犬山の彼氏(犬山紙子のイラストエッセイ)
(暑さに怒り狂う犬でこんにちは! みなさんの暑さに対する怒りを犬が代弁しとります)
2日前。カップルだらけのお台場を一人スカして歩いてたら思いっきりすっ転んだ。
こういうときは痛さより恥ずかしさが問題だけど、犬山の対処法としては声を出して
「いってー!」
と言うことにしている。
何故なら、
「プ、あいつこけてやんのダッセェwww」
という周りの視線を
「痛そうだな、かわいそう」
に変換できるからである。
われながら頭が良い。
で、そのあとはちょっと泣きそうな顔で立ち去り、転んだ現場を見てない人たちゾーンに入ると、またスカして歩くのである。
で、そんな感じでやりすごしたわけだけど、
家に帰ったらメッチャ痣(あざ)になっていた。
なのでその旨をツイッターでつぶやき、みんなに慰めてもらおうとしたら。
(紅に! 染まった! この俺を! 慰めるやつは! フォロワーだ~け~)
大丈夫? とかじゃなくて
「なんかヒゲの生えたオッサンに見える」
という意見ばかり届いた。
慰めてほしかったけど、その意見も捨てがたい。
ためしに顔を書いてみたら、なるほど。
みんなの言ってることがよくわかった。
この旨もツイッターで報告すると、
「犬山さんの彼氏ですか?」
という反応をいただいたので、もう彼氏ということにした。
お外で見る彼氏。
彼氏「あっちー、早く家に戻ろうよ」
お外が暑そうだったので冷たい飲み物をあげてみた。
彼氏「ゴクゴク♪ 冷たい飲み物飲みたかったんだよ、紙子は気が利くなあ~」
それにしても、この彼氏、顔も整ってるしイケメンである。
彼氏「なあ、紙子、俺ちょっとお化粧とか興味あるんだけど……(照)」
彼氏は一人じゃなにもできない。だからルージュを塗って、チークをはたいて、アイシャドウもつけてあげた。
彼氏「へへっ……ちょっと恥ずかしいけど、ルージュって案外いいものだな///」
どうやらご満悦のようである。
でも、私がひとたび原稿書いたり仕事を始めると、彼氏は暇そうである。
ときどき目が合い、その顔が切ない。
だから友だちを用意してあげた。
犬山、実は2日前に1度だけじゃなくて、2度すっ転んでいたのだ。
たぶん、普段しない早起きをしたから転んだんだと私はにらんでいる。
彼氏「ウフフフフ」
友だち「キャッキャッ」
こんな、平和な夏のひととき………………………………。
こういうことをしてるから彼氏ができないんじゃなくて、彼氏がいないからこういうことするんです。