”kawaii”を集めて世界を変える!? 増田セバスチャンさんアートで『ハローキティ』がタイムカプセルに
原宿のショップ『6%DOKIDOKI』を立ち上げ、きゃりーぱみゅぱみゅさんのMV・ライブでの美術など幅広く活躍中の増田セバスチャンさん。2014年にニューヨークで開催した個展が幅広い層にインパクトを与え、アーティストとしての地位も確立しています。
原宿”kawaii”文化をさまざまな形で表現している増田さんが2014年末に発表したパブリックアートプロジェクト『TIME AFTER TIME CAPSULE』(タイムアフタータイムカプセル)。2020年に開催予定の東京オリンピックに向けて、世界中の都市を巻き込んだ参加型のプロジェクトは、既に2014年末にマイアミで開催されていますが、その2つ目の都市としてニューヨークを選択。
それだけでなく、サンリオのキャラクター『ハローキティ』をタイムカプセルとして、多くの人の=思い入れ」を受け入れることになりました。
「Kawaii”の集合体で世界は変えられるのか?」をテーマにした「TAT」。参加者は透明なタイムカプセルに「”kawaii”もの」を納入することができます。
作品は2015年4月29日から9月中旬までの約5ヶ月の間、Japan Societyや国連ビルの近くにある広場”Dag Hammarskjold Plaza”といった街中で展示。現地の人々は、4月末に行われる小学校や専門学校などでのワークショップや5月3日のタイムカプセル納入イベントなどで作品に参加できるとのこと。
増田さんはサンリオの3D映画『くるみ割り人形』の監督を務め、東京国際映画祭でもキティちゃんと一緒にワールドプレミアのレッドカーペットを歩いているように、縁の深い存在。日本だけでなく、世界中で親しまれている存在ということもあり、プロジェクトの注目度も上がるのではないでしょうか。
個展『“Colorful Rebellion” -Seventh nightmare-』で増田さんがテーマに掲げたような、自分だけの小宇宙、個人的で特別な思い入れのあるものを入れることにより、集まった人々や納入されたカラフルな中身、そしてタイムカプセル自体が作品になるという今回の作品。これまで増田さんの表現してきた”kawaii”と、参加者の”kawaii”が合わさることになるという、ソーシャルな要素も含まれたプロジェクトといえるでしょう。
2020年の東京を1つのゴールに見据えた「運動体としてのアート」。そこに世界的にも愛されている『ハローキティ』が介在することにより、どのようなプロジェクトになっていくのか。そのプロセスも含めて気になります。
増田セバスチャンさんコメント
この作品のポイントは「未来をシェアする」ということ。
これは昨年末マイアミで第1回目を開催したときに強烈に感じたことです。
クマ型の透明タイムカプセルはあっという間にカラフルになり、カプセルを先頭にしたパレードまで決行されました。
予想外だったのが、現地の人々がタイムカプセルに物を入れる時の反応です。
『日本に行きたくても行けないから』と10代女性が手作りのアクセサリーを入れ、『自分が1番大事にしているものだよ』と言って30代男性がゲームソフトを入れ、『お兄ちゃんが明日心臓の手術だから、これを2020年に一緒に見たいの』と言って3歳の女の子と祖母が参加する。このプロジェクトが生み出したものに対して、たくさんのことを考えさせられました。ニューヨークのタイムカプセルのモチーフは、国境関係なく活躍するキティちゃんにお願いしています。さらに大学、小学校、専門学校でのワークショップや講演を増やして、より「参加型」(=思い入れ)ということを強化しています。ファッション、アート、カルチャーが好きな人、ふらっと立ち寄って参加する人もいれば、生活状況で会場に来ることが出来ない子供達など、様々な年代の様々な動機の人々が参加してくれるでしょう。
アートをこえて社会を巻き込んでどんどん膨れあがっていくこのプロジェクトは、自分でも予想出来ない未来をもたらすに違いありません。
『TIME AFTER TIME CAPSULE in NY』開催情報
会期: 2015年4月29日〜9月中旬
納入イベント: 5月3日午後1:00〜午後5:00
展示場所: Dag Hammarskjold Plaza
East 47th Street, New York, NY10017 (2nd Avenue)
協力:Dag Hammarskjold Plaza、Japan Society、NYC Parks’、MOSHI MOSHI NIPPON、JAPAN ART CRAFT CO.,LTD
特別協力:SANRIO, INC.
増田セバスチャンさんオフィシャル『Facebook』ページ
https://www.facebook.com/sebastian.m.art