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Nov 21 2024

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ドラマCD『この男子、悪人と呼ばれます。』山本蒼美監督インタビュー(後) 「『この男。』シリーズでテレビアニメをやりたい」

OVA『この男。』シリーズでの独特の感性が注目され、テレビアニメ『メガネブ!』の監督に弱冠23歳で抜擢された山本蒼美さんのインタビュー。前編では、2013年11月に発売された『この男。』シリーズ最新作となるドラマCD『この男子、悪人と呼ばれます。』(CoMix Wave Films)のストーリーやキャラクターの魅力から、そのインスピレーションまで語って頂きました。

ドラマCD『この男子、悪人と呼ばれます。』山本蒼美監督インタビュー(前) 「萌えるのは黒髪で美少年。健気なキャラクターが好きです」 – オタ女
https://otajo.jp/33042 [リンク]

後編では、『メガネブ!』の監督を務めた際の裏話や、次回作の構想、さらには将来の野望まで飛び出す展開に…。どうぞ最後までじっくりとご覧下さい。

(聞き手:藤本エリ・ふじいりょう)

――『悪人』と同時期に制作されていた『メガネブ!』ですが、「1990年生まれの女性監督」ということでも注目されていたと思います。プレッシャーもあったのではないですか?

山本監督(以下、山本):もちろん、それはありますよ!(笑) 『宇宙人』を作っている時に、『メガネブ!』のプロデューサーが『アニメイトオンライン』の記事で私の名前を見かけて検索してくれて、YouTubeにアップしていた自主制作の『ロボティカ*ロボティクス』を観て面白いと感じてくれたみたいです。でも、テレビアニメの制作現場では根本的に言語が違っていた。テレビアニメ業界に入ろうと思ったことがなかったので、知らないことばかりで手探りでした。

――業界の知識のないままにテレビアニメの監督になってしまった、と。

山本:作品の演出方針をスタッフに伝える「演出打ち」も、何をするのか全然わかっていなくて…。どういうことをするのか説明を受けたのが打ち合わせの2日前で、「いや、いろいろ準備しななくちゃいけないよね?」と…。プロデューサーが「体験しなくちゃ分からないと思って」というので、「いや、説明してよ!」となり、慌てて資料を揃えたのも今ではいい思い出です(笑)。それでも、師匠としてわたなべひろしさんが助監督として付いて下さって、要所ごとに助言して貰えたり、すごくバックアップして頂きました。

――スタッフワークのよさですね。

山本:テレビアニメは関わる人が多いので、やろうと思えばいくらでも大きなことができますし、人に頼ることもできるというのは良さです。一方で個人制作は実力不足が全部自分の責任になるけれど、全部自分の好きにコントロールできる。どちらにも良い部分があると思います。

――『メガネブ!』の制作の間は地元の広島県から東京に出てこられたのですよね。気分転換はどうされていました?

山本:最近はフリーマーケットかな。朝まで仕事だった後に寄ったり。でも、そこでもダテメガネを買ってしまっていました(笑)。もともと私自身、別にメガネ属性はなかったのですけれど、今では電車の中でも人をメガネで判別するようになりました(笑)。

――それだけ作品に打ち込まれていたことが分かるエピソードですね。テレビアニメでの仕事も経験されて、『悪人』の次の作品の構想も気になります。もうストーリーをお考えなのでしょうか?

山本:スタッフさんには「のっぺらぼうをやりたい!」と言い続けているのですが、顔がないキャラクターはアニメでは主人公にするのは難しいと渋い顔をされるんです(笑)。

――妖怪ものとは意外です。どのような世界なのでしょうか?

山本:考えたのは、妖怪が普通にクラスに一人いるようになった世界。「僕は人間なのに顔がないので差別される」とか、リアルな悩みとくっつけてやりたい。これは絵と音の両方で描くもので、アニメかゲームでしか表現出来ないと思っています。主人公に顔がなくても周りはイケメンで固めればいいんです!(笑) 

――面白いアイディアですね! 『この男。』シリーズは長く続けていかれる作品群になっていくのでしょうけれど、今後どのようにしていきたいとお考えなのでしょうか?

山本:この前30歳までの人生計画を表にしてみたのですけれど(笑)。一番の野望は『この男。』シリーズをテレビアニメでやることですね。12話あれば語れる物語がすごく広がって面白いと思います。

――それは、これまでのシリーズとの関連性があるストーリーになる?

山本:個々の作品はこれまでも直接リンクはしていないのですけれど、空気観を引きずっていたり、共有のモチーフや言葉が出てきたりしていますね。私、伊坂幸太郎の作品のそんな感じがすごい好きであこがれがあったんです。だから、最初から観てくれている人が楽しめる部分もあるといいな、と思います。twitterの反応を見てもみんなそういう部分に気づいて喜んでくれているんですよね。それでいつも「よかった」と感じています。

――山本監督の活躍を見て、自分もアニメ作りに関わってみたいという人もいると思います。最後にそういったクリエイター志望の皆さんにメッセージをお願いします。

山本:とりあえず作ることですね。「やりたい」「やってみたい」ではいつまでも実現しないので。作って完成させるのがまず大事で、完成したら公開して人に見てもらわなければ始まらないです。私もYouTubeにアップしたり、コンペに出したりして今につながっています。何もせずに「才能に惚れた」という人は現れない。白馬の王子様は勝手に来てくれないので、まずは作ることだと思います。

『この男。』公式ポータルサイト
http://www.konodan.com/ [リンク]

TVアニメ『メガネブ!』公式サイト
http://mgnb.tv/ [リンク]

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記者プロフィール

ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営。ネット、メディア、カルチャー情報を中心に各媒体にいろいろ書いています。好物はホットケーキとプリンと女性ファッション誌。

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