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Aug 21 2019

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「人の痛みが分かる人は優しい」アニメ『さらざんまい』村瀬歩&堀江瞬インタビュー “つながり”をテーマに深いトークを展開


『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』など数々のヒット作を生み出している幾原邦彦監督のオリジナルTVアニメ最新作『さらざんまい』が本日4月11日よりノイタミナ枠で放送スタート。

幾原監督ならではの世界観に彩られた浅草の街を舞台に、カッパに変身した少年たちがゾンビと戦う、“つながり”がテーマの物語という、謎の多い本作。

先日3月24日に開催されたAnimeJapan2019のステージで、内山昂輝さんが「まだ言えない隠し玉が作品に隠されています」とコメントしたようにネタバレ事項も多い作品のようですが、メインキャラクターを演じる矢逆一稀(やさかかずき)役:村瀬歩さんと陣内燕太(じんないえんた)役:堀江瞬さんに、作品の見どころなどお話を伺いました。

今作に参加して得た意外な“つながり”、さらに2人の闇の部分など、様々な感情が入り交じる本作ならではのディープなトークが繰り広げられました。

キャストみんなも幾原監督の世界にのまれていった

――それぞれご自身のキャラクターをどう捉えて演じたか教えてください。

村瀬:一稀は自己肯定感も強くなく自罰的な性格で、過去のとあるトラウマから他の人とあまり関わらないように生きていこうとしています。人と関わりたい気持ちも多少あるけど、それを否定して生きているという感じの子です。話が進むにつれて徐々に他の人との関係が変わっていくので、そこに素直に気持ちを乗せていこうと思いました。

堀江:燕太はかつて一稀と2人でゴールデンコンビとしてサッカーをやっていたんですけど、ある理由をきっかけに一稀がサッカーをやめてしまった。そこから一稀との繋がりがなくなって、それでもまた一緒にサッカーをやりたいとやきもきしている男の子です。すごく友達思いだし、作中に登場する困っている人たち1人1人に燕太は向き合う。その人達と向き合って行く中で燕太自身も成長していくのを毎週台本を読みながら感じていました。第1話の時は人間として未熟な部分を感じるところも多かったんですけど、最終回まで録った後に振り返ると、燕太はすごく成長したなと感じます。思春期の吸収の大きさや、心の成長など振り幅を感じさせる男の子でした。

――アフレコは昨年の秋頃にはすべて録り終えていたとお聞きしています。

堀江:途中で1回アフレコの期間が空いたんです。でも僕は、空いたおかげで自分の中で感情を整理して声を当てることができました。しかも、内容の分かれ目としてもちょうどいい6話という区切りだったので、第1部、第2部みたいな気持ちで演じることができて良かったです。

村瀬:たしかにね。

――第1話は画もある程度出来上がっていたとのことですが、その映像を観ていかがでしたか?

村瀬:台本だけだと、結構わからない情報が多かったので、映像を観て「ああ、こういうことなんだ」と発見することが多かったです。

堀江:僕は、映像を観ても「?」が浮かぶところがあったので(笑)、そこは監督に自分の考え方で合っているのか聞いたりしていました。僕は幾原監督の過去作品は観ていましたが、村瀬さんほど幾原イズムに昇華しきれていない部分があったので、第1話などは質問することが多かったんですけど、後半になるにつれて、キャスト陣からの質問は少なくなっていって。

村瀬:スムーズになっていったよね。

堀江:それだけみんなも幾原監督の世界にのまれていったのかなと思いました。

――村瀬さんは元々幾原監督作品のファンということですが、幾原監督らしいなと思った部分は?

村瀬:ネタバレになってしまうのであまり話せないんですけど(笑)、幾原監督作品を好きな人だったら、「運命」とか「自己犠牲」などピンとくる人がいるんじゃないかと思います。でも、そういうテーマを持って観ていていても、今回の作品は「そうくるんだ!」と発見があったり、意外な点が結構あるので、そういったところも含めて面白かったですね。

――私も台本を拝見しましたが、幾原監督らしい映像が浮かび上がるような説明がト書き部分に書かれていたり、完成映像が楽しみになりました。

村瀬:尻子玉を抜かれるシーンはアフレコ時に映像として観ることができたんですけど、すごく独特なヌメヌメした動きをしていて、こだわりがあるんだなと思いました。

堀江:あれを初めて観る視聴者の方がどう感じたか知りたいです(笑)。

――文字だけではまったく想像が出来ないので楽しみです。では、アフレコ現場の印象を教えてください。

村瀬:毎回浅草にちなんだお菓子が用意されていて、どれも美味しかったです。バターロールがめちゃくちゃ美味しかった。ちょっとブランデーっぽい香りがする少し大人のバタークリームがとても美味しかったですね。

堀江:僕は自分の誕生日に近いタイミングでアフレコがあったときに、監督から誕生日プレゼントをいただいたのが嬉しかったです。高級そうな喉に良い蜂蜜をいただいて、「あ、好き」ってなりました(笑)。今回の作品で会うまで、監督を人間っぽくない人だと想像していて。未知の部分が多くて、怖そうな人という印象だったんです。

村瀬:監督は面白いよね。オン・オフがハッキリしているから、アフレコスタジオに居る時は、監督のオンステージみたいな感じじゃん?

堀江:本当に無邪気(笑)!

村瀬:子どもの部分と大人の部分がすごくハッキリしている人です。……あっ! そういえば、僕は監督から『少女革命ウテナ』の漫画をもらったんですよ。

堀江:そうなんですか!?

村瀬:さいとうちほさんと共同でやっているウテナのその後を描いた作品が発売されたので買おうと思っていたら、監督が「これあげる」とくれて。「いいんですか!? サインください!」と頼んでサインも書いていただきました。すごく嬉しかったですね。

堀江:すごい!!

村瀬:でも、もったいなくて飾ってある。全然読めない(笑)! 1回読んで、何回も読み返したくなる作品だったんですが、あまり触らないでおこうって(笑)。

堀江:確かにそれは触れないな~(笑)。観賞用ですね。

『さらざんまい』で得た意外な“つながり”「一緒に欅坂46のライブに……」

――他のキャストさんと交流はありましたか?

村瀬:『さらざんまい』がきっかけで、(まだキャスト発表がされていない)“ある人”とすごく仲良くなって。意外な発見だったんですけど、幾原監督と僕は言語が似ているというか、使う言葉だったりお芝居の感覚的な共有の部分がとても似ていて。その人とは、人間的なところが意外と似ているなと発見だったんです。

堀江:ええ!!

村瀬:すごくシンパシーを感じて、「なんか似てますね」と話したら、向こうも「似てるね」と返してくださって。何回かご飯に行ったり、一緒に飲み歩いたりしたという話を諏訪部さんにしたら、「なんかその光景は親分と手下みたいだね」と言われて(笑)。たしかに下っ端とボスみたいな感じに見えるだろうなと思いました。

――堀江さんから見て村瀬さんとその方が似ていると現場で感じました?

堀江:もちろんお話されているところは見かけましたけど、そんな心の奥底の部分でシンパシーを感じているなんて知らなかったです。客観的に見て、正反対とまではいかないですけど、全然違うフィールドにいるお二人だなという印象があったので、今のお話を聞いてすごく意外でした。

村瀬:そうだよね。僕も意外(笑)。これまでもその人と一緒にお仕事をする機会はあったんですけど、世間話くらいだったので。僕は、「ジンクスを決めてそれを1か月守ってみよう」とか、自分ブームがあるんですけど、ちょうど『さらざんまい』の収録が始まったくらいの時が、「全然行ったことない人と一緒に飲みに行こう」というブームで、「飲みに行きましょう!」と行ってみたら、意気投合してビックリ!みたいな。不思議~。

――何について話されるんですか?

村瀬:芝居の話もしますけど、音楽の話もするし、本当に話題に事欠かないんです。世代は違うんですけど、意外と好きな曲が似ていて。僕は欅坂46さんが好きなんですけど、その人も好きだと言っていて、一緒にライブを観に行ったり。

堀江:え~!!  お二人が欅坂46のライブで一緒にサイリウムを振っている光景が全然想像つかない(笑)。

村瀬:なんか不思議な繋がりを得ました(笑)。

――堀江さんはキャストさんと何か繋がりを感じたことはありましたか?

堀江:バンド「少女式ヱリス」の帝子さんがこの作品で初めて声優に挑戦されているんですけど、僕が聴く音楽がサブカルっぽいものや暗めの曲を聴くことが多いという話をポロッとしたら、「私そのフィールドで歌を歌っているんです」という話になって。お互い聴いている音楽の話をしたら、散々自分の中で淘汰されてきた音楽の趣味が完全に帝子さんと一致していたのでとても嬉しかったですし、貰ったヱリスのCDも完全に自分の趣味とマッチしていました。

村瀬:人間性が似ているとは思わないけど、(堀江さんと帝子さんは)波長が会う感じのタイプだよね。俺は比較的根明(ネアカ)なんだけど、根暗の人はいろんな種類があるじゃん。自分の内に籠もっているけど人に関わりたい人と、そうじゃなくて籠もって人と関わりたくもない人とか、結構細分化されるけど、そのバイオリズムが似てるなと思った。帝子さんは人とグイグイ関わるのが好きだけど、「でも根暗なのかな?」と、いろいろ考えさせられました。

――では、堀江さんは人と関わっていきたい派なんですか?

堀江:……(思案)。

村瀬:グイッと来られたら、間口は開くけど自分からは行かないよね。

堀江:最もめんどくさいと言われるタイプです(笑)。

村瀬:でもそういう人はやっぱり優しいよね、人を傷つけることをあまりしないから。逆に完全に閉じちゃっている人って「寄らないで」と拒絶するから、それで人を傷つけちゃったりもするし。人の痛みが分かる人は優しい。

堀江:……! 僕、生きてていいんだ!!

村瀬:え!? 今の流れ、そんな話じゃないでしょ(笑)。

堀江:僕はよく思うんですけど、村瀬さんは人を褒めるのがすごく上手で、救い上げるというか、当たり前のようにナチュラルに言ってくださるので、もう本当に大好きです! 天才だと思う。

村瀬:恥ずかしいな。でも、ウソはつかないからね。ウソを言うと後ろめたい気持ちになるから(笑)。

まず第6話まで観てほしい! 前半の大きな締めくくりになる

――今作はキャラクターそれぞれが秘密や闇を抱えている作品ですが、お互いに対して闇を感じた瞬間は?

村瀬:(堀江さんは)さっきの「生きてていいんだ!」発言です(笑)。僕はそんな風に思ったこと1回もない。自分はなったことないけど、「死にたい」は、自分が生きていることを自覚していて、それだけショックなことがあって死んでしまいたいという方向の気持ちなわけじゃん? でも「生きてていいんだ」は、常に自分を否定的に捉えているから、なんかすごい闇を感じる言葉だなと思った(笑)。その感覚が不思議!

堀江:正直、この作品を通して一稀の気持ちがすごくわかるんです。一回燕太から離れて客観的に見た時に、一番シンパシーを感じるというか、好きになるキャラクターが一稀で。一稀ってすごく面倒くさいんですけど、自分の中に同じものを感じるところはある。

――堀江さんは、根明とおっしゃっている村瀬さんに闇を感じた瞬間はありますか?

堀江:うーん、ないですねぇ。

村瀬:この作品にはでてらっしゃらないですけど、声優の柿原徹也さんにはエキセントリックとか言われて(笑)。

堀江:あ~、でもエキセントリックとは思わないですけど、例えば物が1つあったときに、僕みたいな凡人が1で捉えることを村瀬さんは10で捉えられると思います。それがエキセントリックと言われてしまう理由なのかもしれないですね。そういう人って多くの感覚をもっていそうなので、柿原さんはそういうところを感じ取っているのかもしれないです(笑)。

――最後にアニメを観てくださる方に見どころとメッセージをお願いします。

村瀬:この作品はいろんなテーマがあって人間関係も複雑に関わってくるんですけど、根本にあるものは「人と人との繋がりってどういうことだろう」とか、今SNSなどのツールで簡単に人と繋がれた気持ちになるけれど、それで本当に自分が満たされているのか、とか、いろいろなことを自分自身に問われているような作品だと思います。まずは6話までぜひ観ていただきたいです。物語の中に第1部、第2部があるとしたら、6話が大きな第1部の締めくくり的なところになるので、6話まで観ていただけたら、かなり作品へハマる度合いが高くなるんじゃないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

堀江:参加させていただいた自分自身も、毎週毎週、驚きと感動と本当にいろんな感情を揺さぶられるような作品でした。もうすごすぎて笑えてきたりとか、本当にいろんな相反する感情と表情があって、観る側も感情をどこに持っていけばいいのか、目まぐるしく変わっていく内容になっていますので、最終回までぜひ完走していただきたいです。出ているキャスト陣のお芝居も本当に素晴らしくて、一緒の空間でお芝居が出来ていることに幸せを感じながら毎週のぞんでいたので、みんなで作り上げたものをオンエアで観ていただいて、『さらざんまい』を好きになってもらえたらなと思います。

――ありがとうございました!

TVアニメ『さらざんまい』フジテレビ“ノイタミナ”にて4月11日(木)24時55分より放送開始!
アニマックスほか各局でも放送
※放送日時は変更となる場合がございます。

アニメ公式HP:
http://sarazanmai.com[リンク]

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