「イケメン女子好き」「やり取りが尊い」 レコード店でバイト中の陰キャ女子&キラキラギャルのマンガがビビッド
『ハルタ増刊 テラン2022』(KADOKAWA)に掲載された読切マンガ『ニジコと嫁入り』などの新井すみこさん(@agu_knzm)が、Twitterで紡いでいるクラスで隣の席の女子ふたりの物語。クラスに友達がいない古賀美月と、イケイケ系のキラキラギャルの大沢綾が、美月のバイト先のレコード店で会うのですが、その中性的なファッションと雰囲気に女だと気づかずに「推し」になってしまう……というストーリーが大きな反響を呼んでいます。
ここでは『友達いなくても、よかったはずなのにな』をご紹介。新井さんには二人を描き続けるポイントをお聞きしました。
友達いなくても、よかったはずなのにな pic.twitter.com/b9fNBMHo06
— 新井すみこ (@agu_knzm) June 5, 2022
叔父の経営するレコード店でバイト中の美月。「え〜、ホントにわかんないっすか?」「ホントにわかんないですね…」と客からの問い合わせ電話に対応中。「ホラッ、数年前にめっちゃ流行ったやつ!バンド名も曲名も英語で…なんか…、こんな感じの…」と鼻歌を歌われて、「流行ったねぇ……」と思いつつ、教室での出来事を振り返ります。
綾を気づかう様子をクラスメイトに見られて、陰キャながら「王子」というあだ名がついた美月。「私は少々流行ったようだ」と赤面していましたが、「とは言っても、一週間もすれば、みんなすぐに忘れてくれる」と思います。「穏やかな日が戻ってよかった」と考えつつ、電話に「…あの、バンド名がわからないとちょっとお力になれ…」と言ったところで、綾が店にやってきます。
「すいません、お客様いらっしゃったので…はい、また!」と電話を切った美月。「…ごめんなさい、お電話のジャマしちゃって…」と謝る綾に、「あっ、いや!むしろ助かりました」と返して、「”流行った曲”としか覚えてないみたいで…。…ま、忘れちゃいますよ、ね。一瞬流行ったものって」と目元を笑わせます。それを見た綾は「……最近」と口を開いて……。
「学校に謎絡みしてくる子がいて」という言葉に「えっ!?」とギクっとした美月ですが、「あっ、ヘンな意味じゃないんですけどっ。…なんだろ」と綾は続けて、「ちょっとなんか、おにーさんと似てるかも」と笑顔に。綾は「……あ。覚えててくれた」と思います。
「…ごめん、気づいてると思ったからなおさら声かけれなくて…」#創作百合 pic.twitter.com/E6kNDdmUsF
— 新井すみこ (@agu_knzm) July 30, 2021
2021年7月30日にツイートした2Pマンガ『…ごめん、気づいてると思ったからなおさら声かけれなくて…』が美月と綾を描いた最初になり、「遠くから見ているだけで充分……と思っていた好きな人が、実はめちゃめちゃ近くにいたらどうなるだろう、と描いてみました」という新井さん。「正反対なキャラクター同士の組み合わせが大好きなんです」と話し、「だから、普通にしていたなら絶対交わらないであろう二人組にしようと思って。洋楽も好きなので、音楽でつながる関係性っていいなと思ったりもしていて、そういった自分自身の“好き”を詰め込んでいるストーリーですね」とストーリーについて語ります。
みつきとあやの初期のキャラ表です
漢字とかつけといて無視してた… pic.twitter.com/dtJE9mUECr— 新井すみこ (@agu_knzm) June 12, 2022
ビビッドなグリーンの色使いも相まって、オシャレな印象を受けるこのマンガ。二人のコーディネートも「ステキ」「カッコいい」という声が多く寄せられています。
新井さんは「実は、自分が目指したいけどあまり着こなせないスタイルを着てもらっている感じなんです(笑)。リプライなどで頂く”ファッション真似したい”といったコメントには、“わかります、私もです……”と唸りながら頷いています」といいつつ、ポイントとして「全体的にダボっとしていて体のラインが見えにくいスタイル」「バチバチ開けたピアスと、重そうで度胸のあるアクセサリー」「自分たちよりちょっと前世代のロックバンドTシャツやパーカー」「暗めの色」を挙げてくれました。
独特のセンスの構図などへの称賛の声や、「イケメン女子好き」「綾がかわいすぎる」「二人のやり取りが尊い」といった反応が続出しているこのマンガ。新井さんは「こんなにたくさんの人に読んで頂けるとは思わず、人生でTOP3くらいに嬉しいです。いろんな人に時間を割いて見ていただけて、感想まで残して頂いていることが夢みたいです」と話します。
「私が描いているマンガがいわゆる”百合”なのか、よくわからないんです」という新井さんは「“女性と女性の愛情”という方が近いというか、そのテーマに魅力を感じています。自分自身もセクシュアリティに悩んでいた時期があって、そんなところから生まれる物語やキャラクターを、いろんなセクシュアリティ、背景、人生、職業の人に見て頂けるということを、とても嬉しく思います」と語り、「これからも美月と綾の二人を、あたたかく見守って頂けたなら嬉しいです」といいます。今後の展開に要チェックです。
※画像はTwitterより
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