みんな大好き! カレーパンのNo.1を決める「カレーパン総選挙」出場の逸品を食べてみた
“カレーパンの女王”を決める「カレーパン総選挙」!
国民食ともいえるカレーを、ふんわりサクサクの生地で包み込んだカレーパン。愛されるあまり、某アニメ作品のキャラクターともなっておりますが、このカレーパンの傑作が集結し、一般投票によって「女王カレーパン」を決定しようという試みが行われました。
その名も「カレーパン総選挙」。
東京を東西2つのエリアに分け、各エリアに10種類のカレーパンが集合。一般投票者は、自分の“推しメン”ならぬ“推しカレーパン”に一票を投じ、クイーン・オブ・カレーパンを決めようという、サンケイリビング社主催の企画です。
今回は、駒沢大学、代々木八幡、自由が丘、白金台、恵比寿、 四ツ谷、三軒茶屋、参宮橋、中目黒、下北沢のパン屋さんが集まる「東京WEST」エリアの中から、推しカレーパンを決めて投票することにしました。
そのラインナップはこちら!
見てのとおり、色も形もさまざまです。カレーのバリエーションのことばかり考えていましたが、これをカレーパンという一つの言葉で括っていいのか? と思うほど、生地だけとってみても千差万別です。
引き続き、東京WEST のラインナップをご紹介。なんと、700円超えのカレーパンが! そして、表面がイガイガしたパンが集合しています。ザクザクした食感は捨てがたい……。
そして最後を飾るのはこちら。ベーシックな王道カレーパンと、フランスパン生地のカレーパンです。
この中から気になる3つを選び、個人的な一次審査を経て投票することに! 非常に悩みましたが、今回はこの3つに決定!
ホテルのシェフがじっくり仕込んだ高級カレーと、プリプリのエビ3尾が入ったパティスリーSATSUKI(ホテルニューオータニ内)「シュリンプカレーパン」(756円) クルトンをまぶしたザクザクした衣の中に、スパイシーで濃厚なカレーを包み込んだブーランジュリー ラ・セゾン「揚げカレーパン」(173円) そして、フランスパンと同じ長時間熟成生地で仕上げ、しっかりした歯ごたえが楽しめるトラスパレンテ 中目黒店「スペッツェカレー」(240円)
この3つを実際に購入し、個人的な一次審査を行いました!
まずはこちらからいってみましょう。
パティスリーSATSUKI(ホテルニューオータニ内)「シュリンプカレーパン」
パティスリーSATSUKI(ホテルニューオータニ内)「シュリンプカレーパン」(756円)です。
こちらを選定した理由は、このラグジュアリーな価格とコンセプトです。
そして、パンを買いに行く行為自体も魅力的でした。今まで行ったことすらあったかどうか定かでないほど、雲上の存在であるホテルニューオータニの中にショップがあります。「パティスリーSATSUKI」では、このカレーパンのほかにも、500円超の「スーパーメロンパン」など、贅の限りを尽くしたパンが並びます。
購入後、「近くに公園はありますか?」と尋ねたところ、清水谷公園という公園を教えていただけました。
大久保利通に捧げられた石碑のそばに、ベンチを発見。こちらで、かのカレーパンを紐解いてみることにしました。
カレーパンはうやうやしく、白い紙袋に包まれています。
おお! これが700円超のカレーパン!
この中に、エビが3尾いるのですね!
伝統的な、カレーパンマン系の紡錘形をしています。
なんと、ひとくちめでエビに遭遇しました! 右上のオレンジの具は、ブラックタイガーです。
エビはぷりっとむちむち。
生地はしっとり、そして非常にもっちりしています。他には大きめにカットされたきのこも。カレーはクセがなく、トマトの酸味がすっきりと効いたカレーで、少しハヤシソースを思わせる雰囲気ですが、甘ったるさはなく、上品な味わいです。濃厚ながらべとつきがなく、舌触りもすっきりしています。
こちらは自宅に持ち帰り、ナイフでカットしたもの。優しい甘めの生地なのですが、生地だけ食べてみてもカレー風味をしっかり感じることができます。ぎっしりみっちりルーが詰まっている点も嬉しい! 生地のもっちりしたボリュームを感じつつも、最終的には、ルーの印象が記憶に刻まれます。
ブーランジュリー ラ・セゾン「揚げカレーパン」
お次は、ブーランジュリー ラ・セゾン「揚げカレーパン」(173円)にトライ。
まずひとくち食べて感じたのは、カルダモンらしきスパイスの清涼感です。カレーはフルーティで甘さもありますが、スパイシーさもしっかり。スパイスの香りがふんわりと上品に広がります。食べながら想像してみたのですが、たしかにこのルーはごはんよりパンに合う感じ。野菜の粒感も感じました。
こちらは中に空洞があるタイプ。個人的には、カレーパンはこの空洞があるタイプが好きです。上空の生地がカレールーを吸ってしっとりとした食感になっている部分を、目でも舌でも楽しめるので。というわけで、1ポイント加算!
そして何よりの魅力は、やはりこのクルトンでしょう!
見た目はガリガリしていそうにも思えますが、実際に頬張ってみると、ガリガリではなくサクサク。軽めのラスクくらいといった印象です。そして、パン生地部分はフワフワ。生地は必要最小限の甘さに抑えられています。
カレーは目で見る以上に、たっぷり感があります。上品さを保ちながらもパンチがあるルーなので、これだけのボリュームがあるクルトンにも負けず、カレールーでもなく、パンでもなく、まさにカレーパンを食べている! という充実感を味わわせてくれます。
ちなみに、トースター(という名の魚用グリル)で軽くあぶったところ、クルトンの香ばしさと軽やかさが倍増。小麦の香りもふんわりと立ち上りました。
チーズをちょい足ししても美味しいという確信を得ました。
トラスパレンテ 中目黒店「スペッツェカレー」
そして、最後を飾るのはトラスパレンテ 中目黒店「スペッツェカレー」(240円)。
カレーパンの生地といえば、噛みごたえのある生地よりもふんわりした食感のものが主流なので、期待に胸が膨らみます。生地が割れて、カレーがあふれている姿、ぽってりとした丸っこいフォルムがいとおしいカレーパンです。
こちらは先ほどと違って、ブラックペッパーらしき香りを感じるルーでした。そして、ビーフの存在感がすごい。カレーはとてもなめらかな食感で、スパイスの苦みもほんのり効いた大人向けの味わいです。このカレーはパンだけでなく、ごはんにもよく合いそう。こしょうとビーフの香り高いカレーです。パンはもっちりしたソフトなフランスパンで、シンプルな塩味の生地。かなり噛みごたえを感じます! これはナイフでカットせずに、丸のままかぶりつくのが美味しそうです。
カレーが染み込んでしっとりした部分も美味。先に紹介した2つのパンと明らかに違う点は、こちらはルー以上に、生地の存在感が際立っていたという点でした。
トースターで焼くと表面がカリッとして、よりフランスパン風の香りが際立ち、生地の存在感も増します。
マイベストに輝いたのは……
さて、こうして3つのカレーパンを堪能した結果、マイベストに輝いたのは……
ブーランジュリー ラ・セゾン「揚げカレーパン」でした!
決め手となったのは、パン粉をクルトンに置き換えることによって、カレーパンの魅力であるイガイガ&カリカリ感をより強めつつも、新しい食感を生み出しているという点でした。今まで食べてきたノーマルなカレーパンと同じように、カレーと生地の絡み合いの妙を一番強く感じられた点も、高評価のポイントに。さらに、スパイスの上品な香りに最もうっとりさせられたのが、このカレーパンだったからです!
では、いよいよ投票!
3つ食べただけでも競合揃いであることが窺えたこのレース、果たして、推しカレーパンは何位になるのでしょうか……! 公式発表は、こちらの「リビング東京Web」にて、10月22日におこなわれます!
イベント情報
カレーパン総選挙
書いた人:
増山かおり
(ますやま・かおり)1984年、青森県七戸町生まれ。東京都江東区で育ち、早稲田大学第一文学部卒業後、百貨店勤務を経てフリーライターに。『散歩の達人』(交通新聞社)、『LDK』(晋遊舎)、『New Roses Web』(産経デジタル)などで執筆。著書に『JR中央線あるある』(TOブックス)、『高円寺エトアール物語~天狗ガールズ』(HOT WIRE GROOP)。