『こどものおもちゃ』『ご近所物語』の思い出は? カルチャー誌『ROLa』が90年代少女コミックを特集
新潮社が刊行した20代女子をターゲットにした新しいカルチャー誌『ROLa』(ローラ)。創刊号では「恋より楽しいことがある」と題して、アイドル特集を組むなど、これまでの女性向けの雑誌とは一線を画したスタンスで注目を集めました。
2013年10月1日に発売された創刊2号では、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』により国民的な支持を獲得した女優・能年玲奈さんが表紙・グラビアになり、ホンマタカシさん撮影による「東京」をテーマにしたカットを見ることができます。
この号では”「90年代」って女子カルチャー”と題して、マンガやドラマ、J-POPのヒット作品についてフィーチャーした特集が組まれています。
特に少女マンガは、『りぼん』『なかよし』『ちゃお』の人気連載作が網羅されているほか、各雑誌のふろくを集めたページもあり、懐かしさを覚える人も多いはず。
また、『こどものおもちゃ』の作者の小花美穂さんや、『ご近所物語』の矢沢あいさん、『ベイビィ★LOVE』の椎名あゆみさん、『ママレード・ボーイ』の吉住渉さん、『グッドモーニング・コール』の高須賀由枝さん、そして『姫ちゃんのリボン』の水沢めぐみさんが、それぞれの名場面についてのエピソードを語っているのはファン必読です。
さらに、『神風怪盗ジャンヌ』の種村有菜さんのロングインタビューを掲載。連載当時の重圧について率直に語られており、「線がはっきりとしたアニメっぽい絵が好き」という作風が支持された一端が示されているほか、”今までになかったものを描く””少女漫画なりに辻褄を合わせる”といったマンガ家としてのポリシーにも触れているところは、特に作家志望の人は読んでおきたいところ。
ドラマ関連では、『家なき子2』で共演した安達祐実さんと中山エミリさんの同窓会対談や、『ロングバケーション』など数々のヒット作に携わった脚本家の北川悦吏子さんのインタビューが掲載。J-POPでも小室哲哉さんが登場するなど、一冊まるごと90年代カルチャーが詰め込まれた一冊となっています。
特筆すべきなのは、1992年よりフジテレビ系列で放映された子供向けバラエティ『ウゴウゴルーガ』について、EDで関わったピエール瀧さんと総合演出だった福原伸治さんの対談が実現していること。「トラウマですよ」(瀧さん)という異色作の企画書をCGを担当していた田中秀幸さんの自宅で作ったという貴重な証言が連発しており、当時の空気を伝えるという意味でも重要な内容といえるのではないでしょうか。
『ROLa』公式Twitterアカウント
https://twitter.com/Rola_mag