2013年のトレンドは個性派男子!?『FRaU』が選ぶ女子マンガに『にこたま』『姉の結婚』など
講談社のライフスタイル誌『FRaU』の2013年9月号では、「女性による、女性のための本大賞」として「フラウ文芸大賞」「フラウ女子マンガ大賞」を発表。各界の目利きがピックアップした作品を紹介しており、文系女子にとっては気になる内容となっています。
「フラウ文芸大賞」は、書評家の藤田香織さん、コラムニストの山崎まどかさん、フリーライターの瀧井朝世さんに、13名の女子書店員がチョイス。大賞に選ばれたのは村田沙耶香さんの『しろいろの街の、その骨の体温の』(朝日新聞出版)で、受賞者インタビューや自作解説などが掲載されています。
「女子マンガ大賞」の方は、マンガライターの門倉紫麻さん、料理研究家の福田里香さん、マンガ研究家の小田真琴さん、モデルの菊池亜希子さんが選考委員。少女マンガではなく、「大人女子」が読んでも面白いというところがポイントで、提唱者の小田さんによると「過去を重視して重層的に描かれている」という時間の捉え方が違うとのこと。
大賞に選ばれたのは、渡辺ペコさんの『にこたま』(講談社)。同棲中の彼氏の浮気相手が妊娠して…という重い話を淡々と描いている名作で、多くのマンガ好きが納得できる受賞といえそう。
一方、「女の生き方賞」は西炯子さんの『姉の結婚』(小学館)が受賞。アラフォーの図書館司書・ヨリと既婚精神科医・真木との風変わりな恋愛が軸となっていますが、選考委員の面々から物語が妹の留意子視点だと指摘しているあたりの鋭さにうならされます。
この特集によると、女子マンガの三大トレンドとして「個性派男子」「勝負マンガ」「親愛なる物語」をピックアップ。挙がっているのは佐野菜見さんのギャグマンガ『坂本ですが?』(エンターブレイン)や小川彌生さんの『銀盤騎士』(講談社)、河原和音さん原作の『俺物語!!』(集英社)で、確かにどれもキャラが濃いのが特徴。日常的な世界からは離れたストーリーがブレイクの傾向があるのかもしれません。
また、コミックス累計2000万部という大ヒット作『進撃の巨人』も4ページに渡って掲載。作者の諫山創さんのインタビューも掲載されているので、マンガ好きならば男女問わず必見です。
『FRaU』公式サイト
http://frau-web.net/