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Mar 28 2024

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「Q-pot.」デザイナー・ワカマツ タダアキ氏に聞く『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』の魅力

とろりと溶けたチョコレート、フワフワのホイップクリーム、思わずかじりつきたくなるサクサクのクッキー……。そんなスウィーツ達をキュートなアクセサリーにデザインし、2002年のブランド誕生以降人々を魅了し続けるアクセサリー・ブランド「Q-pot.」。デザイナーのワカマツ タダアキさんが生み出す可愛くて遊び心のある世界観は、アクセサリーの枠を超えた多岐にわたる活動を展開しています。

これまで発表された数々のアイテムの中でも、ディズニーファン・映画ファンに人気が高いのが『ふしぎの国のアリス』『アリス・イン・ワンダーランド』シリーズ。不敵に笑うチェシャ猫や、カラフルなキノコ、マッドハッターの糸巻きなど、映画の中から抜け出てきた様な、細部にまでこだわったデザインが特徴です。

「ディズニー=アリス」というほど、『ふしぎの国のアリス』がお好きだというワカマツさん。新作『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』をどうご覧になったのか。感想や、ワカマツさん的な見所ポイントを伺ってきました。

―映画をご覧になって率直な感想はいかがでしたか?

ワカマツ:とても面白かったです。とくに『アリス・イン・ワンダーランド』に関して、自分が好きなシーンが、現実からワンダーランドに入って行く導入の部分なんですね。前作ではウサギを追いかけて木の下の穴から落ちていきましたが、今回は鏡の中からというワクワクする演出で、この先どういう物語が始まるのだろうという、想像力がかき立てられました。

―本作で、気になったキャラクターや、良いなと思ったキャラクターはいましたか?

ワカマツ:「タイム」が映画を観る前に想像していたキャラクターと違って、お茶目ですごく愛すべきキャラクターでしたね。思わず笑ってしまうシーンも多くて、好きになりました。後は、前作から引き続き「赤の女王」が好きです。シュールで面白いなと思う部分と、コンプレックスと戦っている部分が気に入っていて、アニメ版を含めても一番好きです。今回、手下に野菜で出来た家来をおいていたのですが、きっと「アルチンボルド」を意識しているんだろうな、と思いながら。赤の女王は前作で、自然あふれる何も無い所に閉じ込められたから、野菜を手下にするしか無かったのかな? とか、つながりを想像しながら楽しみました。

―そういった、前作からのつながりを想像するのはとても面白いですね。主人公のアリスも前作よりグッと成長を感じました。

ワカマツ:周りからは浮いているのですが、中国のドレスでパーティに乗り込み自分に自信を持って対応している姿を見ると、愛しい気持ちになりました。僕にも娘がいるので、父親目線ですけど「自分の娘は間違ってない」というか(笑)、愛しい気持ちになりました。僕にも娘がいるので「そのままの姿で行け!」って応援したくなりました。きっと、アリスの父親もきっと天国で、個性を大切にして生きていって欲しいと思っているんじゃないかなと。

―Q-pot.ではこれまでにいくつも『ふしぎの国のアリス』『アリス・イン・ワンダーランド』のアイテムを発表していますが、どんなきっかけだったのでしょうか?

ワカマツ:ディズニーのいろいろなストーリーに興味はありましたが、子供の頃から僕の中で「ディズニー=アリス」という印象が強かったので、ずっとやりたいと思っていました。実現した時は感慨深い物がありました。

―アリスのアイテムをデザインするにあたり、一番苦労された事は何ですか?

ワカマツ:主人公の「アリス」自身を描くのがすごく難しいなと思いました。キャラクターそのものを使うとアリスの奥行きのある世界観を表現出来ないのでは、と。そこで、アリス目線になって「自分がアリスになった時にどう見えるのか」というテーマでデザインしました。出て来るアイテムやアリスの周りのキャラクターが魅力的ですし、アリスが大きくなったり小さくなったりという設定も面白いので。

―アニメと映画、同じ「アリス」でも雰囲気が異なるのがまた面白いですよね。

ワカマツ:アニメはキラキラしたカラフルな感じを表現したかったので、金メッキだったり素材に樹脂を使用したり新しい感じの表現をしているのですが、実写の場合はリアリティーのある暗い世界観を出す為にアンティーク加工を施したりして表現を分けています。

▲映画『アリス・イン・ワンダーランド』のダークな世界観をアンティーク加工で表現。

―Q-pot.とアリス、お互いのファンにとってここまでピッタリなコラボは無いのでは無いかと、アイテムを眺めているだけでワクワクしてしまいますね。

ワカマツ:アニメも、ルイス・キャロルの原作も読んでいますが、世界観はもちろんですが、言葉遊びとかが面白いじゃないですか。Q-pot.も駄洒落的な表現をアイテム名やデザインに込めているんです。後は、僕がカップやポットがもともと好きだということもあり、Q-pot.の世界観とアリスの世界観って通じる物があるのかな、と感じています。

―『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』をご覧になって、こんなアイテムを作りたいというイメージは沸きましたか?

ワカマツ:懐中時計はすごく作りたいなと思いました。過去に作った事もあるのですが、本作では時計がたくさん出て来るので、アンティーク調の物をまた作ってみたいですね。

―「アリス」に限らず、ディズニー作品のアイテムをデザインする際に心がけている事を教えてください。

ワカマツ:ストーリーの持つ世界観は大事にしています。アリスのワンダーランドのお話って、父親がアリスに聞かせた空想話が基になっていて、身近な物や動物を使って奇想天外な話を作ったのがはじまりですが、それってクリエイティブで一番大切な事だなと思っています。大切な人を楽しませよう、大切な人を楽しませる為に何かを作ろうと言う気持ちはよく分かります。なので、Q-pot.でアクセサリーを作る時は物語を作る様に、自分が映画監督になった様な気持ちで、皆さんがワクワクする様な仕掛けを入れていきたいなと思っています。ディズニーはウォルト・ディズニーを含めて、作り手は皆さんそう思っているんじゃないかな、と。

―カラフルなファンタジー作品でありながら、家族や大切な人の事を思う気持ちという、人間誰しもに通ずるテーマが素晴らしいですよね。

ワカマツ:映画の中では、アリスと両親、マッドハッターと父親、赤の女王と白の女王と、いくつも家族関係が出て来ますが、それぞれに感動するポイントがありますよね。僕の親は物作りをしていて、昔は同じ事をしたく無いと反発した時期もありましたが、親がいたから今の自分、今の性格があるし、同じ様に物作りをしている。家族の絆って、切っても切れない物なのだと、この映画を観ても感じる事が出来ると思います。

―今日はとても楽しいお話をありがとうございました!

Q-pot. OFFICIAL SITE
http://www.q-pot.jp

『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』
http://www.disney.co.jp/movie/alice-time.html [リンク]

※記事中に登場する「Q-pot.」のアイテムは、現在品切れ・販売を終了している可能性がございます。あらかじめご了承ください。

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記者プロフィール

藤本エリ

日常系アニメと、黒髪・細身キャラクターをこよなく愛するライター。一番応援している声優は小野大輔さん。

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