思わず守りたくなっちゃう“困り顔”ニューフェイスが登場! 映画『あの日の声を探して』
2011年、白黒無声映画『アーティスト』でアカデミー賞作品賞、監督賞ほか全5部門を受賞し、その才能を全世界に知られることになったミシェル・アザナヴィシウス監督。新作映画『あの日の声を探して』が4月24日より公開となります。
『アーティスト』でのアカデミー賞助演女優賞ノミネートなど、実力派女優のベレニス・ベジョがミシェル監督と再タッグ、同じく『キッズ・オールライト』などでアカデミー賞ノミネートのアネット・ベニングなど実力派が揃う中、主人公の少年ハジはオーディションで選んだ素人のチェチェンの少年。
両親を亡くし、失意の中で声までも失うが生きることは決してあきらめない、切なくもピュアな少年を堂々と演じきっています。また、全編手持ちカメラでグルジアロケを敢行し、徹底したリアリティを追求。“私が監督として立ちたい場所にある作品。”という監督の力強い意思が感じられる衝撃の映像は、観る者の魂をゆさぶる、涙なくしてはみられない感動作です。
AKB48のばるること島崎遥香を筆頭に、思わず守ってあげたくなるような表情、八の字に下がった眉、その困った顔が可愛いと女子の間でブームとなっている困り顔。最近では大阪の海遊館で水槽デビューを飾ったゴマフアザラシのシゲ君が困り顔をしていると一躍大人気となっています。
映画界の困り顔と言えば、『シックス・センス』のハーレイ・ジョエル・オスメント君を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、本作の主人公、9歳の少年ハジもまったく負けていません。その心細そうな表情、彼のもつ究極の八の字眉に、庇護欲を掻き立てられない大人は一人としていないはず。劇中でもEU職員のキャロルが、その困り顔に遭遇、ほっとくことができなくなり、手を差し伸べることになります。
今回ハジを演じたのは、数百人ものオーディションから見事主役に選ばれたチェチェン出身の素人の少年アブドゥル・カリム・ママツイエフ。演技が初挑戦ながらも、迫真の力で恐怖を演じ、涙を流すという彼の生まれもった演技力でミシェル監督を虜にし、現場でみせる腕白で明るいアブドゥル・カリムの姿に、ベレニス・ベジョやアネット・ベニングも夢中になったといいます。
また、劇中だけでなく撮影中も、この生まれ持った困り顔を活用していたというアブドゥル・カリム。ベレニス・ベジョは、「何度も演じさせられ疲れてしまったアブドゥル・カリムは、悲しそうな子供の眼差しで「ミシェル、またなの?」と訴えかけるの。でも、ミシェルには通じなかったわね(笑)そう言われて、使命を帯びた兵士のように撮影を続けるのよ。彼のことをとても誇らしく思うわ」と当時のエピソードを明かしています。
本作は1948年にアカデミー賞4部門ノミネートされたフレッド・ジンネマン監督『山河遥かなり』から着想を得て製作したというだけあって、物語の見応えも十分。アブドゥル君の困り顔にも注目を!
『あの日の声を探して』ストーリー
1999年、チェチェンに暮らす9歳のハジは、両親を銃殺されたショックで声を失ってしまう。姉も殺されたと思い、まだ赤ん坊の弟を見知らぬ人の家の前に捨て、一人放浪するハジ。彼のような子供さえも、ロシア軍は容赦なく攻撃していた。ロシア軍から逃げ、街へたどり着いたハジは、フランスから調査に来たEU職員のキャロルに拾われる。自分の手では何も世界を変えられないと知ったキャロルは、せめて目の前の小さな命を守りたいと願い始める。ハジがどうしても伝えたかったこととは?生き別れた姉弟と再び会うことができるのか?
(c) La Petite Reine / La Classe Américaine / Roger Arpajou