カップルで入りたい 愛が深まる混浴温泉 ~岩手編~
温泉が恋しい季節、カップルで楽しめる混浴温泉は一体どこなのか? 人気温泉ライター・大黒敬太さんがまとめた『絶景混浴秘境温泉』から人気どころや秘湯など珠玉の混浴温泉をご紹介しよう。
今回はみちのく岩手県。三陸の海産物やわんこそば、冷麺などのグルメ、世界遺産の平泉など魅力あふれる土地には、素晴らしい混浴温泉があった。
水害を乗り越え1300年もの歴史を誇る網張温泉
網張温泉は岩手山の中腹、標高760mの絶景ポイントに湧く温泉。約1300年もの歴史を誇り、江戸時代には山岳信仰のために入浴が禁止。その際に周囲に網を張って入山できないようにしたため、網張温泉と呼ばれるようになったと言われている。
ここで有名なのが「仙女の湯」。過去に何度も水害により崩壊するも、風呂の形を変えながら今も人々を楽しませている混浴温泉。白い糸をひきながら落ちる滝を独占しながら入る、真っ白いお湯は格別なものがあるだろう。
鮮やかな緑色の湯が楽しめる国見温泉
国見温泉は活火山の秋田駒ケ岳の南側中腹にある。全国的に見ても非常に珍しい鮮やかな緑色の温泉で知られる温泉地だ。老舗「石塚旅館」は創業200年。洒落た山小屋風の建物だが、玄関をくぐるとみちのくの湯治場そのもの。
硫黄の香りが漂って温泉情緒が溢れる。綺麗な緑色の湯の底には、真っ白で泥のように沈殿している大量の湯の華が。成分濃厚な湯は大変人気を集めているという。湯から上がったら国見温泉名物のみそせんべいを是非ご賞味あれ。
3階まで吹き抜け! 立ち湯で癒される鉛温泉
鉛温泉でぜひ訪れたいのが「藤三旅館」。木造3階建ての建物は文化財クラスの見事さ。温泉の歴史も古く、この宿の遠い祖先が傷を癒している白猿を見て温泉を発見。1443年に仮小屋を建て開湯し、1786年に宿として創業した老舗旅館だ。
自慢の「白猿の湯」は一度入れば忘れられないインパクトある浴室。2階部分から階段を下りていくと1階部分の正方形の広い床面に、楕円形の湯船がど真ん中に1つ。その風呂から3階あたりの高さまで吹き抜けと言う贅沢な空間の作り。そして風呂の深さは125cm。
成人男性でも肩まで浸かるくらい深く、立って入る立ち湯だ。湯は足もとから湧いており、湯圧も加わって一瞬で汗が出るという。