編集者の裏話や書店員のおススメも!!『CREA』で女性マンガ家を特集
常に感度の高い特集を組むことで20代から30代の女性に支持の強いライフスタイル誌『CERA』(文藝春秋)の最新号である2012年10月号は、「きれいな人の24時間」ということで、表紙の小雪をはじめ、深田恭子や木村多江、香椎由宇らのプライベートで実践している美容術や、メイクアップアーティストやライター推薦のコスメなどが大特集されています。
ですが、『オタ女』的に注目なのは208ページから。ここでは「マンガ再デビューのお誘い」として、女性マンガ家や作品について、あらゆる角度からフォーカスしています。
まず、『姉と結婚』や『恋と軍艦』など6本の連載を抱える西炯子さんにスポットし、出身地の鹿児島をモデルにした”角島シリーズ”の『STAY』や『甥の一生』が生まれた時の心境や作品への想いを語っていて、短いながらもファン必読。中でも、「業務上、恋をしていないと少女マンガは描けないです」という言葉にシビレます。
また、宝塚歌劇団のファンの日常を描いた『Zucca×zuca』のはるな檸檬さんが、『ママはテンパリスト』『主に泣いています』で大人気の東村アキコさんのアシスタント時代のエピソードを2ページに渡って紹介。子育てをしつつフラフラになりながらも締切に向かう東村さんの姿に「漫画家にだけは…絶対なれねえ」と思ったというはるなさんですが、女子の仕事場での経験があって今の活躍があるようです。
マンガ好きとしては、主婦向けコミック誌『エレガンスライフ』(秋田書店)の編集である金城小百合さんと、『f』(大田出版)の編集長・上村晶さんが、自身の携わった作品の舞台裏について語っていて、どちらも興味深い内容でした。特に金城さんは『センネン画報』の透明感ある少年少女で脚光を浴びた今日マチ子さんに”戦争もの”を提案し、『cocoon』の連載にこぎつけたとのこと。「企画と熱意、これしかないです」という編集者魂に脱帽するしかありません。
「マンガはたくさんあって、どれを読んでいいか悩む…」というひとには、書店女性担当者座談会で大人の女性の読んで欲しい作品が紹介されているのが参考になるでしょう。
パルコブックセンター渋谷店の齋藤和子さんはサメマチオさんの『きみの家族』、渡辺ペコさんの『にこたま』、いくえみ綾さんの『プシンシバル』、紀伊國屋書店新宿南店の竹村悠さんは森薫さんの『乙嫁語り』、荒川弘さんの『銀の匙 Silver Spoon』、高瀬志帆さんの『おとりよせ王子 飯田好実』、中目黒ブックセンターの青木祐美子さんは雁須磨子さんの『つなぐと星座になるように』、米沢りかさんの『カツ婚!恋に喝!』、奈知未佐子さんの『一日の最後に読みたい本。』をそれぞれチョイス。目利きが選んだ作品たちだけに、どれも読んで損はないのではないでしょうか。
ほかにも、超ベテランから若手まで、世代別に分類されたマンガ家一覧など、力の入った10ページ特集になっています。マンガ好きの人はもちろん、しばらくマンガから遠ざかっている人にとっても一読の価値アリです。
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