天使ならぬ“妖精”! 嵐・二宮「フェアリー・かずなりに改名します」名付けたのは吉永小百合
12月12日に全国公開となる映画『母と暮せば』の完成披露試写会が開催され、山田洋次監督と吉永小百合さん、嵐の二宮和也さん、黒木華さん、浅野忠信さん、加藤健一さん、本田望結さんらメインキャストが登壇しました。
吉永さんは素敵な着物姿、二宮さんは濃いグレーのジャケットに黒いネクタイを締めたシックな装いで登場。
この映画は、原爆を落とされた長崎の3年後が舞台。吉永小百合さん演じる伸子の元に、二宮さん演じる原爆で亡くなった息子・浩二が亡霊となって現れる、切ないファンタジー作品です。
山田監督作品に5度めの出演となる吉永さんが、「今回の作品が一番山田監督の迫力があって、ワンカットワンカット、恐いくらいに集中なさっていて、私も緊張しっぱなしでした」と言うほど、緊張感のある現場だった様子。山田監督の現場に初めて参加した二宮さんは、「独特の空気があって、慣れるのに必至でしたね。でもそこは小百合さんと監督、スタッフのみなさんがやわらかくやわらかくやってくださったので、助かりました。ありがたかったですね」とコメント。
そんな二宮さんのことを“一言で言えば天才”と表していた吉永さん。どんなときにそう感じたのか尋ねられると、「監督から難しい注文がでるんですよね。それをひょいと受け止めて、もう次のテストではできちゃう。これは軽やかですし、リズム感がいい。男性ですが、フェアリーのようにパッとその役を演じられると思うんです」と返しました。
愛らしいモノをよく“天使”と表現することがありますが、天使ならぬ“フェアリー(妖精)”だった二宮さん! “フェアリー”と言われ、「即刻“フェアリー・かずなり”に改名しようと思います」と恐縮する笑顔をみせました。
劇中では、浩二の姿は母親の伸子にしか見えない設定なので、2人で撮影するシーンが多かった二宮さん。二宮さんしか知らない吉永さんの姿について聞かれると、「すごくお優しい方で、フェアリー(二宮さん)の情報が毎週毎週更新されていくんです。普通だと今までのお話をすることが多いんですけど、嵐の番組を毎週見てくださり、今週はどうだったとか、情報が更新されていてすごい。さすがだな、と思いましたね」と、吉永さんの気遣いに感動したようです。
そして登壇者に、「亡霊でも会いたい人はいますか?」という質問が投げかけれると、山田監督や吉永さんが、亡くなった妻や父親と身近な人物を挙げたのに対し、すごく悩んだ末に「昔の有名人だったりとか、映画の現場を見てみたいと思いますね。松竹の第1作めの現場とか」と、二宮さんはちょっと変わった回答。なお、本田望結さんは、4年前に自分が生まれた時から飼っていた犬が亡くなってしまったため、その犬に会いたいと答えると、悲しさを思い出したのかボロボロと泣き出す場面も。
また、黒木さんが「フェアリー(二宮)の顔が間近にあるので緊張しちゃいました」と語った、劇中で二宮さんの鼻をつんと指で指す“鼻ツン”が胸キュンシーンだという話に。女性からできる胸キュンしぐさ“鼻ツン”が今後流行る?
山田監督の強い要望でこの日限りのフィルム上映が実現!
現在の映画はほとんどがデジタル上映。山田監督はフィルムとデジタルだと、やはりフィルムの映像のほうが好きだと語り、今回の映画も(日本では製造していないのでアメリカ製の)フィルムを使って撮影。そのフィルムで撮影したものをデジタルに変換して全国の映画館で上映します。
しかし、その1本だけ作ったフィルムを先日観た山田監督は、デジタルに比べてやはり素晴らしいと感じたそう。
「こんなにフィルムっていいんだなぁ、と思って。画もいいし、音も素晴らしいんですよね。その時に今日の上映会のことを気がついて、なんとか今日の上映会はフィルムでできないだろうか、と会社と相談して。大体全国の映画館ではフィルムの映写機は廃棄処分になってしまってないんですけど、幸いこの映画館(丸の内ピカデリー)にはあったわけです。その何年も使っていない映写機を懸命に整備して、今夜は特別にフィルムで上映しようと、結論が出たんです。僕はとても良かったなぁと思ってます」(山田監督)
自分たちですらもうフィルムで観ることはないだろうと、山田監督がコメントしたほど貴重な上映となった、この一夜。なんと当選する倍率は1000倍だったそうです。山田監督の熱い想いがいっぱいに詰まった完成披露試写会となりました。
映画『母と暮せば』公式サイト:
http://hahatokuraseba.jp/