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Nov 07 2024

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【シネマ部】パン屋主人の妄想ぶりが可笑しい 人妻役ジェマ・アータートンが妖艶な『ボヴァリー夫人とパン屋』

『ボヴァリー夫人』といえば、女主人公が不倫や借金の末に自殺するまでを精緻な筆致で描いたギュスターヴ・フローベール(1821-1880)の代表作。そんな“ボヴァリー夫人”そっくりな境遇の女性が目の前に登場したら……という、いかにもフランスらしいコメディ映画が『ボヴァリー夫人とパン屋』が、2015年7月上旬にシネスイッチ銀座ほか全国でロードショーされることになり、既に予告編が公開されています。

『ボヴァリー夫人とパン屋』劇場予告編 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=dxMXXPWpBQA [リンク]

本作では、『007 慰めの報酬』(2008)でボンド・ガールに選ばれ、ディズニー配給の『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』(2010)で神秘的でわがままなタミーナ王女役を好演したジェマ・アータートンが、イギリスから美しいノルマンディーの村に引っ越してきたボヴァリー夫人を演じています。ジェマが扮するボヴァリー夫人は、まるで小説のように若い青年に心を奪われていくのですが、パンの香りを嗅ぐ表情や口にする仕草が妖艶で、その魅力が存分に発揮されています。

一方、文学好きのパン屋・マルタンを演じるのは、セザール賞に6回ノミネートされている名優ファブリス・ルキーニ。ボヴァリー夫人が、小説そのままのストーリーをなぞるのを観察し続け、「このままでは自殺してしまう!」と妄想にかられて追いかけていく様子をエスプリを効かせて演じており、時折観客に向けて語りかける口調は、『ラ・フォンテーヌ』などの朗読でも成功を収めている彼ならではで、まさに適役といえるのではないでしょうか。

上質でユーモラスなフランス映画の芳香を予告編から感じさせる『ボヴァリー夫人とパン屋』。日常、近所の住人に感じてしまうちょっとした妄想を抱いてしまう……なんて人は、観てみるといいかも?

『ボヴァリー夫人とパン屋』

監督:アンヌ・フォンテーヌ 『ドライ・クリーニング』『ココ・アヴァン・シャネル』 
原作:ポージー・シモンズ 
脚本:パスカル・ボニゼール、アンヌ・フォンテーヌ 
音楽:ブリュノ・クーレ 『オーシャンズ』『コーラス』
出演:ファブリス・ルキーニ 『屋根裏部屋のマリアたち』『危険なプロット』、
   ジェマ・アータートン 『アンコール!!』
   ジェイソン・フレミング 『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、
   ニール・シュナイダー 『マイ・マザー』

2014年/フランス映画/カラー/99分/原題:Gemma Bovery
配給:コムストック・グループ 配給協力:クロックワークス

映画『ボヴァリー夫人とパン屋』公式サイト
http://www.boverytopanya.com/ [リンク]

(c)2014 – Albertine Productions – Ciné-@ – Gaumont – Cinéfrance 1888 – France 2 Cinéma – British Film Institute

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記者プロフィール

ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営。ネット、メディア、カルチャー情報を中心に各媒体にいろいろ書いています。好物はホットケーキとプリンと女性ファッション誌。

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