浅野いにおさん描き下ろし3冊横断カバーに!殉職刑事の宿るあみぐるみが活躍する『アー・ユー・テディ?』第三弾刊行
「ほっこり」を愛し、お気に入りの雑貨を並べたカフェを開くの夢の和子が、代官山のフリマで一目惚れしたクマのあみぐるみには、殉職した刑事の魂が宿っていて…いやおうなしに事件に巻き込まれていくという加藤実秋さんの異色作『アー・ユー・テディ?』(PHP文芸文庫)。シリーズ第三弾となる『マイ・フェア・テディ』が2013年9月17日に刊行され、『ソラニン』『おやすみプンプン』が人気のマンガ家浅野いにおさんが表紙イラストを手がけています。
今回にあわせて、表紙を一新した『アー・ユー・テディ?』シリーズ。三冊並べてみると、ピンクのガーリーなワンピを着た和子に!ところどころに配置されたベアもキュートですが、中身はオヤジなので渋い声なのかも…。
いずれにしても、この作品はもちろんのこと、浅野さんのマンガのファンにとっても並べてみたい仕掛けになっています。
2008年より月刊誌『文蔵』で連載がスタートした『アー・ユー・テディ?』は、これまでの探偵ものとは一風変わったキャラクターとストーリーが目利きの書店員からも支持されており、今回のオビにも推薦メッセージが寄せられています。その奇想天外な設定だけでなく、人間関係を丁寧に描写されているところも、作品が愛される理由の一つといえそう。
最新刊では、イベントで使う着ぐるみを求めて町内会長が和子の開いた雑貨ネットショップ兼探偵事務所に飛び込んでくる「花宵日和」など四篇を収録したオムニバス形式。会話のテンポが小気味よくてサクっと読めるので、この一冊から読み始めるのもアリ。もちろん、3冊横断カバーをきっかけに揃えて一気読みしてしまうというのも面白そうです。