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Nov 21 2024

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ブサイク男子D君、モテ時代到来! 前編(犬山紙子のイラストエッセイ)

ここ最近、イケメンあんまり好きじゃないという女性とよく出会う。かくいう私もそう。けど、ここで指してるのはかっこいい顔がきらい、じゃなくて、
「イケメンは遊んでそうで怖い」
からあんまり好きじゃない、これにつきるんですよね。
とゆーか、イケメンが好き、嫌いじゃなくて、遊んでる男が好きか、嫌いか、ここでわかれているんだと思うのですね。

「もてて、遊びをちゃんと知ってる遊び人が好き」
という女性と
「誠実で優しい、遊んでいない人が好き」
という女性にわかれる気がする。で、最近後者の女性が多いな、と思うことがけっこーある。でも、後者のタイプが多いな、と気づいているのは何も私だけじゃない。男も気づいているのである……。

そして私の友だちの地味目男にも、気づいているやつが一人いる!!!! 今日はコイツの話をしようかと思う。

私の友だちのD君30歳。彼は見た目は正直あまりかっこよくない。むしろ、世間一般ではかっこ悪い部類に入るのではないだろーか。仕事はごくごく普通のサラリーマン。貧乏でもないしお金持ちでもない。

そんなD君が
「俺、最近ネタ持ってるからメシ行こうぜ~」
なんて軽く誘ってきたから、
「ネタ持ってるんだったらがっちりその話を聞かせてもらうぞ」
と返事をし、会合。
(言っておくけど、私だってちょっといいな、って思ってる男性にはこんな返事しないよ! ご飯楽しみ~! くらいは言う!)
電車で向かう途中、あれ? D君ってこんなに軽い感じで女(つっても私だけど)を誘える人だっけ……? と疑問に思いつつ……。

実際D君と合流したけど、かっこよくなっている、とかおしゃれになっているとかそーいうのは皆無。以前とまったく変わらない。

むしろちょっと前よりプーさんみたいになっている。なのに、前(1年前)より、自信がついたと見られるのである。
「なんか、なんも変わってないけど、超変わったね」
と言うと
「そうでしょ、そうでしょ」
と自慢げ。

「わかった! 童貞捨てたのか!」
とでっかい声で言うと
「バカヤロー! 前から童貞じゃないわ!」
と怒ってきた。まあ、渋谷のハチ公前20時という状況下で、こんなでっかい声で童貞捨てたとか言われたら怒るよね。私ってば本当にデリカシーがない。
「まあ、童貞でも童貞じゃなくてもどっちでもいいから、早く居酒屋にでも行ってネタを聞かせてよ」
で、近くの居酒屋に移動した私たち。

ビールで乾杯。
「で、どうなのよ?」
と聞くと……

「俺、実は今、本命の彼女がいて、さらにセフレが二人いるんだよね…………」
とかぬかしやがった。
何? 1年前は、彼女ができないとわめいていた彼に、この1年で何があった? という話である。
「まず彼女はどーやってできたの?」
と聞くと、答えは単純明快。
「合コン」
とのこと。
「あれだけ合コンはいやだって言ってたのに、何の心境の変化?」
と聞くとD君は語りだした。

「俺さあ、自分の顔があんまりかっこよくないのは知ってるんだよね。だから今まで自信ぜんぜんなかったんだけど、ある日突然気づいたんだよね。キモイとブサイクは違うって」
「ブサイクでももてるやついるじゃん? あれ、お金持ってるんだろう、どうせ、とか思ってたけど、そうじゃなくて、キモくないんだよね。ブサイクだけど。それをテレビで芸人とか見てて気づいてさ」
…………ああ…………それは確かに!

「で、まずは自分からキモさを消そうとしたわけ。髪型とか清潔っぽくして、ウジウジするのをやめたのね」
「で、次に思ったのが、ブサイクでも愛嬌(あいきょう)があればかわいく見えるってこと」
「男の愛嬌ってなんだろうってことを考えたら、女の母性本能をくすぐる言動だよなって気づいたわけよ」
「だから、一度キモさを消して、愛嬌で一度合コンでがんばってみよう! って思ったんだよね」
……なるほど、自分をちょっと変えて合コンにチャレンジしたというわけか。
「で、今までほんと合コンとかいかなかったんだけどさ、合コン行ったら、案外女の子ってちゃんと話してくれるんだね。俺、口も聞いてもらえないもんだと思っててさあ、しかも結構かわいいかわいいって言ってもらえて」
……愛嬌って具体的に何やったわけ?
「とりあえず、ニコニコしてたよ。喜ぶときはおおげさに喜ぶ、とかさ、あとは俺、目が一重でちっちゃいじゃん? それが今まではあんまり好きじゃなかったんだけど、つぶらな瞳がチャームポイントみたいな感じにもっていったの」

……コンプレックスをチャームポイントに変えちゃえ☆みたいな、女性誌ノリを、この地味目男子がやってのけたとは……!
AKBの板野友美だって、あのアヒル口がコンプレックスだって言ってるんだぞ! なんでも、あのアヒル口のせいで、大人っぽい服が子どもっぽくなっちゃうんだって……!
ふざけんな! ぜってー、コンプレックスっておもってねー! 思ってたらわざわざ強調するかっ!!! てゆーかかわいすぎるだろ! 板野友美! 私と顔交換しろ!!!!!!
……ひがんでしまった……。話を元に戻しましょう。

……で、その合コンでもう彼女候補が見つかったわけっ!!?????
「いやいや、違う違う。結局イケメンに女の子もっていかれたけどさあ、イケメンになびいていない子がいたから、その女に聞いてみたんだよ。どういう人がタイプなの? って」
「そしたら、あんまり遊んでない、真面目な人が好きっていうの。本心では、まー、そんなこと言ってもどーせイケメンがすきなんだろ? とか思ってたんだけど、どうやら結構深く聞くと本当にそうらしいんだよね」
……まあ、私もそうだもんな……。
「でしょでしょ! で、その合コンにきてたもう一人の子も、同じようなこというわけよ!」
「まあ、その日は何も行動できずに終わったけど、俺、


“……このタイプの女を狙えば、俺でもいけるんじゃないかってさ……”って思ったんだよね……」
D君、なにやら悪い目つきになってきた。
「そこで、作戦立てたの。ブサイク仲間で合コンするより、イケメン友だちも入れて、合コンして、イケメンになびかない女の子を、俺が誠実さと愛嬌でアタックする! これがいちばんいい方法じゃないかってさ」


D君、もしかして超頭よくない…………???????
それ、女の私が聞いても結構いい方法だと思うぞ!!!!!!!!


「そこから、俺の人生がスタートしたよね」
次回、D君の人生がスタートするっ!

続く

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犬山紙子

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