【詳細レポ】松本潤の誕生日を有村架純がお祝い!映画『ナラタージュ』は「とっても苦くて濃密なラブストーリー」
主演に松本潤さん、ヒロインに有村架純さんを起用し、行定勲監督が手がけた映画『ナラタージュ』が10月7日より公開予定。高校教師と生徒として出会った2人が時が経ち再会し許されない恋に落ちる、島本理生先生の同名小説を原作としたラブストーリー。8月23日に完成披露試写会が行われました。
開催されたTOHOシネマズ六本木ヒルズ前では、エントランスの大階段に敷かれたレッドカーペットを歩いた松本さん、有村さん、行定監督の3名。
大階段を上り降りする際、松本さんは有村さんの手をとって紳士的にエスコート!
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松本潤「僕の名前でギャグができるなんて」
また、舞台挨拶では、数日後の8月30日が松本さんの誕生日ということで、壇上で誕生日を祝うサプライズが!
ハッピーバースデーの音楽が流れケーキが登場するサプライズに、マイクに入らない声で「うそ」と言って少し後ろに後ずさりし、たじろいだ表情を浮かべる松本さん。
「いやいや、いいですよ。うわー」と言いつつ、ケーキが『ナラタージュ』と松本さんの名前を合わせた“ナラタージュン”ケーキだと聞くと「ほんとだ、ナラタージュ“ン”になってるわ」とケーキの装飾をを覗き込みます。
「まさかタイトルと僕の名前でギャグができるなんてね」と感想を述べる松本さん。「このタイミングで完成披露が出来て、こうやってご縁があって祝っていただけて嬉しいです、ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えました。
行定監督は、赤いバラが敷き詰められたケーキを見て、「松潤て赤いバラのイメージなんだね」と、なんだか新鮮な印象を受けたよう。
MCが有村さんに松本さんへお祝いメッセージを求めると、松本さんは「すみませんね、おめでとうってだけでいいんで」と恐縮。有村さんは「お誕生日おめでとうございます。34歳も松本さんにとって素敵な一年になるよう願っています」とお祝いの言葉をかけました。
行定監督も「松潤おめでとう。34歳ですけど、本当にもう大人のカッコイイ男だと思っているので、これからもカッコイイ松潤でいてくれればいいと思っています」とお祝いしました。
松本さんは、34歳の目標を聞かれると、「目標!? そうですね、ぜひこの映画がたくさんの方に観ていただけたらと思います。それに尽きます」としっかりアピール。
ケーキと一緒にフォトセッションになると、スタッフが“ナラタージュン”の“ン”の装飾をケーキから抜き取ってスタンバイ。その様子を見た松本さんは、「あ、ジュンの“ン”は抜くんですか!? なんでですか!」と反応するも「そりゃそうだ(笑)」と納得し、「ハピバーな笑顔で」の要求に応えて笑顔で撮影に対応していました。
リスクが高い部分もある 2人が受け入れてくれた
松本さんが演じるのは、高校の社会科教師、演劇部の顧問で、ある過去の出来事によって逃れられない過去を背負っている主人公・葉山貴司。有村さんは、高校在学中に葉山と出会い、卒業後再会し、全身全霊で彼を愛するようになる演劇部の元生徒・工藤泉を演じます。
松本:去年の夏に撮っていた作品がこうやって皆様に観ていていただけるようになり、とてもワクワクしております。
有村:本当に一年前の夏、『ナラタージュ』という世界の中に居られたことが今はとても誇りに思います。当時は23歳でしたが大人の恋愛というものを23歳で演じられたことは、きっと私にとって一生忘れない出来事だと思っています。
行定監督:この映画は約12年くらい前に最初に企画を映画会社からいただいて、出会った作品です。そのときに非常に赤裸々な少女から大人に変わっていく少女、そして謎の先生。その存在の不確かさを、ときにエロスでときには死を感じさせる物語で、重厚に描かれた島本理生さんの小説でした。
昨今、あまりこういった恋愛劇が映画化されないような状況になってきている気がして、どうしてもこれをやりたいとずっと思い続けていたのですが、10年かかったんですね。キャストがうまくハマらなかったというのがあって。
10年経ってここにいる2人と出会えました。ここにいるのはある種リスクの高い部分もあると思うんですけど、2人とも一緒に作ってくれることを受け入れてくれて、今日が迎えられていると思っています。
2時間20分あるんですけど、あっという間だと思います。濃密な時間を楽しんでいただければと思います。
いつもとは違う、初めて見る松本潤
――出演が決まった時の気持ちをお聞かせください。
松本:行定監督の作品でお声がけいただけてすごく嬉しかったです。以前、一度プライベートでお会いしたことがあって、そのときに「いつか面白い作品があったときにやれたらいいね」と言ってくださったのを(出演が決まったとき)思い出して。本当に声をかけてくださったんだなと思ってすごく嬉しかったのを覚えています。
同時に、台本をいただいたときに戸惑いもありました。というのは、葉山の人物描写があまりにも少ない台本だったので、どういう風に演じるのかが、台本を読む限りでは意図があまりわからなかったので、監督とプロデューサーの小川さんにお会いさせてもらって、そこで「葉山はこういう人物にしたいんだ」と言ってくださった言葉がすごく素敵な言葉で。その言葉を聞いたときに同時に楽しみになり、やらせていただけたことを嬉しく思います。
――良い意味で初めて見る松本さんでした。
行定監督:今日とは明らかに違うよね。今日さっき会ったときに声かけずらかったもん(笑)。嵐の松潤がいるよ、と思って。葉山先生は僕にとってはもっと親近感のある……。
松本:僕が親近感ないみたいなのやめてくださいよ(笑)。
行定監督:いや、ありますよ(笑)。でも今日とは明らかに違う。
――有村さんは出演が決まったときはどう思われましたか?
有村:松本さんもおっしゃったように、行定監督とご一緒できるんだってことにすごく感激して、それから行定さんが作る大人の純愛ストーリーがどのように展開していくんだろうって楽しみもあり、とっても難しい役でもあったので、クランクインするまでは緊張してましたね。
現場に入ってからは気は抜けなかったですけど、肩の力は抜けたと思います。
――監督は『ナラタージュ』という原作のどんなところに惹かれたんでしょうか?
行定監督:恋愛は非常に曖昧なもので、実際に(恋愛している人は)どの程度激しい感情に絡め取られているのかっていうのはあんまりわからないものなんだろうなってことが、非常に克明に描かれているんですね。
先生と元生徒なので、関係性としては抑圧している関係なんです。その中で感情の揺れ動きが彼女の方にはものすごくあって、先生はずっと謎なんですよ。
この2つを映像化するというのは、共感をたくさん得られるんじゃないかと。恋愛のやり方とか、今まで数々の恋愛をしてきた人とか、恋愛をそこまでしていない人では見方が変わってくる映画になるなとは思ったんですけど、それぞれの生活の中で、一番感情が揺り動かされるのは恋愛だと思うので。
かつて日本映画がたくさん作っていた堂々とした恋愛劇というのはたくさんあって、成瀬巳喜男監督の映画とか、そういう映画に近いものが作れたらいいなと思った。それがこの小説だったらできるなと思って。ずっとこう粘って、なんとか制作に近づけたという感じです。
――昨年夏に富山でほぼ撮影されたということですが、思い出に残っていることはありますか?
松本:ワンシーン、ワンシーン丁寧に撮影できた印象です。富山で撮影を出来たことで、画のオリジナリティーというか、独特な世界観が広かっていると思いますし、富山の僕らが撮影させてもらった場所じゃないと成立しない画や状況がたくさんあると思います。特にラストシーンはそうですし、行けてよかったなと思います。そこで演じられたからこそ出た空気というのがたくさんあると思いますね。
有村:この世界観と富山のロケ地が本当に合っていて、観てもらうとわかるんですけど、登場人物の衣装とかもちょっとノスタルジックな雰囲気で作品に力を添えています。富山の廃校をお借りして撮影したり、海辺とかラストのシーンだったり、本当にベストマッチな場所がたくさんあったと思います。
――心情を表すような雨模様も多かったですが、雨のシーンは大変ではなかったですか?
松本:雨のシーンは多かったですね。印象的なシーンは雨が降っているところが本当に多いので、撮影も大変ではあったんですけど、逆にこう行定組がぐっとまとまるシーンにもなっているので、良い現場だなと思って撮影していました。
主題歌はRADWIMPS作詞作曲
この日解禁になった予告編で主題歌が初解禁。RADWIMPSの野田洋次郎さんが作品に共鳴して作詞作曲し、謎の歌手・adieu(アデュー)さんが歌っている主題歌『ナラタージュ』。adieuさんは都内高校に通う17才の女子高校生らしいのですが、そのプロフィールはベールに包まれています。
松本:試写で観せていただいたときに初めて曲を聴いたんですが、登場人物もそうですし、観終わったみなさんの心をそっと包んでくれるような、そんな温かみのある素敵な曲になっていると思います。
有村:adieuさんの歌声が本当に泉の気持ちをすごく表してくださっているというか……。なんか儚くてもろいんだけど、でも力強さも感じるような歌声で、エンディングで聴いたときに思わずうるっときてしまう感じだったので、感激しました。
行定監督:実は3曲書いてくれたんですよ。野田くんは映画の最後にお客さんに何を思ってもらえるかということで、3曲くらいもらった最後に「これだ!」っていうのが出てきて。やっぱりそれは素晴らしかったですね。なんだろう、やっぱりあの人は天才なんですかね。
で、これ歌は誰が歌っているんでしょうね? adieuってフランス語で「さよなら」って意味ですね。(有村)架純ちゃんじゃないの?
有村:違います。
行定監督:松潤じゃないよね?(笑)
松本:違いますね(笑)。
行定監督:松潤がいくらいじってもこの声にはならないよね(笑)。いろいろ憶測が飛んでるんですけど、すごく素直な声でいいなと思いますね。
映画を邪魔する主題歌ってたまにあるんですけど(笑)。これはそうじゃない、本当に寄り添ってもらってる。タイトルも『ナラタージュ』ですからね、そういう気持ちで持ち帰ってもらえるといいなと思います。
とっても苦くてとっても濃密なラブストーリー
行定監督:作品を観ていただければわかるように、俳優たちの表情、仕草佇まい、それが印象に残る映画になったと思います。恋愛という男と女のどうしようもなさが全編的には描かれている作品です。それぞれが本当に経験してきた恋愛を振り返りながら、この映画を楽しんでいただければと思います。
有村:愛するカタチというのはそれぞれあると思います。共感できる・共感できない、というよりも、観終わった後に大切な人を思い出してくれたり、大好きな人を思い出してくださったらとても嬉しいです。
松本:昨年の夏に心血注いで作った、参加させていただいた作品です。とっても素敵でとっても苦くてとっても濃密なラブストーリーが出来上がりました。たくさんの人に長く愛される作品になったらいいなと思っています。最後まで観て頂けたら必ず何か伝わるものがあるんじゃないかなと思います。ぜひ楽しんでください。今日はどうもありがとうございました。
『ナラタージュ』10月7日(土)全国ロードショー
公式サイト:
http://www.narratage.com/
(C)2017「ナラタージュ」製作委員会