「オチがぶっとんでいる」 赤い糸が見えて逆に付き合いづらくなった男女のマンガが哲学的な余韻
『週刊少年サンデー』(小学館)で『ポンコツちゃん検証中』を連載中の福地翼先生(@fukuchi_tsubasa)が、短編集『ご機嫌ナナメの吉岡さん』収録のマンガ『令和の恋』を「めっちゃ付き合いたい2人」としてTwitterに公開。後輩女子のことが好きだけど、とある理由で付き合うことを躊躇う先輩男子のストーリーの不思議な余韻に「オチがぶっとんでいる」「気になるラスト」といった声が上がっています。
めっちゃ付き合いたい2人 pic.twitter.com/e7SRZNqrd4
— 福地翼@短編集発売中 (@fukuchi_tsubasa) March 31, 2021
「なんスか、先輩」と不機嫌そうに睨めつける後輩女子に、「いや、やっぱカワイイなーと思って」という先輩女子。実は入社してきた時に一目惚れしていて「できたら付き合いたいと思っている」といいます。「またスか? ほら、赤い糸もバッチシ繋がっちゃってるんスから」と小指に繋がった糸を目にして「私はウェルカムですよ」という後輩女子に、「いや、それなんだよなー」と答える先輩男子。「スゲー時代になったよな。令和になったら急に糸見えてびくったもんな」「まあ、令和ッスからねー」と肩を並べて歩きます。
先輩男子が引っかかっているのは……。「でもこれでくっついたら『まんまと』って感じじゃん?」「まんまと付き合っちゃいましょうよ」「神的な?奴の思惑通りっつーか…」「いいじゃないスか」「『私がくっつけました』的な実績、勝手に作られる、っつーか」「何スかそれ」「あー、糸が見える前に告っときゃよかったなー」「じゃあ付き合わないってことッスか?」「いや、めっちゃ付き合いたい」と断言されて、「アホなんスか?」とバッサリ切った後輩女子。「糸見えてからくっついてないのウチらくらいっすよ? もうあちこちでつがい爆誕ですよ。正直しんぼーたまらんス」と文句を言います。
「先輩付き合っちゃいましょーよー」「うーん」と後輩女子に腕をギュッとされる先輩男子。実は日本の少子化を食い止めるため、令和になって『赤い糸政策』により赤い糸の情報が可視化されているのですが、個人情報保護法の観点から、国の政策であることが伏せられているのでした。サッカー少年の赤い糸は、遥か空高く伸びていて、「未来は何と繋がっているのだろう」と結ばれています。
福地先生によると、「自分で自分にお題を課して描いていた時期があって、そのお題が『赤い糸』だったと記憶しています」というこの作品。「ベタなお題から、なんとか意外なオチに持っていけないかなと、いろいろ模索していたんだと思います(笑)」と語ります。
「こんな赤い糸、自分には見えない!」といった声もあったこのマンガですが、福地先生は「僕は赤い糸がもし見えるならみんな誰かと繋がっていて欲しいなと思ってます。こんなご時世ですので、直接会えないまでも『この糸の先に大切な人がいる』というのが日々の活力に繋がるかな、と」と話します。一方で、思わせぶりなラストに「オチに希望を込めたつもりだったんですが、意外と『ホラー?怖い!』という意見が当時あって『そう取るかー、面白いなー』となんか笑ってしまいました」と振り返ってくれました。
2021年3月19日にAmazon Kindleなどで配信された『ご機嫌ナナメの吉岡さん』には、この『令和の恋』など30本ほどが収録されています。福地先生によると「通勤通学のお供にサクッと読んで頂きたいです。皆さんの日常が一日も早く戻ることを祈りつつ、それまでの繋ぎに使って頂けますと幸いです!」とのことなので、ちょっとしたスパイスで味付けされたラブコメにビビっと来るという人には特にオススメです。
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※画像はTwitterより
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