「いろいろな感情がごちゃ混ぜに」「予想外の展開」 マンガ『新人小説家と遊女の話』の意味深ラストに想像と願望渦巻く
Twitterで『宇宙人の彼氏』シリーズなどの創作マンガを発表しているはやり8まいさん(@ha8ri8mai)が、『新人小説家と遊女の話』を公開。「刺さる」「心臓にきた」「予想外の展開だった」といった反応が集まっています。
ハッピーエンドかバッドエンドはあなた次第
【創作漫画】新人小説家と遊女の話1/4#創作漫画 pic.twitter.com/dfrrIZaKnd— はやり8まい(創作漫画を描いてる会社員) (@ha8ri8mai) November 29, 2020
【創作漫画】新人小説家と遊女の話3/4 pic.twitter.com/q2oc1TS32K
— はやり8まい(創作漫画を描いてる会社員) (@ha8ri8mai) November 29, 2020
駆け出し作家の横溝先生。編集者から「全然酒が進んでないやないですか~」と指摘されて言いよどみ、「えらい緊張して…もしかして先生女性の経験はあんまりですか?」とズバリと聞かれて咳き込んでいるところに、「失礼します…」と現れたのが、遊女の雪乃。
「も…ものすごい美女や…」と思う先生に、「えーっ!連載ってもしかして小説家!?色んなお客相手にしてきたけど、小説家の先生のお相手は初めてやわー♡」と言う雪乃を見て、編集者はそそくさと帰ってしまい……。「ほんまは初回は顔見せだけって決まりなんやけど…先生可愛い顔してるし…特別やで?」と床入りへとリードされます。
接吻に「あかん…流される…」と思いますが、「きっ、君は俺の事好きなんか!?」と訊き、「俺は俺のこと好きでもない女の子を抱く事なんか出来ひん!」と言うと、雪乃は吹き出して……。
「あははっ!馬鹿みたい!」と笑う雪乃。「…なら私と先生は一生交わる事はないなぁ」といい、「私は誰の事も好きにならへん…」と袖で口元を隠し目を細めた姿に、先生は「そんな心底くだらんもん見るような目で…」と思い、「好きや…」とキュンとしてしまいます。
それから毎日、雪乃の元へと通った先生ですが、お金が尽きてしまい……。数カ月後、ようやく原稿料が入って「あのぉ…」と訪れると……。
「雪乃ちゃんは?」と訊くと、「それが先生が来ん間、体調崩してしもて療養中なんよ…」と会えず。「雪乃ちゃん、大丈夫なんやろか…」と道を歩くと、聞き覚えのある歌声が。
「雪乃ちゃん!?」「…先生!?」と格子越しに話すふたり。「雪乃ちゃん!身体大丈夫なんか!?」「……先生こそ今まで…他の店の子か?」と言われて、「何言うてんねん!お代がないと来られへんやないか。それともタダで会ってくれんのか!?」と訊くと、「…誰の事も好きにならへんと言ったやろ」との言葉が返ってきます。
「そういうのは、自由な人間がするもんやろ」という雪乃に、「まるで牢獄におるみたいや…」と思う先生。「はは…変な顔。他のお客は私の気持ちなんて気にもせんのに…」と雪乃は……。
「私の髪飾り…。元気になったらまたじゃんけんしよ?私が勝ったらこれ返して」と格子越しに差し出されたのを見た先生は、「俺…雪乃ちゃんの境遇も考えずに今まで軽々しく…雪乃ちゃんはこの牢獄から出ん限り人を好きになる事も許されへんのや…」と手を握って、「不思議やなぁ…。お客の手なんか何百も握ってきたのに…何かドキドキするわ」という言葉にドキドキしつつ心で謝ります。
「…熱あるんちゃうか?」「そうかもしれへんなぁ…」というやり取りの後。瞬く間に先生の小説は売れ、一躍売れっ子の作家に。そして一ヶ月後に雪乃は病気が完治して元気百倍に。先生は稼いだ原稿料で雪乃ちゃんを身請けして結婚。末永く幸せに暮らしました……。
……という、原稿を書きかけで、机に突っ伏し髪飾りを握って眠る先生。ここでマンガはひとまず終わっています。
【創作漫画】新人小説家と遊女の話4/4
アンケートでハッピーエンドかバッドエンドどちらに感じたか投票結果でイラストが変わります!
フォロー、投票で確かめて頂けると幸いです✨— はやり8まい(創作漫画を描いてる会社員) (@ha8ri8mai) November 29, 2020
はやり8さんによると、「もともとレトロ建築を巡るのが好きで、大阪に実際にある現在は飲食店になっている元遊郭を訪れた際、感じた事や巡らせた想像が元となっています」というこのマンガ。Twitterのアンケートで「ハッピーエンドかバッドエンドか、どちらに感じたか投票結果でイラストが変わります」とした理由については、「私自身ストーリーを考えるのが苦手で……。Twitterには創作物を発表されていないだけで、私よりも想像力や創作力のある方が沢山いらっしゃると普段から思っておりましたので、みんなで作れたらもっと面白い漫画が描けるのでは……と思い、やってみようと考えました」といいます。
「いろいろな感情がごちゃ混ぜになった」「すごく引き込まれた」という声のほか、「ラストがどちらとも取れる」「最初から妄想なのかも」といった予想も寄せられていたことについて、はやり8さんは「長い間アルバイトなどをしながら日の目を浴びず、漫画を描き続けていた時期もあったのですが、今はこうしてSNSで感想を貰えたり良い時代になったなと思います。感想は1つ1つ大切に読ませて頂いております」とコメントしてくれました。双方向な試みはWebならではとも捉えられますが、それだけ絵柄やストーリーに惹き込まれた人が多かったということなのではないでしょうか。
※画像はTwitterより
https://twitter.com/ha8ri8mai [リンク]