敵だけど可愛いアマゾネス・カルテットの魅力は?劇場版「美少女戦士セーラームーン Eternal」上田麗奈・諸星すみれ・原優子・高橋李依インタビュー
25年の時を経て、2021年に二部作連続公開される劇場版「美少女戦士セーラームーン Eternal」(《前編》1月8日(金)、《後編》2月11日(木・祝)公開)に登場するアマゾネス・カルテットを演じた上田麗奈さん、諸星すみれさん、原優子さん、高橋李依さんのインタビューをお届けします。
本作では、地球と月の征服をもくろむデッド・ムーンが地球に入り込んでくるところから物語が始まります。うさぎたちの住む街に現れたデッド・ムーンサーカス団の一員であるアマゾネス・カルテットは、セーラー戦士や街の人々を苦しめる冷酷な性格と、個性豊かでかわいらしい姿とのギャップで90年代当時からも人気の高いキャラクターです。
花使いのセレセレを上田麗奈さん、玉乗りのパラパラを諸星すみれさん、軽業師のジュンジュンを原 優子さん、猛獣使いのベスベスを高橋李依さんが演じます。オーディションでの裏話やそれぞれのキャラクターの魅力を伺いました。
――オーディションで出演が決まったそうですが、そのときの気持ちをお聞かせください。
原:私は本当に信じられなくて、台本をいただくまで信じていなくて(笑)。オーディションもサラッと終わってディレクションなども特になく、「終わったぞ……体感30秒だぞ……」と思って。あまりにもその場で何も言われなかったので、「受かりました」と言われても「そんな馬鹿な!?」と疑心暗鬼になりました(笑)。でも、「本当に『美少女戦士セーラームーン』に自分が出られるなんて!」と、めちゃくちゃ嬉しかったです。
諸星:『美少女戦士セーラームーン』はうちの家族みんな大好きで、オーディションのお話が来たときに、「セーラームーンだよ!?」と言って、自分なりに役作りなど準備をたくさんして気合十分で臨みました。でも、オーディションは本当にサラッとだったのですが(笑)、1回テストをやった後「もっと伸び伸び、幼いだけじゃなくてその中にメリハリや緩急をつけてやっていいよ」とディレクションがあったので、後悔しないようにできる限り自由にやりました。
上田:私は、オーディションのときにセレセレへのディレクションで、「もうちょっとほがらかに、ふわっと地に足が付いていない感じでお願いします。意地悪な感じでは全然ないです」と言っていただいていたので、それを心に留めつつ、決まったときは、以前放送されていたTVシリーズも踏まえて頑張って臨んでみようと、プレッシャーと嬉しさと意気込みなどいろんな気持ちが混ざりました。
諸星:上田さんは、私とオーディションで一緒でしたよね。2人同時に説明を受けていて。
原・高橋:えー!! そうなんだ~!
諸星:スタジオに入った瞬間、上田さんを見て、「あ!セレセレだ!」と思いました(笑)。
上田:私も(諸星さんを見て)「絶対パラパラだ!」と思った! お互い思ってたんだね、嬉しい(笑)。
高橋:私は最初のオーディションテープを録音したときに、マネージャーさんが「李依ちゃんのこういうキャラ新鮮」って言ってくれたのがすごく嬉しくて楽しくて! マネージャーさんに持ち上げていただいたおかげもあって、好戦的なベスベスが生まれたんじゃないかなと思います。
――ご自身が演じられるキャラクターの魅力や個性はどんなところでしょうか?
原:必然悪じゃないところがジュンジュンはいいと思います。他のキャラクターに比べてボーイッシュで男勝りっぽいところがあるんですけど、憎めないというか、いたずらの延長で悪いことをしている感じが、裏返せばちょっと愛嬌に見えるような可愛さや、あどけなさみたいなところがあるかなと思いますね。
諸星:パラパラは喋り方も、ちょっと舌っ足らずで幼くて、という印象があって。だからこそ、セーラー戦士に仕掛けていく場面や悪さをするときの怖さが倍増するというか(笑)。まったく悪いと思ってやっていない、純粋に楽しんで行動しているので、そのギャップが魅力だと思いますし、自分の気持ちをすごく正直に真っ直ぐわかりやすく出す子なので、お芝居をしていても楽しかったです。
上田:私は初めてセレセレの画を見たときに、したたかで品があって、ちょっと高飛車な感じもあるのかな?と表情から感じていたんですけど、その見た目と反して、内面はすごくほがらかな、ほわ~っとしたキャラクターで。芯は絶対にあるんだけど、我を見せすぎず、ちょっとどこかふわふわ浮いている感じ。その優しい柔らかい雰囲気が、セレセレの独特な魅力に繋がっているのかなと思います。どことなく品の良い色っぽさみたいなものがあって、その柔らかさが他の3人にはない部分かもしれないですね。
高橋:私は実はオーディションでジュンジュンも受けさせていただいたんですけど、どちらもちょっと強気の印象だったので、ボーイッシュな方は全部ジュンジュンに任せちゃおうと思って、言葉は強いけど、女性らしさもあるところがベスベスの魅力なんだろうなと思っています。ムチなども使うので、怖いのかな?と思いがちですけど、それもあくまで女性らしさの中にある強い部分なのかなと思っています。
――オーディションの話で少し触れた方もいらっしゃいましたが、アフレコ時に演じる上で意識したことや印象的だったディレクションがあれば教えてください。
原:私はオーディションのときは本当に何も言われなくて(笑)。アフレコのときに監督から「もうちょっとヤンキーっぽくできますか?」と言われて、そこで「ヤンキーなんだ!?」と思ったのが印象的でした。声優業界の方はなぜか私のことをヤンキー出身だと思っているらしくて……(笑)。割と丁寧な言葉づかいをしているはずなんですけど、なぜですかね(笑)。今回は、古き良き昭和の良いヤンキーを意識したんですけど、あまり悪っぽくなりすぎないように、あくまでいたずらの延長で明るく、いじめすぎないように心掛けました。
諸星:パラパラはオーディションのときもメリハリや緩急などいろんな面を見せていい、と言われていて。特に熱帯魚屋さんで亜美ちゃんと話す場面では、パラパラだけど違う人物を演じている設定だったので、少し大人っぽいというか、作っている感じにしてみてほしい、というディレクションもいただいて、そういったところでも新しい一面が見せられているかなと思います。あとは、パラパラはすごく感情の起伏も激しいし、素直になんでも受け取ってアウトプットするので、感情の振れ幅というのが次の原動力になったりするのかなとも感じたので、悔しがるところは子供のように思いっきり悔しがるなど、素直にお芝居しようと意識しました。
パラパラは、割と4人の中でも末っ子的なポジションなので、どんなに自由にやってもお姉さまたちがフォローしてくれるので(笑)。みんなそれぞれ個性の塊だけど、バランスが良くて支え合っている感じがします。パラパラ自身もそうだし、私も自身も自由にやっちゃおう、とみんなに任せようと思える謎の心強さがありました。だから、パラパラの魅力である自由奔放なところはたくさんお芝居でも表現できたかなと思います。
上田:セレセレは、オーディションのときに言われた部分を意識して、常に肩肘張らないとか、背伸びをしないイメージで、自然体でいるように心掛けていました。あと、自分のことではないんですけど、ベスベスが「もっとSっぽく」とディレクションされていたのが印象に残っています(笑)。
高橋:「Sっぽく」というのはすごくわかりやすい指示でした(笑)。ムチも持っているし、あまりにも女王様だから、「女王様をやりすぎちゃダメかな」とアフレコ当日に一歩引いていたところもあったんですけど、「Sっぽく」というディレクションのおかげで「もっと好戦的で敵意丸出しでいいんだ」と背中を押してもらった気がします。ジュンジュンのようにボーイッシュにならないように、という点と、セレセレとは違うしたたかさと色っぽさになったらいいな、と考えていたので、どこまで女性らしさは残そうかな?というのは探りながら挑戦しました。
――デッド・ムーンサーカス団は≪前編≫では「幻の銀水晶」を手に入れるためセーラー戦士と対峙しますが、みなさんが今、手に入れたいもの、欲しいものは何ですか?
高橋:私は猫ちゃんを愛でたいです。猫ちゃんを追い払う側の役をやったのに(笑)、最近猫ちゃんの動画を送ってもらうくらい、猫ちゃんを欲しています。いつか猫ちゃんを飼える環境になったらすぐにお迎えできるように、今は猫情報を集めています。
上田:私は今、猫ちゃん2匹と一緒に住んでいるんですけど、もっと2匹が遊びやすい環境を整えられたらいいなと思っていて。より快適に過ごせる広いおうちがほしいですね。
諸星:私は宇宙っていうか……。
一同:宇宙……?
諸星:宇宙が欲しいわけじゃなくて(笑)。月とか星がすごく好きで、『美少女戦士セーラームーン』の世界観も大好きなんですけど、家庭用プラネタリウムが欲しいなと思っていて。普通では見えない惑星とかもちゃんと再現された家庭用プラネタリウムが発売されたというのを知って、ぜひ欲しいなと思っています。あと、カーテンに星の形の穴がたくさん空いていて、朝日が登ると星の光が入ってくるように見えるカーテンを見つけたので、それも欲しいなと思って。
高橋:え~!! めっちゃいい!
諸星:部屋を宇宙にしたい!という野望があります(笑)。
原・上田・高橋:すごい素敵!
原:私は本当に直近で欲しいのは車の運転免許ですね。両親が高齢になってくるので、自分たちで運転しているのも心配で送り迎えが出来たら良いな、と。あと欲しい車もあって。ショッキングピンクの……。
諸星・上田・高橋:へえ!ピンク!
原:小さい頃からずっとピンク色が好きなんですよ。本当は、なるべくピンクのものだけで生活したいんです。なかなか難しいですけど、車くらいはいいだろ!と思って。だから、運転免許を取って狙っている車のショッキングピンクをフルカスタムで買いたいな、と思っています。
――では、ご自身が演じるキャラクターの≪前編≫での見どころをお願いします。
原:ジュンジュンはそんなに直接手を下していなくて、後ろで「こんなんどう?」と言ってるくらいで、パラパラやベスベスがやっていることを見て盛り上がっている感じなので、純粋にいたずらや悪事を楽しんでいる彼女を観ていただけたらいいなと思います。
諸星:パラパラは、可愛らしくて幼くて自由奔放というところはもちろんなんですけど、急に「あれ?さっきまであんなに可愛かったのに、こんな表情をするんだ」と悪役の部分が出る瞬間も多くて。それは演じていて私自身もすごく楽しかったですし、見た目が可愛らしいから「敵キャラなの?」と感じちゃうくらいなんですけど、きちんと敵キャラとして成立するくらいのパワーは持っていて、パラパラは前編だけでもいろんな表情を見せてくれているんじゃないかなと思います。
上田:セレセレはいつも微笑んでいるようなほがらかでふんわりしたキャラクターなんですけど、そんな印象とのギャップがセリフなどに出ているところが見どころかなと思います。雰囲気は柔らかいんだけど、ちょっとしたたかな発言をしていたり、そのチグハグにも見えるような二面性が「あれ?今セレセレなんて言った?」みたいな(笑)、ちょっとゾクッとするような引っかかる部分でもあると思うので、注目して楽しんでいただけたらと思います。
高橋:ベスベスは、アマゾン・トリオを使役する時、ただ指示を出しているだけじゃなくて、可愛がって送り出しているところにも注目して観てほしいです。
――公開を楽しみにしています、ありがとうございました!
関連記事:
永久保存版!セーラー戦士の華麗な<変身シーン特別映像>解禁 劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」でもキュートさの大爆発
https://otajo.jp/94856
作品情報
■タイトル:劇場版「美少女戦士セーラームーン Eternal」《前編》/劇場版「美少女戦士セーラームーン Eternal」《後編》
■公開日:《前編》2021 年 1 月8日(金) 《後編》2021 年 2 月 11 日(木・祝)
■キャスト:三石琴乃 金元寿子 佐藤利奈 小清水亜美 伊藤 静 福圓美里 野島健児
皆川純子 大原さやか 前田 愛 藤井ゆきよ 広橋 涼 村田太志 中川翔子 松岡禎丞
渡辺直美 菜々緒
■スタッフ:原作・総監修/武内直子 監督/今 千秋 脚本/筆安一幸 キャラクターデザイン/只野和子 音楽/高梨康治
アニメーション制作:東映アニメーション/スタジオディーン 配給/東映
■主題歌:「月色 Chainon」(読み方:ツキイロシェノン) 作詞:白薔薇 sumire 作曲:小坂明子 編曲:月蝕會議
ももいろクローバーZ with セーラームーン(CV:三石琴乃)&セーラーマーキュリー(CV:金元寿子)&セーラーマーズ(CV:佐藤利奈)&セーラージュピター(CV:小清水亜美)&セーラーヴィーナス(CV:伊藤 静)
■映画公式 HP:sailormoon-movie.jp[リンク]
■映画公式 Twitter:@sailor_movie
(C)武内直子・PNP/劇場版「美少女戦士セーラームーン Eternal」製作委員会
・劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」《前編》予告映像60秒//Pretty Guardian Sailor Moon Eternal The Movie Trailer
https://youtu.be/p4ntci4Sr8U
【STORY】
うさぎたちは無事高校へ進学し衛も大学の医学部に合格。そして、ちびうさは戦士としての修行を終え30世紀の未来へ帰る準備をし、それぞれの夢に向かって新たな生活を送ろうとしていた。桜舞う4月、街は今世紀最大の<皆既日食>でお祭りムード。
新月が太陽を覆い隠し、次第に薄暗くなっていく中、うさぎとちびうさは自らに助けを求める<ペガサス・エリオス>と出会う。ゴールデンクリスタルの封印を解く、選ばれたる“乙女”を探しているというエリオスは、ある日ちびうさの夢に現れ、「力を貸してほしい」と告げるのだった。時を同じくして、街には<デッド・ムーンサーカス>と名乗る謎のサーカス団が現れる。彼らの狙いは、悪夢の化身レムレスをばらまき、「幻の銀水晶」を手に入れて、月と地球を支配し、やがて宇宙までも支配しようと目論んでいた。一方、衛は皆既日食の後から自らの体に異変を感じていたが、うさぎに心配をかけたくない思いから言い出せずにいた……。
“乙女”と呼ばれ、自らを必要としてくれるエリオスに淡い恋心を抱くちびうさ。自分はうさぎの足手まといなのではと苦悩する衛と、自分のせいで衛を危険な目にばかり合わせてしまうと思い悩むうさぎ。そして、戦いの中で次第に露わになる「夢」と「使命」。
―――今、時を超えた壮大な「夢」の物語が幕を開ける。