ハイエンドイヤホン『ATOMIC FLOYD SuperDarts +Remote』の実力は?女子DJ「広がりがあって再現度が高い音」
2008年にイギリスで登場して以来、その高品質とスタイリッシュなデザインがオーディオマニアの高い支持を得ているイヤホン『ATOMIC FLOYD』の中でも、ハイブリッド式デュアルドライバを搭載した最高級モデル『SuperDarts +Remote』。日本でも2013年8月よりApple Storeで発売がスタートしています。
とはいえ、33800円(税込)というお値段は手を出しづらいのが正直なところ。実力ついても一聴しただけで分かるものなのか、疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで『オタ女』では、日本だけでなくイギリス・ドイツ・アメリカのクラブシーンでも活躍中の女子DJ・Pandora a.k.a まゆりんちさんに『SuperDarts +Remote』のレビューを依頼。「音のプロ」の耳でチェックしてもらいました。
1300度の高熱で10時間焼きつけたステンレススチールや耐久性ある素材を使っていることが特徴的な『ATOMIC FLOYD』。
『SuperDarts +Remote』は、低域用のダイナミック型と中高域用のバランスドアーマチュア型という二種類のドライバを採用。聴き漏れ対策の2ウェイノイズアイソレーションや3ボタンリモコン、デュアルインジェクション製イヤーパッド、ステンレス性イヤーパッド、金メッキプラグなど、フラッグしップモデルに相応しい贅沢な作りになっています。
また、iPhone・iPod・iPadに対応したリモコンがついており、ボリュームや再生・停止などの操作が手元で可能です。
踊れるトラックと卓越したパフォーマンスで「トランスの女王」との異名を持つまゆりんちさんは、イヤホンについてのこだわりも相当なもので、「よく楽器屋さんに行って聴き比べをします。自分の耳に合ったものは長い間手放せないですね」とのこと。
自身の曲の確認のために「リスナーの皆さんで聴いてもらえる環境はさまざまだと思うので、ポータブルオーディオプレーヤーでローエンドなイヤホンもチェックに使います。最終的にハイスペックなもので自分の意図通りの音になっているか聴くことが多いです」と、さまざまなスペックのものを用途で使い分けしていると話します。
そんなまゆりんちさんも、ブラックにレッドを差し色にした高級感のあるケースを手にすると「見た目超かっこいいですね!」と目を輝かします。
真っ先に着目したのは、ケブラー素材を使い高い耐久性を誇るケーブル。
「私も満員電車に乗っている時に引っ掛けて切れてしまうことがあるので、これだけ丈夫だと嬉しいですね」
自身の曲「ZiRENZ Vs SQ – Viva Voce Opus9 (Pandora Vs Ken Plus Ichiro Remix) 」(Afterworld Recordings)を真剣な表情で試聴するまゆりんちさん。気になる音質は…?
「最近のイヤホンはどこのメーカーも低音が強調されていて、ダンスミュージックだとドンシャリ(高音と低音のメリハリのあるサウンド)になりがちですけれど、これは空間に広がりが感じられて、全体的に柔らかく聴こえますね。キックの音が出過ぎないし、まとまりがあって聴き取りやすい音。再現度が高いです」
どうやら玄人も納得できるクオリティーのよう。それでは、装着感や使用感は?
「かなりフィットしますね。ヘッド感がいい。ただ、リモコンが頬の横に来るのはちょっと慣れませんね(笑)」
密閉感があり、音漏れがほとんどしないので、周囲に気兼ねなく音を楽しめるあたりに『SuperDarts +Remote』の実力が示されます。イヤーパッドはS・M・Lが付属しており、耳の大きさや好みに応じて選ぶことができるのもポイント。
しかし、不良品交換などのサポートに対応しているものの消耗品発売は実施しておらず、まゆりんちさんも「失くしやすいパーツは買えるようにしてほしい」とリクエストしていました。
「いいイヤホンだと、臨場感が伝わります」とハイエンドなモデルで聴く意味を挙げるまゆりんちさん。
「キックやブレイクの壮大さをトラックで表現したいと思っているので、クラブに行きたいと感じることができる音質で聴いてもらえると嬉しいです」
実力派クラブDJも唸らせる品質の『SuperDarts +Remote』。特にAppleユーザーで音質を追求したいというニーズに対する最適解といえる製品といえるのではないでしょうか。
Atomic Floyd 公式サイト
http://www.atomicfloyd.jp/