映画『大奥』で男同士の禁断の愛を熱演――注目俳優・永江祐貴さんインタビュー
徳川家代々の将軍達や要職にあった者達が、男が女に、女が男に置き換えられている“男女逆転”の物語『大奥』。人気漫画家よしながふみによる同名コミックを実写映画化した『大奥』から2年、徳川綱吉を主人公にした『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』が12月22日に公開されます。
実力派キャスト、豪華絢爛な衣装とセットに彩られた本作で、映画初出演を果たしたのが、俳優の永江祐貴さん。ドラマ『ギルティ 悪魔と契約した女』でデビュー後、『黒の女教師』『結婚しない』など次々と話題作に出演しています。
身長185cmというスラリとしたスタイルに、端正な顔立ちでフレッシュかつ繊細な魅力を発揮。映画初出演を終えての感想や「漫画やアニメが大好き」というプライベートまで、色々お話を伺いました。
――映画初出演を果たした感想を聞かせてください。
永江:やっぱり時代劇っていうことが大きかったのかもしれませんけど、今まで携わってきた現場とは空気が全く違って。着物の衣装、カツラ、初めての事づくしで手探りな状態ではありましたが、とても勉強になりました。
――豪華絢爛な世界観は、漫画から飛び出してきた様な見事な完成度でしたね。
永江:美術やセットが本当に素晴らしくて。聖護院でのロケは特に美しくて『大奥』の世界観にピッタリでした。僕は京都出身で、撮影の時は京都に住んでいたんですが、聖護院は通っていた中学がすぐ隣で。昔から知っている場所が映画に登場したことはもちろん、今回映画の撮影で初めて中に入ることができたことも嬉しかったです。
――京都出身ということですが、聖護院の他に、京都を旅行した際のオススメスポットはどこかありますか?
永江:「鈴虫寺」という年中鈴虫が鳴いているお寺があるんですが、確か日本で唯一草履を履いたお地蔵さんがいるんです。そのお地蔵さんに願いごとをすると、枕元に来て願いを叶えてくれるという言い伝えがあって、僕の周りでは叶うと評判なんです。なので、ぜひ京都に遊びに来た際は皆さんに訪れて欲しいと思います。
――本作はよしながふみさんの漫画『大奥』を原作としていますが、ご覧になりましたか?
永江:僕漫画とアニメがすっごく好きで、でも『大奥』の存在は知らなくて。少女漫画かなって思っていたんですが、読み始めたら世界観に引き込まれました。絵もスタイリッシュで男性でも楽しめる作品ですよね。
――ちなみに、普段はどういった漫画やアニメをご覧になるのですか?
永江:色々なジャンルが好きです。映画でいえば細田守監督の作品が好きなので、最近では『おおかみこどもの雨と雪』が面白かったです。アニメは、『けいおん!』が好きです。漫画でいうと『ジャンプ系』は欠かさずチェックしているのと、「このマンガがすごい」など、賞をとった作品は読んでいます。
――では大好きな漫画原作の作品に出演出来たことも嬉しかった?
永江:本当にありがたいですね。その反面ファンの方がたくさんいる作品ですから、イメージを壊してはいけないというプレッシャーもありました。
――斉藤という役柄を演じる上で一番気をつけたことを教えてください。
永江:僕が演じた斉藤は、郭智博さん演じる中村と恋愛関係にあって、妖しい雰囲気を醸し出している所を、菅野美穂さん演じる綱吉に見つかるという役柄でした。その空気感を出すことを一番大切にして欲しいと、監督には言われていたので注意しました。
――完成した映画を観た感想はいかがですか?
永江:自分が映るシーンを観るのはとても緊張しました。自分が出ているシーンが近づいてくると、ドキドキしてきて、鑑賞後は「もっとこうしたらよかったんじゃないか」と反省していました。
反省しすぎてしまうことは良くないことだとは思っているんですけど、現場では全力でやっていたつもりでも、完成した作品を観た時には後悔することもあって、そういった気持ちが今後少しでも減っていく様に、100%の力を出すということが今の課題です。
――一番印象に残っているシーン、苦労されたシーンについて教えてください。
永江:舞のシーンは上半身裸なのですが、撮影したのが1月で、場所が京都ということでとても寒かったんですね。皆で寒い寒いと震えながら頑張ったので、強く印象に残っています。舞の練習も、皆のスケジュールを合わせてみっちり行ったので、大変でしたが、無事完成出来て良かったです。
――そんな苦労されたシーンがある中、オフの日や時間はどんなことをして過ごしているのですか?
永江:中学時代からずっとバスケットボールをやっていて、高校でもバスケ漬けの毎日。大学もスポーツ推薦で入り、部活でバスケをやっているので、オフの時間にはとにかく体を動かしています。
――身長が185cmと、長身なのはやっぱりバスケの影響なのですかね?
永江:身長が伸び始めた時期とバスケをはじめた時期が重なるので、僕は影響していると思っているんですが、マネージャーやスタッフさんとその話をした時には「関係ないよ」と言われてしまいました(笑)。
――本当に関係があるのか、私も気になります(笑)。本作では俳優の大先輩である堺雅人さんと共演されましたが、いかがでしたか?
永江:堺さんと共演するシーンが夜伽(よとぎ)のシーンでかなり緊張感があり、斉藤は特に大きな恐怖を感じているという設定でしたので、堺さんからは「もっと恐怖感を表に出してもいいんだよ」とアドバイスしてもらいました。堺さんは、お会いする前にストイックな方というイメージがあったのですが、実際にお会いしたらイメージ通りで、役に完全に身を任すという姿勢はとても勉強になりました。
――菅野美穂さんの迫力の演技が見ものですね。
永江:間近で見ていて、ものすごい迫力でした。僕は顔をぎゅっと掴まれたのですが、本当に心から恐怖でした。あの綱吉の心情の変化、言い方は悪いですが“壊れっぷり”が見所ですね。綱吉が変化していく分岐点となるシーンになっているので、注目してください。
――最後に、映画をご覧になる方へメッセージをお願いします。
永江:観るたびに面白さが増えていきます。例えば、桜の木のカットは綱吉の気持ちを表していたり、観るたびに発見があると思います。見所が本当にたくさんあって、豪華な衣装も、本当に細部まで凝っているセットや美術、男女問わずいろんな方に観ていただける作品だ
と思います。お正月映画、冬休みの方も多いと思うので、是非劇場でご覧になってください。
――どうもありがとうございました!
映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』2012年12月22日(土)“男女逆転”ロードショー
http://ohoku.jp/
(C)2012男女逆転『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』製作委員会