少年アヤちゃんのこと(犬山紙子のイラストエッセイ)
さて、今回は少年アヤちゃん。
最近会う人会う人に
「少年アヤちゃんに会いたい」
とやたらと言われる。
まあ、ほぼ女だけなんだけど、みんなアヤちゃんのブログの虜なのである。
アヤちゃんのことを知らない人のためにサックリ説明すると
「ニートのオカマの平成生まれ、主な収入源はヤフオク」
という人物であり、6年間ニートをやっていた、否、仕事がなくなれば即ニート行きという私にとって非常に親近感のわく若者なのである。
若者とか平成生まれとかゆとりとか書いたけど、ジェネレーションギャップを感じたことは実は1度もなく、アラサーの会話に出てくる固有名詞まで妙に知っているのである。
あと、オカマって書いてるけど、毒舌な面白いことを言うオカマって感じじゃなく、すこぶるおもしろい喪女って感じが凄くするんですよね。
オネエをやたらチヤホヤする文化が女にはありますが、
(ファッションムービー等で刷り込まれた、オネエの友達がいる私イケてるっていう風潮があるからだよね。オネエだってイケてる人、イケてない人はいるのに、オネエだったらとりあえず仲良くしたい! みたいな。そういう女の心をオネエに見抜かれてるとも知らずに)
アヤちゃんが人気なのは、オカマだからどうこうじゃなくて、その喪女っぷりで共感呼びまくってるからなのでは? とにらんでおります。
(女からの共感リプライがスゴイ)
あ、あとアヤちゃんは女装はしてないです。
そんなわけでオカマや若者として紹介という感じでもなく、そのまま“少年アヤちゃん”ってどんな人物よ? ってとこをここで少し掘り下げようかと思います!
私がアヤちゃんに初めて会ったのは、
「代官山の超オシャレなスタイリストさんがやってるフリマ」
という、日本で一番オシャレな催しである。
私が買い物したかったからアヤちゃんをそこに呼び出したわけだけど、よくよく考えたら初めて会うのにフリマもないよな……。
いや、アヤちゃんもフリマでなんか買うかな? って思って善意で誘ったのもあるけど
「オシャレなスタイリストのフリマに呼ばれてるオシャレなアタイ」
を見せつけ、初めて会う人にとりあえず威嚇しといて自分が上に立っときたいととられてもしょうがないよな。
まあ、9割ぐらいそんな気持ちだったし。
(まあ、そのフリマ呼ばれたのはともさ会(ともさかりえが好きな人が集まる会合)の一人から呼んでもらっただけで、別にそこの超オシャレなスタイリストさんとは知り合いでもなかったけど……)
そして、場所をURLを入れてアヤちゃんに送ったものの、アヤちゃんスーパー古いガラケーを使っているので見れず、結局迎えに行くことに。
ちなみに集合時間についてのやり取りがこちら。
「現地に三時で大丈夫かえ?」
「3時15分でも良いでしょうか? 剛くんの握手会チケットを買わなければならなくて……」
「いいっすよ」
何この理由………………。
この剛くんというのは俳優の綾野剛のことであり、当時アヤちゃんは彼にめっちゃはまっていたのだ。
ちなみに、ブームはすぐ過ぎ去り、
↓
スパイダーマンの中の人
↓
いおたんらしい。
いおたんが誰かわからないけど、なんかアスリートらしい。
顔は知らなかったのだけど、代官山のオシャレな町を
「しゃらくせえ」
と言いながら歩いてたので(一人で)、一発でアヤちゃんってわかったのである。
見た目についてはベールに包んだままにしておこうかな。
まあ、私のイベントに来てくれた人はもう知ってるとは思うけど、私がここで
「アヤちゃん自分でブスブス言ってるけど、全然ブスじゃないし、かわいいし」
とか書くと営業妨害になるし、かといって
「アヤちゃんはブスです」
って言っても犬山性格悪いみたいになるし、触らぬ神にたたり無しの方向でいきましょう。
で、アヤちゃんと合流し、買い物をして(アヤちゃんは結局何も買わなかった……)その1時間後にご飯を食べる約束があったんだけど、お腹がすいて我慢できなかったので2人でパスタ屋さんに。
カルボナーラという凄いお腹にたまるものを注文して2人で話すも、アヤちゃんは実際かなり気を使う方で、私に気を使いすぎたのか、それとも代官山のオシャレなフリマに呼ぶという私からのプレッシャーを感じたのか、下痢になっていて、何度もトイレに立っていた。
アヤちゃんとは結構他愛もないことを話したんだけど、私は話す内容よりも、その人のつけてるキーホルダーのほうが人をあらわすと思っている。
アヤちゃんのリュックについてたキーホルダーを見てください。
もう泣ける……………………。
この薄汚れた感じとか、狙ってない感じとか、桃太郎とか、なんかおばあちゃんが買ってくれた臭が凄いビーズのダサいネコとか……………………。
これこれ!!!!! こういうキーホルダーつけてる人に悪い人はいないのよ!!!!!!!!!!
逆に、キーホルダーで人の性格ってちょっとわかると思うんだけど、かわいいキャラものつけてる人はブリッ子したい願望ある人だし、ちょっとおもしろいネタ系に走っちゃう人は自己防衛が半端なく高い人だし、なんもつけてない人はプライド高めだし、ゆるキャラやちょっと変かわいいっぽいのつけてる人は計算高いし、で、アヤちゃんのこのキーホルダーみたいな、もう、お土産でもらっても
「うわー、これいらねえ~」
って言うようなのをちゃんとつけてる子はね! ピュア!!!!!
超・ピュア!!!!!!!
私がその昔、ガチャガチャでいらないキーホルダー出て、いらねって思ってゴミ箱に捨てた日に、そのキーホルダーを大切そうにつけてる女の子を電車で見かけてスゲーキュンときたあの感覚!!!
アヤちゃんがノンケだったらほれてたってくらい、このキーホルダーの破壊力は半端ないのですよ。
んなわけで、話した内容は忘れちゃったんだけど、犬山、この時
「アヤちゃんは私が守る」
って余計なことを思ったのです。
で、次の飲み屋に移動したのですが、すれ違う男に
「うわ、あの人かっこいい~」
「うわ、超タイプー」
って言いまくるわけですよ。
え? どの人?って私がキョロキョロしたら、すでにもう他の人見て
「素敵~」
とか言ってるわけです。
で、私が
「じゃあ、あの人は?」
って聞くと
「あの人は首が浮き輪みたいだから嫌~」
とよくわからない例えでバッサリ。
誰でも良い訳ではないようです。
で、目的地に到着。
そこではとある放送作家さんと“喪女”について語るというテーマの飲み会でして、それで助っ人としてアヤちゃんを呼んだわけです。
私自身、彼氏はいないけど喪女ではないので、まっさらな体のアヤちゃんを生贄として連れて行ったわけです。
(ちなみにSPA! の喪女特集とは違いますよん)
終始、カシオレやピーチなんとかなど、モテ酒を頼んでいて、
「カワイイでしょ」
とか言ってたけど、多分、
「あえてモテ酒を頼む私を笑って」
という落とし所をつけつつの
「本当はまだお酒の味がわからないから、ジュースみたいなのしか飲めない」
だと私はにらんでいるのですが、ここはどうなんでしょーか。
で、アヤちゃんはそれはもう、サゲマン体質で、サゲ仲間でサゲマンJAPANという会合をやっているらしいんだけど、そのいかに自分がサゲなのかを語っている時のみ、
「人に気を使う」
ことから開放され瞳がいきいきとしだし、サゲエピソードだけじゃなく、自虐を言ってる時も輝き出したので、
「この子は若くしてなんて複雑なメンタルを持っているんだ……」
と少し悲しくなったのでした。
自分をおとしめて、人に笑ってもらい、でも人の反応で少し一喜一憂し、ひっそり泣く………………。
これは私がどうこう言うよりアヤちゃんの文章を抜き出して紹介したほうがてっとりばやいのでブログから抜粋します。
確かブス2人で、美人2人に「私たちのどこがブスなのか」を問いただしている時でした。いくら待っても美人2人が何も言ってくれないので(当たり前だよね)、ブス2人で「笑顔が汚いよ」とか「ヤリマンっぽいよ」とか相殺し合っていたんです。そしたらそこへ急に美人が入って来て、
「あっ!でも今日のオカマ、すごい男っぽ~い!なんでだろ?ヒゲかな?ヒゲがあるとすっごい男っぽいね~~わ~~~なんか女の子で、こういう感じ好きな子いそ~う!」
と、言って来たんです。トンチンカンすぎて、私も含め皆黙ってしまいました。一体、なんと答えるべきだったと思いますか?ずっと考えてるんですが、何も思い浮かばなくて困っています。
…分かるよ。私のために言ってくれたんだよね。この可哀想なブスを、なんとかして褒めてあげなきゃ!ってオシャレコーデ術でいっぱいのスッカスカな頭で一生懸命考えて、そしてポン!と出て来たのがコレだったんだよね。お気持ちは嬉しいわ。でもよく考えて。出発点も着地も間違えてない?というかいくら褒める所が無かったからって、そんな変化球で私を傷付けるなんて余計に酷くない?気の使い方を間違えてない?「何も褒める所が無いから、いっそ新たに項目を作ろう!」みたいなのって、ビリだった子にまで賞をあげちゃうPTAのセンスですよ。こちらとしては全く嬉しく無く、そんなもんで喜んでたまるか!って意地を張りたくなります。というか、だったら悪い所を教えて、正しい方向に行けるようにアドバイスをくれよ!ですよ。私、間違ってますか?また空回ってますか?美人はそこまで考えてないですか?どうでもいいんですか?配慮が足りないんじゃなくて、「配慮をする必要が無いと判断されている」んですか?
…そうなんですか?
「少年アヤの尼のような子」2012年6月12日『高円寺という街』
http://yaplog.jp/ayatan-doku/archive/8892
いやあ相当でしょ。
真似しようとしてもできないですからね、コレは。
でも、この複雑なメンタルこそ、彼女の文章がおもしろい所以ですよね。
(こういうこの人がおもしろい所以は~みたいな考察ってされるとウザイよね)
で、特にアヤちゃんが輝いていたのが、ぢのくだりで、アヤちゃんは、一切いじってもいないのに、尻の穴にそれはそれは美しい一輪のバラが咲いてるそうで。
(要するに脱肛(だっこう)か、イボぢ)
親に言ったら「お前一人でいじってるのか」的な目で見られるし、こないだの邪道モテのイベントの時は座ってる間ずっと辛そうで、10分に一回はボラギノール塗りに行ってたし(ちょっとスピリチュアルかじってる女の子のホメオパシーみたいなものだよね)とっとと病院行きなよ! と軽々しく言おうもんなら
「でもお医者さんに見られるんでしょ?」
と処女のようなことを言うし。
てゆーか、アヤちゃん処女だし。
アヤちゃん最近深夜必ずSPEED聴いてるし。
アヤちゃんの財布ぼろいし………………。
色々ピュアすぎて、犬山はもうおせっかいBBA状態に今なっているのですよ。
まあ、私がおせっかいやかなくても勝手にどんどん売れてゆくんだろうけど……。
で、この日私はスパンコールのついた服を着てたんだけど、剥がれたスパンコールが、アヤちゃんの指の爪の間に入り込んだらしく、流血し、痛かったそうです。
………………。
何がアヤちゃんは私が守るだよ………………。
そんなこんなで、アヤちゃんを犬山は大好きなのでした。
アヤちゃんのブログはこちら!
↓
「少年アヤの尼のような子」
http://yaplog.jp/ayatan-doku/