーズンの今だからこそ、ぜひとも行きたい露天風呂や温泉宿を調査のプロであるリサーチャーさんに教えてもらった。
篝火の湯緑水亭(宮城県秋保温泉)
杜の都仙台から車で約30分のところに“仙台の奥座敷”とよばれる秋保温泉はある。その歴史は古く約1500年前だと伝えられ、第29代欽明天皇(539~571年)が皮膚病を患ったときに、この湯につかったところ病気が治ったという。
それ以来、秋保温泉は「名取の御湯」と「御」の字をつけて呼ばれ、信濃、犬養と共に「日本三御湯」と呼ばれてきた。
その中でひときわ閑静な高台に建つ一軒宿が「篝火(かがりび)の湯 緑水亭」で、地下1000mから汲み出した源泉は、疲労回復・神経痛・慢性皮膚病などに効能があるといわれる。
宿の自慢は、東日本屈指の広さを誇る3万坪の敷地に設けられた庭園露天風呂『篝火の湯』で、大きな露天風呂をあえて大浴場から離したことで大自然に囲まれた本来の露天が堪能できる。
白船荘新宅旅館(長野県白骨温泉)
白骨温泉の起源は不明だが、すでに戦国時代に武田信玄によって利用されていたといわれ、その名前の由来は温泉の成分が湯船に付着して、あたかも骨のように見えたことから名づけられたという。
そんな白骨温泉にある白船荘新宅旅館は、自然の地形を最大限に活かしてつくられた露天風呂が名物で、目の前には北アルプスの壮大な紅葉が。ここでは体を芯から温めてくれる白骨の湯が堪能できる。
また、露天風呂付客室 「鳳雲閣」では、信楽焼きの陶器の湯船がある。もちろん100%源泉のかけ流しで、白骨の湯を好きな時に何度でも楽しむことができる。
もみぢ家別館川の庵(京都府高雄)
清滝川に架かる吊り橋を渡ると、明治30年創業の老舗旅館「もみぢ家」の別館「川の庵」がある。民芸調の合掌造りで建てられた宿は、高雄の山が望めるとともに秋になると絶景とも呼べる美しい自然を堪能することができる。
因みに、春の桜は「お花見」と言うのに対して秋の紅葉は「紅葉狩り」と言うが、なぜ紅葉だけ狩りなのか。実は「桜狩り」という言葉も正式にあって、松尾芭蕉の「似あはしや 豆の粉めしに さくら狩り」や『小倉百人一首』の撰者・藤原定家の「桜狩り 霞の下に今日くれぬ 一夜宿かせ 春の山もり」といったように、和歌や俳句では頻繁に使用されている季語でもある。
このときに使われる「狩り」は、本来、獣を捕まえる意味をもっていたが、野鳥や小動物、さらには果物などを採る意味にも使われるようになり、今に至っている。